46課教案 ところです ばかりです はずです

教案
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教師用メモ

「ところ」の意味

「ところ(所)」はL8で空間的場所で既出。L46は時間的位置、その瞬間を指す

「ところ」教授の際の注意

「ところ」は全て無生物などに使えないことなどからもわかるが、無意志動詞は使えず、意志動詞のみ使える。
「ところ」は「ちょうど今(から)」などを表すので、教室内での導入ではやりづらい。QAやPC、Gでやる

中級でも頻出の「ところ」

この初級のトコロの用法は実に簡単で楽しいのだが、簡単過ぎてなめてかかるSも出る。しかし、実はこのトコロ、中級で非常に様々な使い方をし、かなり面倒な文型なのだ。
【ところ+『だ』『だった』『に』『を』『が』】など、他にも偶然の発見など(先生に聞いたところ、答えがわかった)、JLPT文型中でも使い方が多い部類。ここで少しでもトコロに馴染んでもらうのと、負担を少なくする事を目指す

関連

どころではない N2

ところだった N2

どころか N2

教案

Vジ+ところです 【直前】

- 教える際の留意点-

1.ある動作が始まる直前であることを表す。

2.「ところ」が名詞である。

3.「ところだ」も「ようだ」も文の中に必須の言葉ではない。「たった今仕事が終わったところだ」と言おうが、「たった今仕事が終わった」と言おうが、意味に大差はない。ではなぜこの「ところだ」を学ばないといけないのか、どんな時に使われるのか、「ところだ」を使うとこんなに便利だ、ということを教える。

5.「時間がかかるもの」や「瞬間動詞」は接続できない。
×今から子どもを育てるところです。
×これから結婚するところです。

6.無意志動詞も接続できない
×外れる/咲く/降るところだ。
〇外れ/咲き/降りそうだ

導入・練習

◆状況がないと導入しづらいので、ピクチャーカードを多用して「じしょ形+ところ」が使える状況を示す。

T:これを見てください(AさんがBさんを食事に誘う絵カードを見せる)Aが言います。Bさん、もうごはん食べた?Bさんが言います。いいえ、まだです。これから・・・?
S:食べます
T:そう。食べます、ですね。でも、これもいいです。

これからごはんを食べるところです。

S:先生、食べます、食べるところです、何が違いますか
T:「食べます」はすぐ、いいです。明日食べます、いいです。「食べるところです」はすぐ、だけいいです

食べます
 :〇すぐ 〇明日、来週 〇いつも
食べるところです
 :〇すぐ ×明日、来週 ×いつも

◆「これからやろうとしてたのに!」というニュアンスが含まれる例文も見せる。

T1:これを見てください(母親が子どもを叱る絵カードを見せる。教師が母親役になる)勉強して!
T2:(教師が子ども役になる)今から勉強するところだよ!

Vている+ところです 【最中】

- 教える際の留意点-

1.ある動作がまさに行われている最中であることを表す

導入・練習

◆導入
T1:これを見てください(AさんがBさんを誘っているPCを見せる。教師がA役になり)Bさん、今から遊びませんか
T2:(今度は教師がBさん役になる)今勉強しているところです

【板書】
今勉強しているところです。

S:先生、勉強しています、勉強しているところです、何が違いますか。
T:

◆よく使う形「~ので、ちょっと待ってください」を導入
T1:これを見てください(AさんがBさんを誘っているPCを見せる。教師がA役になり)Bさん、今から飲みに行きませんか
T2:(今度は教師がBさん役になる)すみません、今勉強しているところなので、ちょっと待ってください

【板書】
今勉強しているところなので、ちょっと待ってください。

T:「ているところなので」の後ろは「ちょっと待ってください」をよく使います

◆よく使う形「~ので……」を導入
T1:これを見てください(AさんがBさんを誘っているPCを見せる。Bさんはイヤそうな顔をしている。教師がA役になり)Bさん、今から飲みに行きませんか
T2:(今度は教師がBさん役になる)すみません、今勉強しているところなので……

今勉強しているところなので……。

T:Bさんを見てください。嬉しそうですか
S:いやそうです
T:そうですね。じゃこの「ので」の後ろは何だと思いますか
S:行きません/行きたくないです
T:そうです。でもはっきり言わなくてもいいです

