『みんなの日本語 初級I 第二版』完全準拠。
導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。
学習項目
練習A
1.Vテ形
2.V[テ]ください
3.Vましょうか
4.今V[テ]います(進行)
教案
新出語彙
この課では動詞がたくさん出てきます。ここから動詞の活用が重要になってきて、何グループか、テ形は何か、ということに集中していくので、動詞の意味まで毎回丁寧に扱っている時間はありません。活用に入る前に、しっかりと意味を覚えさせておきましょう。
★ポイント
- 『翻訳・文法解説』では、この課から動詞にグループが表記されるようになる。これからは、動詞を覚えるときはグループも一緒に覚えるよう指示するとよい
- 呼びます:「タクシーを~」。「パーティーに~」は1版にはあったが、2版にはない
- 消します:「電気を~」[turn off]の意味で、「字を~」[erase]では扱っていないが、教えてしまってもいい
- 止めます:「CDなどの動いている物を止める」[stop]「駐車」[park]の2つ
- 話します:相手と話し合うのは「<人>と話す」、相手が聞き役の時は「<人>に話す」。14課の時点では、教科書では全てトで、ニはない
- 教えます:7課「日本語を~」[teach]、14課「住所を~」[tell]
- 手伝う:発話者が聞き手と共にその作業を行うこと。話し手が一方的に動作を行う「助ける」の意味はないので注意
- ゆっくり:「ゆっくり話す」(速度)、「ゆっくり休む」(状態)の2つ
- もう:7課「もうVましたか」[already]、14課「もう一つ」[another]、33課「もう~ない」[any more]
- これでお願いします:「これで払います」の意味。「これヲお願いします」は「これを買います」の意味になる
テ形の用法まとめ
「~て【並列】」 隣に座った人は髪が短くて、年を取ったおじいさんだった
「~て【原因】」 その人から元カレの匂いがして、複雑な気持ちになった
「~て【付帯状況】」 頭を振って、「違うこれ違う」と否定した
「~て【継起】」 電車を降りて、彼に電話した
このように、テ形には実に様々な用法があることは知っておかなければ、例文作りで未習のものを入れてしまいます。また、学生に質問されたらそれがどの課で学ぶものかをすぐに指示できるので、て形の教材分析は欠かさずしておきましょう。
詳しいテ形の機能、さらに「ている」の機能は「て形」の11の機能 + 「ている」の機能にまとめてあります。
練習A-1:Vテ形
て形やじしょ形、ない形など、~形というものがあります。これらはいきなり形の練習から入るのではなく、最初に「~形を使えばこんなことができる」と状況を示してから、形の変換練習をすれば学習者のやる気を減退させずに授業ができます。詳しくは下の記事を参照してください。
導入:テ形紹介
◆学生がすでに教室用語として聞いたことがあるであろう「~てください」でテ形の紹介をする。パワーポイントで絵や文字を見せながらやるとよい
T:(先生の絵を出して)これは先生です。先生は話します。
「ホワイトボードに書いてください」
「CDを聞いてください」
「121ページを読んでください」(吹き出しをアニメーションで出していく)
T:「~てください」の前、「書きます」は、「書きますてください」「書きてください」じゃありません。「書いて・ください」。「聞きます」は「聞いて・ください」、「読みます」は「読ん・で・ください」。「お願いします」は「~てください」を使います。動詞は「テ形」です。
14課は『みんなの日本語』の最初の山場だと言ってもよいでしょう。導入でいつもより少し長く教師が話して、「なんかいつもと違うぞ」という雰囲気を出します。
導入:動詞グループ分け
「グループ」という言葉がわからなかったら、「友達」などといって同じ種類の仲間であることをわからせます。
◆動詞グループが3つあることを教授
T:今日テ形を勉強します。その前に、動詞のグループを勉強します。
日本語の動詞のグループは3つあります。
(黒板に「Ⅰ Ⅱ Ⅲ」と書き、それぞれ縦に区切る)
書きます、1です。聞きます。1です。読みます。1です。(下の図のように板書)
じゃあ、S1さん。動詞をひとつお願いします。
S1:食べます
T:食べます。2です(板書)。S2さん。
S2:します
T:します。3です(板書)。S3さん。
S3:ねます
T:ねます。2です(板書)。S4さん。
S4:みます
T:みます。2です・・・が、ちょっと。(下のほうに板書)
(次々繰り返す。全員終わって、グループに偏りがあれば教師が出して補う)
<板書>
T:どうですか。ルールがありますか。
S1:かきーーます。ききーーます。いーーます、は1です。たべーーます。ねーーます。えーーます、は2です。
T:そうです。(Ⅰの横に「i-ます」、Ⅱの横に「e-ます」と書く)「みます」「います」「おきます」「かります」はちょっと違います。「いーーます」ですが、2です。3は、「します」と、名詞+します、「勉強します」「散歩します」・・・と、「きます」だけです。
できるだけ、学生が自分たちでルールを見つけられるように導きましょう。印象にも残りますし、達成感があるはずです。
◆動詞の絵カードで確認。グループごとに順番にやる。パワーポイントで文字も一緒に出すとわかりやすい
T:(「行きます」の絵を見せて)これはなんですか。
S:いきます。
T:グループは?
