用法
接続
ふつう形(動詞はた形とない形)+まま┃以下接続例
V:した+まま
V:しない+まま
A:おいしい+まま
Na:簡単な+まま
N:子どもの+まま
意味・使い方
1.付帯状況の「~て」のようだが、似て非なるもの
・ソースをかけ 〇て ×たまま 食べる
しかし、これも
・座っ 〇て 〇たまま 話す
と両方〇になる場合もある
例文
テレビを見たまま寝落ちしてしまいました。
無言で立ち尽くしたまま、私はその出来事をただ見守ることしかできなかった。
学校の授業で座ったまま1時間もノートを取り続けるのは疲れます。
毎晩、本を読み続けたまま寝落ちしてしまうのが習慣になってしまいました。
旅行中、長時間バスに乗ったままだったので腰が痛くなってしまいました。
会議が延びたため、座ったままで4時間も話し続けなければなりませんでした。
机に向かったまま、彼女は一晩中レポートを書き続けました。
大雨の中、屋根のない駅で待ち続けたまま、電車が来ないことに絶望していました。
疲れ果てて座り込んだまま、ぐっすりと眠りについてしまいました。
ビデオ通話中、彼はパジャマ姿のままだった。
マラソン大会では、ゴールしたランナーたちは立ったまま涙を流しているのが見られる。
子供たちはゲームに夢中で、机に座ったまま何時間も遊び続けていた。
彼は椅子に座ったままうとうとしていたが、急にバランスを崩して転んでしまった。
仕事中、パソコンに向かったまま長時間過ごすことが多いため、肩こりがひどくなってしまった。
映画を見たまま寝落ちしてしまったら、ストーリーが途中からわからなくなってしまった。
窓辺に座ったまま本を読んでいたら、夕日がとてもきれいだった。
突然の地震で、パジャマのままで家を飛び出して近くの公園に避難した。
マンションの火災警報が鳴り、パジャマのままで非常階段を降りた。
一緒によく使う言葉
置く・つける・開ける
類似文型とその違い
「XっぱなしY」も「XままY」も、その後の状態が残存しているという意味は共通しています。
「テレビをつけっぱなしで寝る」と「テレビをつけたまま寝る」という二つの文を比べると以下のようなニュアンスの違いが現れます。
「彼はテレビをつけっぱなしで寝る」
テレビを消すことが推奨される状況(消さないと怒られる、テレビの寿命が縮む等)において消さずに寝る。
「彼はテレビをつけたまま寝る」
テレビを消すことが推奨される状況かどうかはわからないが、とにかくテレビはついた状態である。同時に、つけたままでないと寝られないから意図的に消さないでいる可能性もある。他の例文でさらに詳しく見ていきましょう。
- 靴下を脱〇ぎっぱなし 〇いだまま にしてはいけない。
上の文はどちらを使っても問題ありませんが、「XっぱなしY」は次の動作が行われる事が期待されるものであり、Yは禁止表現(しないで・てはいけない)がよく使われます。例えばテレビはつけたら消さなければということを話者と聞き手が認識しているという前提があるので、
- 「テレビをつけ ◎っぱなし 〇たまま にして寝てはいけない」
という文が成立します。
「XままY」は動作Xに伴ってYするという意味です。「XっぱなしY」にも同様の意味がありますが、「XっぱなしY」は上述のように次の動作が行われる事が期待されるので、下記のAのような後件がない文ではタママに違和感が出ます。
- A警備員の仕事は立 〇ちっぱなし ?ったまま だ。
- B彼は息子を連れ ×っぱなしで 〇たまま どこかへ行ってしまった。
Bの「XっぱなしY」が×なのは、「次の動作がなされる事が期待される」という「XっぱなしY」の用法によります。息子を連れてどこかへ行く事が期待されているとは考えにくいです。
さらに、下記の文、
- 警備員の仕事は立 〇ちっぱなしで 〇ったまま 周囲を警戒しなければならないので、意外と大変なのだ。
「XままY」は単に立つと警戒するの二つの動作が同時に行われていることを言い、「XっぱなしY」は立つという動作に対して不満があることを言外に含みます。
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