【18課】教案:V辞書形、N/Vことができます、私の趣味はN/Vことです、V/Nのまえに

教案

みんなの日本語 初級I 第二版』完全準拠。
導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。

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学習項目

練習A
1.V辞書形
2.N/V[辞書]ことができます(能力可能)
3.N/V[辞書]ことができます(状況可能)
4.趣味はN/V[辞書]ことです
5.V1[辞書]/Nの/期間まえに、V2

教案

新出語彙

この課でも、いくつかの動詞が出てきます。特にⅢグループの長い言葉が多いので、口慣らしをしっかりしましょう。

★ポイント

  • できます:Ⅱグループ。「する」の可能動詞だが、ここではそれは言わない。建物などが建つときの「できます」は27課
  • 集めます:ここでは、主に趣味の収集的な意味で取り上げている
  • なかなか:継続的に何かが行われない(Vとの接続のみ扱う)。常に否定形を伴う
  • ぜひ:後件は「Vたいです」「Vてください」のみに使うと教授。後の36課で出てくる「必ず」との混同も防げる

練習A-1:V辞書形

導入:辞書形の紹介

教科書は「Vことができます」から扱っていますが、「趣味はVことです」のほうがわかりやすいため、こちらを使って辞書形の紹介をします。導入順に自由がきくなら、そのまま趣味から扱ってもよいでしょう。

T:みなさん、趣味は何ですか。
S1:ゲームです。
S2:YouTubeです。
S3:サッカーです。
T:そうですか。S3さん、サッカーをしますか。見ますか。
S3:見ます。
T:わかりました。S3さんの趣味は、サッカーを見ることです。

<板書>
 しゅみは サッカーを みる ことです。

T:ここ。(「みる」を指す)みますこと、みてこと、じゃありません。みる・ことです。これは新しいformです。辞書form(dictionary form)です。

◆Ⅲ→Ⅱ→Ⅰグループの順番で導入する
T:はい、じゃあⅢグループ。Ⅲグループの動詞は何ですか。
S:します、きます。
T:そうですね。これは特別です。スペシャルですから、覚えてください。
 「します」は「する」、「きます」は「くる」です。

「来ます」の「くる」はよく「きる」「こる」と間違えるので、何度も練習させましょう。テストなどで確認するときは、必ずひらがなで書かせるようにします。

T:Ⅱグループはいつも簡単です。「ます」さようなら、「る」こんにちは。

T:Ⅰグループは、「書きます」「書く」、「読みます」「読む」(一覧を見せる)ルールは何ですか。
S:「いーーー」が「うーーー」です。
T:そうですね。

「貸します」は「貸す」と言えるのに、なぜか「話します」は何度言っても「話する」になってしまいます。「話します」は多めに練習しましょう。

◆辞書形練習
T:皆さん、これは?(「働きます」を指して)
S:働く
T:じゃこれは?(「休みます」を指して)
S:休む
T:じゃS1さん、これは?(「行きます」を指して)
S1:行く
T:じゃS2さん、これは?(「帰ります」を指して)
S2:帰る

変換練習フラッシュカードが便利です。以下のリンクを押すと、無料でダウンロードできます。形式はpdfです。

フラッシュカードはこちら➔18 FC じしょ形

◆文字で確認
文型練習帳』86ページを使うなどして、辞書形を文字で確認する。

練習A-2:N/V[辞書]ことができます(能力可能)

『みんなの日本語』で扱う可能には二種類あります。

①私ができます(能力)
②皆ができます(状況)

なお、ここでは「V[辞書]ことができます」を教授し、可能動詞は27課で扱います。

導入:Nができます

T:これができますか。
 ・ウィンク
 ・寄り目
 ・口笛
T:私は(免許を見せる)運転ができます。S1さんは?
S1:私も運転ができます。
T:S2さんは?
S2:私は運転ができません。

<板書>
 うんてん が できます。
 うんてん が できません。

助詞は「が」を使うことに注意させましょう。なお、「Nができます」のNは、何でもいいわけではありません。「できます」は「します」の可能動詞なので、おおむね「Nをします」で言うことができるものに限られますが、「日本語ができます」など例外もあります。

練習B-1

◆キュー出しで行う
T:「ミラーさんは、できます」の文を作ります。テニス
S:ミラーさんはテニスができます。(リピート練習)
 (続けて2~4も行う)

導入:Vことができます

T:S1さん。(なにかひらがなで板書する)読んでください。
S1:〇〇
T:いいですね。S1さんは、ひらがなを読むことができます。
 (難しい漢字を板書する)じゃS2さん、読んでください。
S2:わかりません。
T:難しいですね。この漢字を読むことができません。