S:1です。
(いくつもの動詞で確認。慣れてきたら1人ずつ指名して言わせるとよい)
◆文字で確認
『文型練習帳』63ページを使うなどして、グループ分けを文字で確認する。
導入:テ形の作り方
いちり➔って
例:買い・吸い・待ち・持ち・送り・撮り
き➔いて
例:書き・働き(※行き→行って)
ぎ➔いで
例:泳ぎ・急ぎ
し➔て
例:話し・貸し
みび➔んで
例:読み・飲み・遊び・呼び
Ⅱグループ 例外
見ます・います・借ります・起きます
◆テ形の図
(ここからは上の図を学生と一緒に見ながら進める)
T:これを見てください(て形の作り方の図のⅢの部分を指して)。「けっこんします」は?
S:けっこんして
T:「来ます」は?
S:きて
T:これは何グループ?
S:3グループ
T:3グループは「して」「来て」です。次は「食べます」はマスさようなら、テ。「食べて」。じゃ「寝ます」は?
S:寝て
T:これは何グループですか
S:2グループ
T:2グループは簡単ですね。3グループと、2グループ、次は?
S:1グループ
T:「あいます」「まちます」「とります」は?
S:あって、まって、とって(出なければ教師が言う)
T:(マスの前を指して)ここは「い・ち・り」、「って」です
(同じようにしてマスの前の文字に注目させ、それぞれの変換のルールを教える)
T:ですから、「泳ぎます」は?
S:泳いで
T:じゃ最後。「行きます」は?
S:行きて
T:「ききます」は「きいて」ですからね。でも、「行きます」は特別、スペシャルです。「行きます」は「行って」です。
練習
T:皆さん、これは?(「働きます」を指して)
S:働いて
T:じゃこれは?(「休みます」を指して)
S:休んで
T:じゃS1さん、これは?(「行きます」を指して)
S1:行って
T:じゃS2さん、これは?(「帰ります」を指して)
S2:帰って
「行きます」は、どのクラスも初日、二日目、三日目は変換ができます。しかし、それは教えた直後だからで、時間がたって16課の継起などを教えるころには口頭でも筆記でも「行きて」「行いて」「行て」となっています。「行きます」の練習は多めにしましょう。
◆文字で確認
『文型練習帳』65ページを使うなどして、テ形を文字で確認する。
活動:テform神経衰弱
◆文字カードを使って神経衰弱を行う
活動の流れ:
1.学生を4人ずつくらいのグループに分ける
2.文字カードを裏返して机に並べる(必ず下のルールですべてがペアになるようカードを準備)
3.1人目が、カードを1枚ずつ、合計2枚表に返す
4.全員にカードが見えるようにする
5.「同じ動詞グループ」、「同じテ形」だったら、カードをもらえる
6.違ったら、また裏返す。位置は移動させないで、カードを覚えておく
7.カードをもらってももらわなくても、次の人にバトンタッチする
8.すべてのカードがなくなったら終了。一番多くカードをとった人が勝ち
経験上、「これは何グループだっけ」「てformなんだっけ」と、みんなで協力しながらやってくれます。途中で間違うと最後にカードが合わなくなるので、その場合は「間違っているペア探し」をさせても面白いです。
練習A-2:V[テ]ください
「~てください」の用法は以下の3つです。
1.~てください (指示)
2.すみませんが、~てください(依頼)
3.どうぞ、~てください(勧め)
違いを聞かれたら、1は偉そうに、2は腰を低く、3は笑顔で言うなどしてわからせます。
