中~上級おすすめ参考書 JLPT対策

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教師用参考書

くらべてわかる日本語表現文型辞典

文型の説明も他の参考書とは違った見方があったりするのは読んでいて面白いし、なによりも助かるのは例文の豊富さ。他の参考書では2文しかないものも、これは全ての文型ごとに必ず4つの例文を提示。一つの文型に意味が3つあれば、その意味ごとに例文を4つ載せている。
それから、予想される学習者からの「これとこれの文型の違いは何ですか。意味が似ています」という質問にも答えられるように、対比して載せてある。そもそも本の名前が「比べてわかる~」なので対比の項は実に充実している。
では、一つ文型を紹介する。文型は「~てからというもの」

  • Aという状態になってからは、かなりの時間の経過が必要
  • 例:×朝、薬を飲んでからというもの、昼まで飲んでいない。

一つの文型につきそれぞれ以下のような構成になっている。
①意味②例文③注意④(あれば)対比⑤(あれば)他の意味⑥⑤の例文⑦接続という流れだ。

◆不満:
接続の欄。それが不親切で分かりにくい。【Naな+~】ではなく、【ナ形容詞⑪】と書いてあり、⑪の形は最初のページで確認するしかない。

「くらべてシリーズ」

中級日本語文法と教え方のポイント

様々な似ている文型の比較を載せている。学習者からよく出る質問と誤用の例、それの答えもある。最初にそれぞれの基本的な意味用法と接続があり、いつ使われるかも実際の会話に即した例文で示している。
またこの本で私が一番気に入っているのは「どのような語と結びつきやすいか」という項。これは他の参考書でも載せてあるものもあるが、この参考書では全ての文型のそれが載っているので、例文を考える際の大きな助けになる。

日本語能力試験 公式問題集 N2

唯一の公式問題集。学習者が何を目指しているのか先生がわからないと教えようがない。公式問題集なので、いわゆる参考書のような親切な作りではないが、まずは学習者の敵を知るためにはこれは必要不可欠。
内容は実際に出題された問題一回分がそのまま載っている。
また、試験の概要(「認定の目安」「尺度得点について」「問題の構成と大問のねらい」「よくある質問」など)も掲載されており、教師だけでなく、学習者も必ず買うであろう1冊。
聴解のCDとスクリプト付き。

日本語能力試験 唯一の公式問題集N1~N5

学習者用┃文法

日本語N3文法・読解まるごとマスター

文法を勉強しながら、読解が練習できるテキスト。前半はかなり難易度は低い。全ての漢字が漏れなくルビ付きで、簡単な言葉から難しい言葉まで、言葉の意味の説明が読解本文の下にある。字も大きく、読みやすい。言葉の意味の説明と文法の説明には対訳が付いており、英語と中国語とベトナム語がある。①読解が初めて②非漢字圏の学習者③文法が弱すぎて読解どころではない、という読解クラスであれば、こちらを読解のスタートとしておすすめしたい。

問題が多少独特で、JLPTのような4択ではない。例えば、【「その」とは何か】のような質問があり、その答えを文章内から探して発表なり書かせるなりする形式である。選択肢から選ぶわけではない。

後半になるとかなり難しくなってくるので注意。これは日本語能力試験・日本留学試験読解対策本であることを忘れてはいけない。例えばこのシリーズのN3のものは、到底N3レベルの学習者には解けそうにない問題が並んでいることもある。

日本語総まとめ

『日本語総まとめ 文法』シリーズ

この動物の載った表紙のシリーズは見た事がある方も多いかもしれないが、改めて紹介する。
学習者用の参考書だが、独自に問題を作る時や、文法事項の整理にも役立つ。ポイントなどを抑えた解説が参考になる。
日本語能力試験が改定されて早い段階で出版された本だが、十分に対応している。他にも①学習者の生活になじみのある話題とイラスト付き、②訳は英 語・中国語・韓国語の3つで、理解が遅いクラスにも対応できる。③見開き2ページで見やすい。
など、教師にも、学習者にも嬉しい作りになっている。

