日本語教育能力検定試験対策室

検定について

日本語教育能力検定試験、いわゆる検定です。相対評価で、毎年受験者の上位2割しか合格者を出しません(試験は朝から夕方まで一日がかりです)。つまり、あなたが95点とっても、受験者みんなが96点や98点だったらあなたは合格しない、それが相対評価です。
以下、検定受験者の属性です。
高齢者と女性が圧倒的に多いことがわかります。

引用元:JEES公式 平成28年度日本語教育能力検定試験
検定試験自体を存続するか、新しい試験を作るかという議論もなされていますが、当面は必要です。

日本語教育能力検定試験は日本語教師としての”勉強をしたという証明”でしかありません。つまりないという事は、いくら「合格できないだけで1000時間も勉強してるし経験も5年ある」と言っても無駄であり、同時に「合格したから教え方上手だぞ」とも言えない代物です。

検定合格は多くの学校で要求されますが、検定合格よりも420時間です。ちなみに、どの養成講座もこの420時間を達成するようプログラムが組まれています。
検定も含め、必要なのは3つ。上から順に重要視されるもの。
①420時間受講
②検定合格
③大学で日本語学科を専攻
②と③がなくても教師にはなれます。ただ、①は必須です。ないとお話になりません(必要ない学校は危ない!)。③は①の上位互換なので、③をクリアした人は①は不要です。
お金も時間もないという方は、①を3か月でとる猛勉強スタイルがおすすめ。ただ、それだと教師になってから苦労すること間違いなしなので、覚悟はしておいた方がいいです。

過去問をやった方がいい分野とやらない方がいい分野

試験Ⅰの問題1のような、純粋な日本語の問題は過去問を何冊もこなし、問題の傾向に慣れ、間違ったらその部分を徹底的に勉強し尽くせばいい。
一方、実習生や外国人児童に対する日本語教育や法整備に関する問題は、年度によって答えが変わるものなので過去問はむしろやらない方がいい。余計な知識を入れると試験中にどっちだったっけと混乱する。

音声

音感がない人にとっては非常に酷な分野。私もそうなのだが、大変悩まされた。コツは、学習者が強く言ったところに印をまずつける。その後に下がる箇所がある。そこがいわゆる滝なのだが、それと同じものを探せばいい。

画像はH28のものです。いただいたものなので、正誤はわかりませんが、感覚をつかんでもらうため載せました。

独学する際に役立つテキスト

独学でも合格できるが、その際、大変重要なのがテキスト。おすすめのものをいくつか紹介する。
まずは、『合格するための本シリーズ』

 

正直、これ勉強しとけば合格する!というのは過言だが、傾向や対策はこれでばっちりだ。これを読んでから、自分の苦手な分野を知り、勉強を始める。これを読み、試験の大枠をつかむ。とりあえずこれを買った方がいい。

次に、『過去問シリーズ』
  

過去問は解説などがなく、上にも書いているが、時事問題的なのはやらない方が無難。
やる順番は、やはり人は時間が経てば経つほど記憶が薄れていくものなので、2年前のものを先にやり、1年前のものを直前にやる。こうすることで、脳を最新のデータにアップデートした状態で試験に臨める。
過去問は断片的にやるのではなく、ちゃんと時間を計ってやる。それで『自分の試験を解く時間』が把握でき、当日の時間配分がつかめる。

それでもダメなら・・・

何度やってもダメという人は一度どこかの学校で経験を積んで再挑戦するといいかもしれない。つまり、文法の知識が身につくまで待つ。教えるという事は、理解しているという事。資格がなくても働ける場所はまだたくさんある。経験を積みながら、教え、文法に詳しくなれば問題1はもはや敵ではないでしょう。

解答速報は無意味

よく「問題冊子にも答えを記入しておき、解答速報で確認する」人がいるが、貴重な時間を無駄にしている。速報を見ても点数は上がらないのだから、試験中に問題冊子にまでマークする必要はない。そんなことに時間をかけるぐらいなら、1問でも多く解く時間に充てた方が有意義である。

以上が検定をやる上で気をつけることだ。

合格できずに打ちひしがれている方へ

検定なんですが、私から一言。

「ぶっちゃけ検定合格しなくてもセンスがあればイける」

いきなり極論ですが、例えば企業や個人で教える場合「教育能力検定試験?何それ?おいしいの?」という感じです。それと日本語学校では必須の所はまだあまりありません。それよりも420時間です。

結局センスです。センスがない人は授業を見ていても養成で何してたんだろう?資格って何だろう?と思う授業運びです。反対に、無い方でもセンスのある人は初めての授業でも堂々と、うまく立ち回ります。

年少者に対する日本語教育(A)と介護・福祉の分野で働く外国人に対する日本語教育(B)、それら機関で働く場合は必須なのかもしれませんが、一般的な日本語学校の出だしとして検定合格が足かせになるとは思えません。落ち込む事はないでしょう。

そもそもAとBで働く気がない人が、検定でABについて問われる事自体がおかしいのであって、本来ならば留学生に対する日本語教育(C)と既に日本社会で生活する人に対する日本語教育(D)などと分けるべきなのですが、現実問題としてABCDを分けて試験を行っても採算がとれないので一つにまとめられているのでしょう。

一つの試験でそれらABCDで必要な知識をはかろうとするのがおかしく、そんな破綻した試験に落ちたからといって、「だから授業が下手だよね」という判断は下りません。

検定合格の有無は授業の良し悪しをはかるものではありませんが、知識がないと学生の質問に撃沈するので文法は勉強しておいた方がいいです。そして、音声学も学生の発音を指導する際に、日本語教育の歴史はマニアックな質問に対して有効だったりと、検定の勉強自体を否定はしません。検定合格は飽くまでその勉強をしたという証拠です。証拠がない人、不合格だった人は模擬で実力を示すしかありません。

私は合格していなくても、というかそもそも受けてすらいない人でも、この日本語教育業界で大成されている人を知っています。専任(常勤)の人も知っています。検定合格なんて小学生が逆上がりできない程度に考えておけばいいんです。ただ、逆上がりができない人は周りからの目が気になる、というのも言っておきます。

それと、検定は相対評価です。これもおかしい点の一つです。あなたが試験で99点だったとしても、他の受験者が100点だったらあなたは不合格です。この相対の割合が8(不合格):2(合格)。この評価から見え隠れする意図は「できるだけ合格者を少なくし、またお金払って受験してほしいの♪」です。

その評価方法は、商売としては賢いやり方です。商売としては、ですが。

以下の記事は、検定の知識が具体的にどのように役に立つのか、私の実際の授業での利用法を交えながら紹介しているので、是非一読いただければと思います。

教えるレベルが高くなるほど検定が活きてくる

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