導入:V[テ]ください【指示用法】
聞く・読む・書く・急ぐ・起きる・始める・見る・とめる・勉強する・来る・宿題をする
T:はい、これは先生です。ホワイトボードに・・・?(書くジェスチャー)
S:書いてください。
T:CDを・・・?(聞くジェスチャー)
S:聞いてください。
T:121ページを・・・?(読むジェスチャー)
S:読んでください。
かいて
指示用法は、学生が使うことはあまりありません。ただし、言われて指示に従えないと困るので、「~てください」に指示の意味があることをしっかりと理解させましょう。
T:じゃあみなさん、立ってください。座ってください。S1さん、電気を消してください。S2さん、電気をつけてください。S3さん、ここに来てください。名前を書いてください。
(学生にいろいろ指示する)
練習B-1
◆絵を拡大したものを見せて行う。指示する人の上に吹き出しを見せるなどするとわかりやすい
T:(見せます、のジェスチャー)これは?
S:見せます。
T:そうですね。これはパスポートです。パスポートを・・・?(文を作るよう促す)
S:パスポートを見せてください。(リピート練習)
(続けて1~4も行う)
導入:V[テ]ください【依頼用法】
ここで「借りてください」を出さないように注意しましょう。使われる頻度が低いうえ、ダイクシスがかかわってくるのでわかりにくく、学生は非常に混乱します。「貸してください」を提出し、それが相手に物を借りるという事だ、ということをしっかり理解させましょう。
「貸す」と「借りる」のダイクシスについては「教師用メモ」をご参照ください。
貸す・取る・消す・切る・送る・手紙を出す・急ぐ・待つ・持つ・手伝う・呼ぶ・起きる・食べる・教える・つける・開ける・閉める・見せる・来る・結婚する
◆観光地でカメラを差し出す人の絵を見せる
T:これを見てください。写真が欲しいです。写真・・・とります・・・
S:写真を撮ってください。
T:そうですね。この「~てください」は、please。お願いします。
そして、(S1に突然「写真を撮ってください」と話しかける)どうですか。
わあ、びっくりします。(ジェスチャーで示す)
「~てください」の前、「すみませんが」がいいです。
しゃしんを とって
T:S1さん、ここへ来てください。
S1:はい。(前に来る)
T:じゃ、「り・ん・ご」ここに書いてください。(ホワイボードを指して)
S1:(書こうとするが、ペンがなく、探す)ペン、先生、ペン・・・
T:すみませんが、ペンを・・・
S1:すみませんが、ペンを貸してください。
しゃしんを とって
ペンを かして
◆「はい、どうぞ」を紹介。何かを貸すときに無言で渡すと怖いことを示す
T:S1さん、もういちど。ペンを・・・
S1:ペンを貸してください。
T:(無言でペンを渡す)
S1:あ、ありがとうございます。
T:どうですか。(無言で渡すしぐさ)これはダメです。「はい、どうぞ」を使います。
…はい、どうぞ。
◆「ちょっと」がつけられる文を紹介。この「ちょっと」は程度の少しを表しているのではなく、文を丁寧にする依頼表現である事を説明
(とても重い物を運ぶよう指示する)
T:すみません、S2さん、これをあそこに。(と言って教室の隅を指す)
S2:はい。
T:ありがとうございます。
S2:先生、これはとても重いです。
T:じゃあ、S3さんに、help me!