◆不満:読解
このシリーズ、読解もあるが、どのクラスでもこの読解はあまり学習者が食いつかない。見開き左のページが会話になっていて、右のページでその会話に関連した読解問題が出る、という構成になっている。ボトムアップで教えるようになっているのだと思うが、それが学習者にウケが悪い。他の先生にどうかと聞いても、やはり答えは同じだった。

ドリル&ドリル日本語能力試験N2文法

『ドリル&ドリル日本語能力試験』シリーズ

授業で使ってもいいが、学習者に「自宅学習用のテキストはどれがいいですか」と聞かれた際におすすめしたい一冊。本のタイトル通り、ひたすらドリルで、問題を解くのに慣れることができる。問題でわからなかったところを学習者にメモさせ、学校で質問させるというような使い方もできる。
このドリル&ドリルシリーズの、N1聴解は問題が成立していないものがあるので使用の際は注意が必要。例えば、p18のカレンダーは選択肢に答えがない。

TRY! 日本語能力試験 文法から伸ばす日本語

『TRY! 日本語能力試験 文法から伸ばす日本語』シリーズ

中級レベル対象。教科書用。このTRY! 日本語能力試験シリーズは英語版や中国語版、N1やN4など、かなり幅広く種類が多いが、その中でもこれが今一番売れているのではないだろうか(勝手な私の推測だが)。理由はベトナム語版である事。初級をみん日で済ませ、中級へ行こうなどを経てこちらに移るパターンが多いだろうか。
構成はいくつか文型が入れられた読解があり、その読解内にある文型①の紹介→①の練習→文型②の紹介→②の練習→…と教師同士で引き継ぎをしながら教えていく日本語学校の形態に合った、引き継ぎしやすい構成となっている。
1.最初に読解をやり、「わからないね。じゃ読めるように文型を一つ一つ勉強していこう」とやる
2.最初に文型を全てやってしまい、読解を精読する
どちらかのやり方になるだろう。読解1つにつき文型が5つ程度、それを2セットやるとまとめの問題(選択、読解、聴解問題)がある。扱うテーマも難しくなく、とっつきやすい。

学習者用┃語彙・漢字

新完全マスター語彙 日本語能力試験

『新完全マスター語彙』シリーズ

新完全マスターシリーズは各科目ある。文法は使い物にならないが、この語彙は素晴らしい出来。テーマでくくって扱い、その分野での語彙を大量の問題で定着させることができる。他にも新完全マスターでは漢字も使いやすい。

漢字マスターN3

『漢字マスター』シリーズ

1章を例に取り説明する。1章は生活というテーマくくられており、その中にさらに細かく「生活1」や「ゴミ」、「カレンダー」などと小カテゴリーがある。例えば「ゴミ」の中には「拾・捨・燃・袋」の4つの漢字がある。その4つの書き方をマスに書く練習、4つの漢字を使った例文を読む問題、その下に書く問題(ひらがなを漢字に直す)と続いている。そこまでやったら小カテゴリーが終わる。小カテゴリーはそれぞれ1ページで、各章の最後にまとめの問題が1ページある。

問題があり、書く練習もできるので、授業で使いやすいというのと、プライベートレッスンで教えている人はこれを学習者に買わせても自学ができるので、おすすめだ。

新にほんご500問N3

『新にほんご500問』シリーズ

漢字のみではなく、文法を勉強しながら、語彙も増やしたいという人はこちらがおすすめ。

にほんご語彙力アップトレーニング

中級~上級レベル対象。とてもかわいく、デフォルメされた絵が多いので、語彙を勉強する際のあの陰鬱とした雰囲気を幾分かやわらげてくれる日本語総まとめ N3 語彙に似ているが、総まとめよりもこちらの方が圧倒的に絵も多く、気に入っている。
他にも理由はいくつかあり、まず、各課のはじめには目標、その課で何ができるようになるのかが銘打たれている。当たり前の事のように思えるが、書いてある本は多くない。そして課末にはその目標を達成するための活動が盛り込まれている(これが秀逸でおもしろいものばかり)。練習問題の種類も豊富で、さらにベトナム語対応!これが決め手になっている。私が知る限り現時点でこれを超える語彙の参考書はない。