この「~ています」と「~ているところです」の違い、ニュアンスの差を直接法で説明するのは限界があります。ですので、「~ので、ちょっと待ってください」と一緒に使うなどして、「ているところ」の利用価値を上げてあげないと学習者の覚えようというモチベーションも上がりません。

Vタ+ところです 【直後】

- 教える際の留意点-

1.ある動作が終わった直後であることを表す。

2.「~ところ」は「です」の他に、助詞「へ、を、に、で」を伴う表現、「彼女と話しているところへ友達が来ました。」などもあるが、それらを教えるのは中級なので、ここでは見せない、言わないように注意する。

導入・練習

◆「ところ」の最後なので、他2つも復習がてら入れつつ導入すれば理解の助けになる。
例えばある外国人が日本へ来て、日本語学校で勉強し、成長していくまでを紙芝居のようにして物語風にやってもおもしろい。16課の 「てから」で使った教材が使える可能性があるので、見直してみるといいかもしれない。

T:この人はチョウさんです。今、中国にいます。今何をしているところですか
S:日本語を勉強しているところです

日本語を勉強しているところです。

T:ここは空港です。Aさんが飛行機の前にいます。Aさんは今から?
S:飛行機に乗るところです

飛行機に乗るところです。

T:(Aさんが飛行機から降りた絵カードを見せる)Aさんは?
S:日本に着いたところです

日本に着いたところです。

バスに乗るところです。

バスを降りたところです。

T:じゃまとめましょう。「するところです」はどういう意味?「しているところです」は?
S:「するところです」は今からします。「しているところです」はちょうど今しています。
T:じゃ「したところです」は?
S:ちょうど今終わりました

するところです  :ちょうど今からします
しているところです:ちょうど今しています
したところです  :ちょうど今終わりました

Vタ+たばかりです N4 【直後】

- 教える際の留意点-

1.ある行為や出来事が行われた直後だという話者の気持ちを表す。

2.「ばかり」は形式名詞なので名詞と同様の扱いである。だから、「~のに」と接続する時は、「ばかりなのに」となる。「~のに」だけだと、な形容詞と勘違いされるので、「ばかりの」も提示すること。
・去年結婚したばかりの人はS1さんです。
・買った~の時計 ~なんです ~なのに、壊れた。

3.「ばかり」は話者が直後だと思えば、昨日だろうが、先週、先月、場合によっては「2年前」でも使える
・この家は2年前に建てたのに、~てしまった。

導入・練習

◆人生であまりしない事を提示
T:皆さんは日本語が上手になりましたか
S:まだです
T:どうしてですか
S:まだ半年です/1年です
T:そう。皆さんは日本へ来たばかりです

私は日本へ来たばかりです。

◆導入
T:昼ごはんを食べましたか
S:はい、さっき食べたばかりです

さっき食べたばかりです。

◆導入
T:これを見てください(新築の家のPCを見せる) 私の家です。どうですか
S:きれいです/大きいです/新しいです。いつ買いましたか
T:3年前です。3年前に・・・?

3年前に家を建てたばかりです。

S:どうして家を買いましたか。結婚しましたか/子どもができましたか
T:はい、この人が私の夫/妻です
S:いつ結婚しましたか
T:去年です、去年?

去年結婚したばかりです。
引っ越ししたばかりです。

◆導入例
先週給料をもらったばかりです
一週間前に退院したばかりです
桜が咲いたばかりです

◆後件作成
さっき食事したばかりなので、今お腹がいっぱいです。
3か月前に日本語の勉強を始めたばかりなので、まだ上手に話せません。
たった今家に着いたばかりなのに、また出かけなければならない。

◆QA。【Q~か Aはい/いいえ、~ばかりです】
A日本に長く住んでいるんですか。
Bいいえ、半年まえに、来たばかりです。

◆後作【ばかりです+から】→カラをノデに変えて練習
さっき起きたばかりなので、食欲がありません

関連 バカリ族7種
たばかりだN4 ➀直後L46
 ・去年結婚した~だ
ばかりだN2 ②(マイナスの)継続
 ・成績は悪くなる~だ
ばかりだN4 ③(マイナスの)過多・不満
 ・彼はお菓子~食べる  食べて~いる
ばかりかN2 ④累加
 ・漢字~か、ひらがなさえ書けない 電気代~か、水道も値上が
ばかりにN2 ⑤(マイナスの)原因
 ・勉強しなかった~に、不合格だった
ばかりでなくN3 ➅だけじゃなく
 ・仕事~プライベートも充実させたい
とばかりにN1 ⑦~のような様子で
 ・登山の途中、彼は休もう~その場に座った
数詞+ばかり くらい・約・だいたい