S2:手伝います・・・すみませんが、手伝ってください。
T:いいですね。これは、「ちょっと手伝ってください」もいいです。
◆「~~方」(やり方)
T:(黒板にSが読めないであろう漢字を書く)わかりますか。
S:わかりません。
T:この漢字の・読み方(強調)・は、「〇〇」です。
じゃあこれはどうですか。(別の漢字を書く)この漢字の読み方がわかりますか。
S:いいえ。
T:じゃあ、先生が教えますから、先生に聞きましょう。すみませんが、この漢字の・・・
S:この漢字の読み方を教えてください。
T:読みます。読み方。書きますは?
S:書き方。
T:行きますは?
S:行き方。
T:そうですね。読み方は、どうやって読みますか。書き方は、どうやって書きますか。行き方は、どうやって行きますか。便利ですね。
この「~~方」は練習Bなどにはないのですが、よく使う言葉で使えると便利なので教えておきましょう。
練習B-2
◆状況を絵で見せながらやるとよい
T:(忙しそうなAさんと暇そうなBさんを出して、Aさんに吹き出し)すみませんが、ちょっと手伝ってください。(リピート練習)
(暑がっているAさんを出して、上に「エアコン・・・」と書く)この人は?
S:すみませんが、エアコンをつけてください。(リピート練習)
(続けて2~4も行う)
活動:あれをして!これをして!
◆教師が指示し、学生が言われた通りにやるアクティビティ
活動の流れ:
1.教師は教室の後ろに行き、学生を3人前に呼んで、いろいろ指示する
2.練習が盛り上がってきたら、前に出ていない学生以外からも指示させる
指示例:
教室を出て 教室に入って 立って 座って
書いて 消して 話して ダンスをして
寝て 起きて 電話して
母語で歌を歌って
電気を消して エアコンを消して → すみませんが、~てください につなげてもよい
指示の導入で「これは学生は言わない。でも聞いて必ずわかるようになってないとダメだよ」と言っておくのがこの活動をする意義であり、学生もそれに納得して取り組めます。なお、この活動は指示が終わってすぐに実施してもいいですが、依頼が終わってからの方が幅が広がります。
導入:V[テ]ください【勧め用法】
休む・飲む・吸う・もらう・休む・電話をかける・食べる・来る
T:皆さん疲れましたね。私も疲れました。皆さん、どうぞ休んでください。
(席を譲っている人の絵を見せ、吹き出しで)どうぞ座ってください。
この「~てください」は、どうぞ!(ジェスチャーで示す)
やすんで
すわって
練習B-3
◆拡大した絵を用いてい行う
T:(例の絵を見せる)どうぞ・・・?(文を作るよう促す)
S:どうぞ飲んでください。(リピート練習)
(続けて1~4も行う)
練習A-3:Vましょうか
これを教える際には、動作主に注意が必要です。今までの「~てください」は「あなたがします」でしたが、「Vましょうか」は「私がします」です。なお、「あの喫茶店に入りましょうか」といった、一緒に行う「Vましょうか」の用法は14課では扱いません。
書く・撮る・切る・送る・あげる・教える・迎えに行く・つける・消す・持つ・取る・手伝う・閉める・開ける
※動作主注意:貸す・見せる
- ドアを開けましょうか
- ドアを閉めましょうか
- 中国語を教えましょうか
- プリントをコピーしましょうか
- 私の母の写真を見せましょうか
T:(ビンなど何か開けるのに力がいる物を使って)あれ、開かないなあ・・・ふん!ふん!
S:先生、私、
T:私?