学習者用┃聴解

日本語能力試験レベルアップトレーニング聴解N1

『日本語能力試験レベルアップトレーニング 聴解』シリーズ

真っ黒の表紙が目印。授業向きではない。しかし、学習者に「自宅学習用の聴解のテキストはどれがいいですか」と聞かれた際におすすめしたい一冊。解説が非常に充実しており、その解説は日本語と、英語、中国語、韓国語の4つの言語でなされているので、学習者が一人で学習することができる。授業向きではないというのは、本冊、問題の割合が3、解説が7となっているためである。解説部分は学習者が一人で読んで理解すればいい。

◆不満:
答えのリストが欲しかった。見開き2ページの問題に対して解説が何十ページとあるわけだが、答えを探すのが大変。

やさしい日本語の聴解トレーニング

中級レベル対象。聴解が苦手な学習者も割と取り組む。理由は単純で、『取り上げる話題が面白い』から。雑学など興味を引くものなどで、先生も楽しめる。言葉もそんなに難しいものもないので、どのレベルでも使いやすい。

日本語能力試験問題集N2聴解スピードマスター

『日本語能力試験問題集 聴解スピードマスター』シリーズ

難易度が低めで、上クラスの場合、手ごたえがない。しかし、上クラスでなければ、ルビがあったり、文字も大きく読みやすいので、おすすめだ。

学習者用┃読解

読解攻略!日本語能力試験N1レベル

解説がとにかく丁寧。答えだけが一覧で書いてある読解のテキストは多いが、これは違う。読み方のコツが丁寧に書いてあるので、教師が参考書として読んでもいいし、学習者がこれを買って一人で勉強することもできる。また、読解本文の右端に行数が書かれているので、授業中の解説時に行数を指示しやすく、学習者も指示された箇所を素早く見つけることができる。しかし、若干字が小さく、内容も比較的抽象的なものが多く難しい。上クラスならばちょうどいいだろう。

日本語能力試験N2読解 必修パターン

『日本語能力試験 読解 必修パターン』シリーズ

一つのテーマに沿った問題が集められているので、苦手な問題パターンのみをやるのに最適。もちろん最初から順番にやっていってもいい。学習者が一人で独学しやすいように、なぜ答えが1番になるのかという理由・解説も丁寧に書かれている。ルビは少なめで、実践的なのもいい。
他、聴解や語彙、文法もこのシリーズで出版されている。
日本語能力試験 必修パターンシリーズ

◆不満:
問題のパターンごとにセクションが分かれているのだが、各パターンの一問目は答えと解説が近くに併記されている。完全に教える側の都合なのだが、やはり答えが見えるところにあるので、見てしまう学習者がいる。独学できるような学習者なら見ないのだろうが、学校で、集団授業を受けている者にとっては「ラッキー答えあるじゃん」となってしまう。繰り返しになるが、独学できる学習者にとってはいい配慮・配置なのだが、集団授業となると1問目は使えなくなる(隠せば使えるが)。

中上級学習者向け日本語教材 日本文化を読む

『学習者向け日本語教材 日本文化を読む』シリーズ

中級レベル対象。日本の有名な著者、よしもとばななや村上春樹、清少納言などの著書を読む。一見難しくかたそうだが、扱うものは大変興味をひくものばかりで、例えば、「やっぱり敬語が必要なわけ」「字のないはがき」「さかさに地図をながめてごらん」など、タイトルだけで読みたくなるようなものばかり。
構成は上3/4が読解、下1/4に文章内からピックアップされた語と、小さな設問がある(例:「筆者はこれについてどう思っているか」など)。文章はA4サイズで多くても3枚、少なくても1枚と短いものもある。サクッと読めるものばかりで、急げば1コマでできるため、授業では扱いやすいのではないかと思う。
初・中級版上級版もあり、上級版はかなり上級版なので使用する場合はしっかりクラスのレベルを見極めること。

