「ばかり」を使った文型をまとめています。
詳しい使い方や例文、教える際のポイント、類似文型との違いなどは、各文型のページをご覧ください。
用法①:直後
「たばかりだ」【N4】
≪接続≫
Vタ形+たばかりだ┃以下接続例
V:し+たばかりだ
A:なし
Na:なし
N:なし
≪意味・使い方≫
Xたばかりだ。
- Xが終わって、まだ時間がたっていない <just X>
- 自分が「Xが終わってからの時間が短い」と思えば、3分でも1時間でも2か月でも5年でも、使っていい
用法②:継続
「ばかりだ」【N2】
≪接続≫
V辞書形+ばかりだ┃以下接続例
V:する+ばかりだ
A:なし
Na:なし
N:なし
≪意味・使い方≫
Xばかりだ。
- どんどんXになる <Continuously becoming X>
- 悪い方向へ進んでいく、変化していく、と言いたいときに使う
- Xには、変化を表す動詞のみが入る
- 「Xばかりで、~」と、文の途中で使うこともできる
用法③:過多
「ばかり」【N4】
≪接続≫
Vテ形/N+ばかり┃以下接続例
V:して+ばかり
A:なし
Na:なし
N:ゲーム+ばかり
≪意味・使い方≫
Xばかり
- Xだけする、Xがたくさんある <only doing X, there are lots of X>
- いいことにも悪いことにも使う
用法④:累加
「ばかりでなく」【N3】
≪接続≫
普通形+ばかりでなく┃以下接続例
V:する+ばかりでなく
A:おいしい+ばかりでなく
Na:にぎやかな/である+ばかりでなく
N:本だ/本である+ばかりでなく
≪意味・使い方≫
XばかりでなくY
- XだけではなくてYも <not only X, but also Y>
「ばかりか」【N2】
≪接続≫
普通形+ばかりか┃以下接続例
V:する+ばかりか
A:おいしい+ばかりか
Na:にぎやかな/である+ばかりか
N:本だ/本である+ばかりか
≪意味・使い方≫
XばかりかY
- XだけではなくてYも <not only X, but also Y>
- Yに、意志・希望・命令・勧誘などの文が来ない
- 「Xばかりでなく」と比べて、「Xばかりか」の方が話者の強い気持ちを言う
・あの先生は日本語ばかりでなく、英語も教えている(←単に日本語も英語も、というニュアンス)
・あの先生は日本語ばかりか、英語も教えている(←日本語だけじゃなくて英語も教えられるんだ!すごい!という気持ちが出る)
用法⑤:原因
「ばかりに」「N2」
≪接続≫
普通形+ばかりに┃以下接続例
V:した+ばかりに
A:おいしい+ばかりに
Na:にぎやかだな/である+ばかりに
N:本だである+ばかりに
≪意味・使い方≫
XばかりにY。
- Xだけが原因で、Y <X is the only cause of Y.>
- 話者の残念な気持ちや後悔を表し、Yには予想外の悪い結果が来る
- 動詞はタ形、またはナイ形で使うことが多い
- 「~たいばかりに」という言い方もあり、この場合は「したくないことをわざとやって、~」という意味になる
用法⑥:様子の描写
「とばかり(に)」【N1】
≪接続≫
普通形/丁寧形+とばかり(に)┃以下接続例
V:する+とばかり(に)
A:おいしい+とばかり(に)
Na:にぎやか(だ)+とばかり(に)
N:本(だ)+とばかり(に)
≪意味・使い方≫
XとばかりにY。
- いかにもXという様子でYする <Doing Y with an implied suggestion of X>
- 言葉ではなく、態度や様子からXが感じられる、と言ったときに使う
- Yには、激しい動作が来ることが多い
- 「ここぞとばかりに」という慣用表現があり、「ここが一番大事だ」「ここしかチャンスがない」といった意味で使われる
「んばかりに」【N1】
≪接続≫
Vナイ形+んばかりに┃以下接続例
V:言わない+んばかりに(※する→せんばかりに)
A:なし
Na:なし
N:なし
≪意味・使い方≫
XんばかりにY。
- ほとんどXしそうな様子でYする <Doing Y in a manner suggesting doing X>
- 実際にはXしていないが、Xしそうな様子だ、と言いたいときに使い、比喩的に使うこともできる
- 「~んばかりの」で名詞に接続できるほか、「~んばかりだ。」と文を終わらせることもできる。
用法⑦:だいたい
「ばかり」
≪接続≫
N(数)+ばかり┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:3人だ+ばかり
≪意味・使い方≫
X+数詞+ばかり
- Xくらい <about X>
- なにかの数について、「~くらい」「~ほど」と言いたいときに使う
- あまり使われない
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