S:開けます。
T:「開けます」もいいですが、今日はこれを勉強します。
◆「Vます」との違いを確認
S:先生、「開けます」と「開けましょうか」は何が違いますか。
T:「開けます」は、
(ここから教師が一人二役になって違いを表情や態度で説明)
T1:先生!開けます。(ちょっとキツイ感じで言う)
T2:え、あ、はい。(驚きながらビンを渡す)
T1:先生、開けましょうか。(優しい感じで言う)
T2:ええ、お願いします。ありがとうございます。
(これで学習者が理解しているようならここで説明を終わる)
T:わかりましたか。「開けましょうか」は質問ですね。ですから、
…ええ、おねがいします。
T:「開けます」は「はい/いいえ」がありません。「開けましょうか」は、「はい/いいえ」があります。
◆いくつか絵を見せて練習
T:(たくさんの荷物を持ったおばあさんとAさんの絵、Aさんのセリフで)荷物を・・・
S:荷物を持ちましょうか。
T:(暑そうな人と、Aさん)まどを・・・
S:窓を開けましょうか。
◆「いいえ、結構です」
T:(皿洗いをしている人と、Aさん)手伝いましょうか。
いいえ、のとき、「いいえ、結構です」を使います。
…ええ、おねがいします。
…いいえ、けっこうです。
「いいえ、結構です」は少し強い断りに聞こえるので、「いいえ、大丈夫です」を教えてもよいでしょう。
練習B-4
◆例を確認してから、ペアで練習させる
ペアワークのやり方は様々です。まだ文がうまく作れそうにないと感じたら、全体で正しい文を確認してからペアでもう一度練習させてもいいでしょう。また、終わってから教師のキューに続いて全体でリピート練習すると、最後に正しい文を自分の口で練習して終わることができます。
活動:困っている人を助けよう
◆困っている人に「~ましょうか」と声をかけるアクティビティ
活動の流れ:
1.まず、教師が何か困っている状況のジェスチャーをする
2.学生に、「~ましょうか」を言わせる
3.つぎに、困っている役を学生にやらせる
4.上記を繰りかえす
文例:
手伝いましょうか
お金を貸しましょうか
荷物を持ちましょうか
窓を開けましょうか
電気を消しましょうか
地図を書きましょうか
どんなジェスチャーをすればいいかわからない、という学生がいたら、「~ましょうか」の文を見せ、そのフレーズが出るようなジェスチャーをするよう指示しましょう。
練習B-5
◆「~ましょうか」に対して「~てください」で細かく要求を伝える方法を学ぶ
1のコピーを例に、AさんとBさんの会話としてパワーポイント等で絵を見せながら行うとわかりやすい
T:(AとBの会話として)
A:これをコピーしましょうか。
B:ええ、お願いします。
A:・・・何枚ですか。
B:あ、5枚です。
これは長いですね。「てください」を使いましょう。
A:これをコピーしましょうか。(リピート練習)
B:ええ、5枚コピーしてください。(リピート練習)
T:(引き続き、AとBの会話。しまっている窓と、Aの上に「窓?」と出す)
まどを・・・?(質問を作るよう促す)
S:窓を開けましょうか。(リピート練習)
T:(Bの上に「すこし」と出す)
S:ええ、すこし開けてください。(リピート練習)
(続けて2~4も行う)
練習A-5:今V[テ]います(進行)
Ⅰ働く・休む・飲む・吸う・聞く・読む・書く・撮る・切る・遊ぶ・泳ぐ・急ぐ・待つ・手伝う・話す
Ⅱ寝る・食べる・見る・教える・かける
Ⅲ宿題/テニス/サッカー/野球/ダンス/パーティー/釣り/スキー/会議/コピーをする
勉強/買い物/食事/散歩する
※瞬間動詞類は入れないこと
14課 ごはんを食べている・たばこを吸っている
15課 結婚している・住んでいる・持っている・知っている
コンピューターを売っている・IMCで働いている
22課 着ている・はいている
28課 毎日散歩している・塾に通っている
29課 窓が開いている・皿が割れている
14課~28課は主体が全て人です。
29課は物の瞬間的な変化の結果、それがどんな状態にあるかを示しています。
導入
T:本を読みます。(本を開き、読むジェスチャー)今、本を読んでいます。読んでいます。読んでいます。(本を閉じる)本を読みました。
(ホワイトボードにひらがなを書く)いま、ひらがなを書いています。
(音楽を聞くジェスチャー)今、音楽を聞いています。
(寝るジェスチャー)今、寝ています。
ほんを よんで
ひらがなを かいて
おんがくを きいて
ねて
T:今、皆さんは何をしていますか。
S:日本語を勉強しています。
練習B-6
◆拡大した絵を用いて行う
T:(例の絵を見せて)何をしていますか。(リピート練習)
これはレポートです。
S:レポートを書いています。(リピート練習)
T:何を・・・?(質問を作るよう促す)
S:何をしていますか。(リピート練習)
T:何をしていますか?