日本語能力試験問題集N2読解スピードマスター

『日本語能力試験問題集 読解スピードマスター』シリーズ

難易度が低めで、上クラスの場合、手ごたえがない。しかし、ルビがあったり、文字も大きく読みやすいので、上クラスでなければおすすめだ。読解の様々なパターンを最初の方で学び、その後はひたすら問題を解いていく。JLPT形式で出題され、目標時間もそれぞれ記載されているが、学習者のレベルに合わせてこの時間は調節するといい。

中・上級者のための速読の日本語

上級レベル対象。留試に最適!と書いてあるが、別に留試を目指す人でなくともスキミング、スキャニング能力を上げたい人ならばかなり有用なテキストと言える。話が多少難しく、がり勉クラスでないと辛いかもしれない。とにかく数を読むものなので、丁寧に解説をしてもいいのだが、おすすめは本に書いてあるそれぞれの制限時間を学習者に厳守させ、どんどんどんどん読ませ解答解説をサッと済ませたらまた次を読む、といったやり方がいいだろう。
早く読み終わった人を1位、2位とどこかにメモすると皆こぞって早く読もうと(1位になろうと)必死になる。このメモを成績に反映させるというのもおもしろいだろう。

試験に強くなる! 中上級学生のための日本語読解ワークブック

中級レベル対象。上の速攻トレーニングが多読重視だとしたら、こちらは一読入魂、一つ一つの問題を丁寧にやっていく。そのため設問も一つの読解問題につき3~4程ある。精読してじっくり読み込みたいというクラス向き。語彙や文型なども丁寧に入れると、一つの問題で1コマはいくんじゃないだろうか。急いでやれば解説含め5分(語彙などの説明の必要がない上級レベル)でもできる。
それからこれをオススメする理由がもう一つ。テーマがおもしろい。主に日本の事ばかりなのだが、「うなずき文化」「もったいない」など日本の文化や習慣なども同時に教えられるが素晴らしい。
この中上級版がぬるいというクラスには上級学習者版もあるので併せて活用するといいだろう。

学習者用┃会話・スピーチ

なし

よくなかったテキスト

日本語能力試験 N1語彙 必修パターン

誤字脱字が多い、太字にする部分が間違っている、なぜか抜け落ちた例文、対訳の誤り等々、教師間では悪評高いテキスト。

日本語能力試験N2読解 必修パターン

答えが複数考えられる問題が多く、必修パターンシリーズはどれもこうなのかと思うほどに、酷い。文法の必修パターンシリーズはいいので、買うならそちらをおすすめする。

結局どれ買えばいいの?

ここにあるのは多いように思いますが、飽くまで『最低限』です。長くやっているとこれら最低限の参考書プラス数十、数百冊は家にあります。各レベル上にあるものは家に置いておいた方がいいでしょう。とはいっても、やはり準備の割に給与が少ないこの仕事なので、まずは『最低限中の最低限』のご購入をお勧めします。以下にあるものは必携です

初級

手引きシリーズの2冊は当然ですが、秘訣シリーズ4冊も可能な限り早く。

こちらは学習者用の参考書、問題集ですが、教師が読んでもとても参考になる文型の整理に役立つテキストも早めに。

JLPT対策

読解と聴解のJLPT対策をこれからやる新人教師には是非すすめしたいものです。このシリーズは文法と語彙もありますが、読解聴解のみ購入をおすすめします。かなり具体的に、わかりやすく書かれています。各スキルを集中して練習できます。

全級

八方塞がりの時に助けてくれる最強の辞典。併せて買いたいのがこちらの辞典。文型比較ができるこちらの辞典は最低限。

 

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