JLPT文法解説:ばかりだ ばかりか ばかりに んばかりに とばかりに ばかりでなく N1~4
バカリ族7種 たばかりだN4 ➀直後L46・去年結婚したばかりだばかりだN2 ②(マイナスの)継続・成績は悪くなるばかりだばかりだN4 ③(マイナスの)過多・不満・彼はお菓子ばかり食べる  食べてばかりいるばかりかN2 ...

「ところ・ばかり」 違い

◆違いを下の画像で説明

「ところ」「ばかり」はどちらも主観的な直後を表すが、「ところ」はより時間的な感覚が狭く、「ばかり」は広い。難しい話はせず、例文や時間を表す名詞でその違いを示す。


T:私は去年引っ越ししました。でも今年引っ越ししました
S:ええ、早いですよ
T:早いですか。みなさんは一年に何回引っ越ししますか
S:3年に一回ぐらい
T:普通引っ越しは3年に一回、10年に一回かもしれません。去年引っ越し、今年また引っ越し。
去年引っ越ししたばかりなのに、今年また引っ越ししました。

◆【ばかりなのに、~てしまいました】
買ったばかりなのに、もう壊れてしまいました

フ(Naな・Nの)(全て現在形のみ)+はずです N4 【必然】

- 教える際の留意点-

1.話者の「確実にこうだ」という推量を表す。自分自身には使えない。
×私は結婚するはずです。

2.否定形は「ない形+はずだ」で教授。「~はずがない」は教えない。

3.以下、推量用法まとめ

はずだ
でしょう 
と思う 
かもしれない

導入・練習

◆導入
(数億円するような高い絵画を値段を伏せて見せる。絵は素人目には下手な絵にするといい)
T:これを見てください(絵画を見せる)
S:何ですかこれは
T:絵です。どうですか
S:下手ですね
T:そうですね。安いですか、高いですか
S:安いです
T:絶対?
S:絶対安いです

この絵は安いはずです。

T:じゃいくらだと思いますか
S:100円/3000円…
T:絶対?絶対に100円?
S:絶対です!

この絵は100円のはずです。

T:これは3億円です(「300000000円」と板書)

◆導入
T:私は全然恋人ができません
S:大丈夫です。先生はかっこいい/かわいいです
T:本当ですか。結婚できますか
S:はい
T:ほんとぅうううに?できますか
S:はい
T:本当に、本当?先生は?先生はけ・・・?
S:結婚できるはずです

先生は結婚できるはずです。

S:私はできないと思います

先生は結婚できないはずです。

T:今まで皆さんは「たぶん」の言い方をたくさん勉強しました。例えば何がありますか
S:なになにと思います
T:21課で勉強しましたね
S:なになにかもしれません
T:32課で勉強しました。46課は「はずです」

L46:はずだ…90%(自分の推量にかなり自信がある)
L32:でしょう…80~90%(客観的)
L21:と思う…60%(根拠が少なく、主観的判断が強い)
L32:かもしれない…50%(不確実性が高い)

◆QA
Q:先生は結婚できると思いますか
A:はい、できるはずです

旅行にいくら要りますか
専門学校に行くのにいくら必要ですか

授業記録

それを勉強する必要性を説く

みん日を二つに分けるならL29が境目だとL29で書きましたが、L45とL46の間にも大きな壁があるように感じます。「ところだ」、L47の「ようだ」などもそうです。

「たった今仕事が終わったところだ」と言おうが、「たった今仕事が終わった」と言おうが、意味に大差はありません。意味に影響を及ぼさない文型だからこそ、学習者もあまり使おうとしません。

そこで上述した通り、「これを勉強し、覚えたら、こんなニュアンスで相手に伝わる。これがないとこんな問題が起こる」といったことを学習者に説くことで多少はそれを防げます。

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