S:電話をかけています。(リピート練習)
(続けて2~4も行う)
文作成練習
『文型練習帳』67ページを使うなどして、絵を見て「~ています」の文を作る練習をさせましょう。
活動:ジェスチャーゲーム
◆Tが指定したジェスチャーをひとりの学生がして、見ている学生が答えるゲーム
活動の流れ:
1.「本を読んでいます」「ダンスをしています」などを書いた紙を用意
2.まずは教師がお手本。紙をくじびきのようにし、1枚ひき、そこに書かれたことをする。声は出さない、ということもジェスチャーで指示
3.「今何をしていますか」と問い、学生に答えてもらう
4.学生1人ずつ前に来てもらい、ジェスチャーをしてもらう
練習B-7
はじめに疑問詞を簡単に確認してから練習に移りましょう。ペアでしてもよいですし、まだテ形や疑問詞が心配ということであれば、絵を拡大したものを見せて、教師が質問を出して学生に「~ています」で答えさせてもよいでしょう。
教師用メモ
「V[テ]いる」用法まとめ┃継続・結果の状態・習慣
「ています」には実に様々な用法があります。
上の表などを用いてわかりやすく解説したページ、「ている」用法まとめ┃継続・結果の状態・習慣を作ったので、ご参照ください。
「貸す」と「借りる」(ダイクシス)
5課の「行く」「来る」の混同同様、視点をどこに置くかで決まるダイクシス。「貸す」「借りる」も、「モノがAからBへ移動する」という事実は同じですが、A視点で見れば「貸す」、B視点で見れば「借りる」となります。
この「貸す」「借りる」を、14課で出てくる「~てください」といっしょに正しく使える学生は多くはありません。なぜなら、「(私が)”借り”たい」ときには「(あなたが)”貸し”てください」と言わなければならず、視点の変更が難しいからです。例えば、英語話者なら”lend”と”borrow”が「貸す」「借りる」に相当し、概念も理解しやすいですが、中国話者ならどちらも「借」で表すので、どっちがどっちかわからなくなってしまいます。「貸してください」は、実際にモノを使うなどして概念をしっかり理解させましょう。
それから、「借りてください」は普段そんなに耳にしないので、ここでは取り上げないほうが賢明です。確かに、例えば学校で「S1さん、消しゴムをまた忘れたんですか。じゃ隣の人に借りてください」などと言う事もありますが、そういった場面は限定的です。「貸してください」のみを徹底して教えましょう。
学生の頻出誤用「教えますお願いします。」
「書きますお願いします」
「読みますお願いします」
「行きますお願いします」
中級ぐらいでもこのように言っている学生がいます。言いたくなる気持ちはわかりますが、これを大目に見て許し続けると、上級でも化石化した状態の学生になります。
できるだけ、ではなく、必ず訂正するようにしましょう。
「テ形の歌」
「テ形の作り方」は歌があり、YouTubeなどで検索すると
「サンタクロースがやってきた」
「アルプス一万尺」
「ロンドン橋落ちた」
「きらきら星」
「むすんでひらいて」
など、様々出てきます。教室で学生と一緒に歌っている人、歌うべきだという人もいますが、私はもうやっていません。理由は単純で、”さむい”からです。
対象が子どもであれば私もまだ歌っていたと思いますが、そうでなければ大人、20歳以上の留学生やビジネスパーソンには辛いアクティビティとなります。昔、私も多分に漏れず歌っていたのですが、どの学生も歌を教えている時の顔が暗く、こんなのやってられないよという顔で、教室がシラケます。
教室で声をそろえて歌わなくても、いまはどの学生もデジタルデバイスを持っていますから、YouTubeのURLを紹介して「歌もあるからあとでよかったら見てみて」で済みます。
それでも、どうしても教室でみんなでやりたいということでしたら、全力でやることをお勧めします。やり切れば彼らもノってくる、かもしれません……。
※YouTubeなどで紹介されている「テ形」の歌には、「マス形」から作っているものと「辞書形」から作っているものがあります。かならず「マス形」から作っているものを学生に提示するようにしましょう。
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