<板書>
V[dic.]こと が できます/できません。
ひらがな を よむ 
かんじ を よむ

T:名詞は、〇〇ができます、でした。動詞は、〇〇、ことができます、を使います。

T:(ビールを飲んでいる人の絵を見せて)これはなんですか。
S:ビールを飲みます。
T:S3さんは、ビールを飲むことができますか。
S3:はい、できます。
T:じゃ、S3さん、S4さんに。(質問するよう促す)
S3:S4さんはビールを飲むことができますか。
S4:いいえ、できません。18歳ですから。

<板書>
ビールを のむ こと が できますか。
…はい、できます。
…いいえ、できません。

答え方は「はい、ビールを飲むことができます」でも「はい、飲むことができます」でもいいですが、「はい、ことができます」にならないように注意しましょう。

◆いろいろな絵カードでS⇔Sでできるかできないかを聞いていく

練習B-2

◆絵を拡大したものを用いて行う
T:(例1の絵を見せて)ひらがなを書く・・・?(文を作るよう促す)
S:ひらがなを書くことができますか。(リピート練習)
T:できますか?(右上の顔を指す)
S:はい、できます。(リピート練習)
T:(例2の絵を見せて)漢字を・・・?
S:漢字を読むことができますか。(リピート練習)
T:できますか?(右上の顔を指す)
S:いいえ、できません。(リピート練習)
 (続けて1~4も行う)

練習B-3

◆例を確認してから、ペアで練習させる。自分たちの情報でやりとりさせてもよい

ペアワークのやり方は様々です。まだ文がうまく作れそうにないと感じたら、全体で正しい文を確認してからペアでもう一度練習させてもいいでしょう。また、終わってから教師のキューに続いて全体でリピート練習すると、最後に正しい文を自分の口で練習して終わることができます。

活動:インタビュー

活動の流れ:
1.「どんな外国語を話すことができますか」「何メートルぐらい泳ぐことができますか」などの質問と、答えを書く欄があるワークシートを配布。答えの欄には「わたし」と「   さん」がある
2.まず、質問に対して自分の答えを「わたし」の欄に書く。単語だけではなく完全文で書くよう指示する
3.次に、自分の答えが書き終わった人同士で、インタビューしあう
4.相手の答えを自分のシートに書き込む
5.余裕があれば、「~さんは〇〇語を話すことができます」などと発表させてもよい

練習A-3:N/V[辞書]ことができます(状況可能)

能力可能状況可能を直接法で説明する場合は、以下のようにします。
能力:私とS1さんだけができます
状況:私も、S1さんも、皆さんができます(『<場所>で~』の形で導入→練習することで、能力との違いを示す)

導入

T:(広い公園と、サッカーの絵に〇をしたものを見せる)この公園でサッカーをします。いいですか。
S:はい、いいです。
T:そうですね。この公園で、サッカーができます。これは、私はできます、あなたはできません、じゃありません。みなさん、できます。してもいいです。

T:(狭い公園と、サッカーの絵に×をしたものを見せる)この公園でサッカーができますか。
S:いいえ、できません。

T:(クレジットカードOKの看板を見せる)カードで払います。いいですか。
S:はい。
T:カードで、はら・・・?
S:払うことができますか。
T:そうですね。カードで払うことができますか。

<板書>
ここで N/V[dic.]こと が できます/できません。
※(Nの下に「サッカー」や「英語」、Vの下に「カードで はらうこと」などと例を書く)

◆いろいろな場所の絵を見せて、そこで何ができるか/できないか考え、発表させる
コンビニ・図書館・郵便局・銀行・レストラン

練習B-4

◆キュー出しで行う
T:「できますか」を聞いてください。この公園でサッカー
S:この公園でサッカーができますか。(リピート練習)
T:(【○】のカードを見せる)
S:はい、できます。
 (続けて例2と1~4も行う)

練習B-5

◆例を確認してから、ペアで練習させる。

練習A-4:趣味はN/V[辞書]ことです

「趣味はNです」は「N1はN2です」に相当し、文型自体は難しくありません。また、「趣味はカメラです」は許容できても「趣味はスマホです」は許容しにくいように、Nは何でもいいというわけではありません。その差を説明するのは難しいので、ここではNは「スポーツ」「旅行」などとさらっと紹介し、「Vこと」の練習に焦点をあてましょう。
なお、「好き」との違いは「教師用メモ」で後述しています。

導入

◆冒頭の「私の趣味はサッカーを見ることです」で導入
T:私の趣味はサッカーを見ることです。じゃ、S1さんの趣味は何ですか。
S1:本を読むことです。

<板書>
 しゅみは なんですか。
  …V[dic.]   こと です。
   ほんを よむ

T:S1さん、S2さんに聞いてください。
S1:S2さん、趣味は何ですか。
S2:旅行をすることです。
(学生同士で質問させる)

練習B-6

◆パワーポイントなどでAさんとBさんの会話として見せるとわかりやすい
T:(Aさんの質問)趣味は何ですか。
 (Bさんの上に例1の絵を出す)これは何ですか。
S:絵を描きます。
T:はい。じゃ、Bさんは・・・
S:絵を描くことです。(リピート練習)
 (続けて1~4も行う)

練習C-2

◆会話の型を使って、自由に会話させる
 ※「どんな~」を忘れているようなら、復習してから行う

練習A-5:V1[辞書]/Nの/期間まえに、V2

16課で継起の「V1てからV2」を勉強しました。これも「前に」も順序を表しますが、「てから」は純粋に「V1→V2」という順序を表しているのに対し、「前に」は「V1は後ではない、前である」ということを強調するニュアンスがあります。V2をするにあたってV1が必要だ、という意味合いが強くなっているともいえるでしょう。

『前に』
後件のバリエーション:ます・ました・てください・なければなりません・ないでください・ことができます・たいです
練習Bでは「ます」しか扱いませんが、余裕があればいろいろな後件で文を作ってみましょう。

導入:V1[辞書]まえに、V2。

T:今から高いパソコンを買います。でも、財布にお金がありません。どうしますか。
S:お金をおろします。
T:そうですね。パソコンを買う前に、お金をおろします。

<板書>
V[辞書] まえに、 ~ 。
※Vの下に「パソコンを かう」、「まえに」の後に「おかねをおろします」などと書く。

時制は常に文末で決まるため、「昨日寝た前にテレビを見た」とはなりません。「前に」の前は常に辞書形であることを強調しましょう。

T:S1さんは、寝る前に、なにをしますか。
S1:寝る前に本を読みます。
T:S1さん、S2さんに。(質問するよう促す)
S1:S2さんは寝る前に何をしますか。
S2:寝る前にスマホを見ます。

練習B-7

◆拡大した絵を用いて行う
T:(例の絵を見せて)これは?
S:お祈りをします。
T:これは?
S:寝ます。
T:「前に」を使いましょう。
S:寝る前に、お祈りをします。
 (続けて1~4も行う)

導入:N/期間まえに、V2。

T:明日はテストです。今日、なにをしますか。
S:勉強します。
T:いいですね。テスト、は名詞です。テスト・の・前に、勉強します。

<板書>
テスト の まえに、べんきょうします。

T:S4さんは、いつ日本へ来ましたか。
S4:4月に日本へ来ました。
T:そうですか。いま6月ですね。5,4、(指で2を作る)2か月前に、日本へ来ました。

<板書>
2かげつ まえに、にほんへきました。

T:名詞のとき、「の、まえに」。でも、2か月、1時間、3年・・・数字のとき、「の」を使いません。

練習B-8

◆例を確認してから、ペアで練習させる。
 ※疑問詞はすべて「いつ」を使うことを確認する

練習:V[辞書]/Nの前に、なにをしますか

◆前件を考え、ペアに聞き、答えをもらう。これを繰り返す。
 なかなか前件が思いつかないようなら、いくつか板書で示してもよい
 例:デートの前に
   旅行する前に
   会社に入る前に
   国に帰る前に
   クラスへ来る前に
   料理をする前に
   寝る前に

教師用メモ

「趣味」と「好き」の違い

趣味は単純に「好き」とイコールではありません。よく「私の趣味は勉強することです」とする真面目な学生がいます。本当に好きなのかもしれませんが、趣味と好きは定義が違います。

  • 趣味:時間があればそれをやろうと試みる。楽しみであり、生きがいにしている人もいる。人によって程度はあるが、それによって身を滅ぼすこともある(パチンコ・追っかけなど)。
  • 好き:嗜好を表す。「私はお酒の中でもワインが好きだ」「線香の匂いが好き」「彼女が好き」という意味である。時間があればやろうとする、かどうかは関係ない。

◆例文
A①趣味は料理だ(『作る』ことに焦点)
A②私は韓国料理が好きだ(韓国料理の『味』に焦点)
B①趣味はカメラだ(『カメラで写真を撮る』ことに焦点)
B②私はカメラが好きだ(『カメラ』そのものに焦点)
C①趣味は映画を見ることだ(時間があれば映画を見る、というイメージ)
C②私は映画を見るのが好きだ(映画を見るという行為が好き、というイメージ)

◆「私の趣味は寝ることです」
よく彼らが言ってくるのが、「私の趣味は寝ることです」です。上の定義通り、寝ることは「趣味」ではなく「好き」の範疇なので、はっきりと注意しましょう。

【17課】教案:Vナイ形、Vないでください、Vなければなりません、Vなくてもいいです
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