【JLPT N2】「ばかりだ」【JLPT N4】「ばかり」

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「ばかりだ」【N2】

用法:どんどん~

≪接続≫
 V辞書形+ばかりだ
┃以下接続例
    V:する+ばかりだ
    A:なし
  Na:なし
    N:なし

≪意味・使い方
 Xばかりだ。

  1. どんどんXになる <Continuously becoming X>
  2. 悪い方向へ進んでいく、変化していく、と言いたいときに使う
  3. Xには、変化を表す動詞のみが入る
  4. 「Xばかりで、~」と、文の途中で使うこともできる
Teaching Points
1.基本的には悪い方向へ進むことのみを言うが、「彼には感謝するばかりだ」といった使い方もある

よく一緒に使われる言葉・文型・表現

「なる」「~ていく」

例:病状は悪くなる/悪化していくばかりだ。

例文

彼の成績は悪くなるばかりだ。 (His grades are just getting worse.)

運動をしないので体重が増えるばかりだ。 (Since I don’t exercise, I keep gaining weight.)

現状維持では後退していくばかりだ。 (We are only going backward by maintaining the status quo.)

自分の中で悩み続けるばかりだ。 (I keep struggling internally without finding a resolution.)

この町の治安は悪化するばかりで、注意が必要だ。 (The security in this town is deteriorating, so caution is necessary.)

学校の成績は下がるばかりで、努力が必要だ。 (School grades are continuously declining, requiring effort.)

雨はますます激しくなっていくばかりだ。 (The rain is only getting heavier.)

環境問題は深刻化していくばかりだ。 (The environmental issues are becoming increasingly serious.)

食物の価格は上昇していくばかりだ。 (The prices of food keep rising.)

類似文型とその違い

「一方だ」【N3】

「~ばかりだ」と「~一方だ」は、どちらも「どんどん~になる」といった、物事が一方へ進んでいる様子や物事の変化を表す文型ですが、使える場面に違いがあります。

「~ばかりだ」は、物事がマイナスの方向へ進んでいるときにしか使えません
例:〇彼の成績は悪くなるばかりだ。
  ×彼の成績は良くなるばかりだ。

次に、「~一方だ」は物事がマイナスの方向へ進んでいるときも、プラスの方向へ進んでいるときも、どちらでも使えます
例:〇彼の成績は悪くなる一方だ。
  〇彼の成績は良くなる一方だ。

また、「~ばかりだ」の前に入る動詞は、ある程度継続して繰り返し行われるものに限られますが、「~一方だ」の前には、「忘れる」といった継続・繰り返しの要素がない動詞も入ります。「~ばかりだ」の前に継続・繰り返しの要素がない動詞を使う場合は、「~ていく」と一緒に使わなければなりません。
例:×日本語は、使わなければ忘れるばかりだ。
  〇日本語は、使わなければ忘れていくばかりだ。
  〇日本語は、使わなければ忘れる一方だ。
  〇日本語は、使わなければ忘れていく一方だ。

このように、「~ばかりだ」と「~一方だ」は、どちらも「どんどん~になる」という意味を表しますが、プラスの方向へ進んでいるときに使えるかどうか、動詞に継続・繰り返しの要素が必要かどうかに違いがあります。

「ばかり」【N4】

用法①:~だけ

≪接続≫
 Vテ形/N+ばかり
┃以下接続例
    V:して+ばかり
    A:なし
  Na:なし
    N:ゲーム+ばかり

≪意味・使い方
 Xばかり

  1. Xだけする、Xがたくさんある <only doing X, there are lots of X>
  2. いいことにも悪いことにも使う
Teaching Points
1.その動詞に対して使うNが極端に少ない場合は✕。例えば食べるものはたくさんあるので「お菓子ばかり」はいいが、吸うものはタバコぐらいしかないので「たばこばかり」とは言えない
・✕たばこばかり吸うと、病気になる(たばこ以外に吸うものはない)
・〇たばこを吸ってばかりいると、病気になる

例文

忙しいから、ファストフードばかり食べている。 (Due to being busy, I only eat fast food.)

彼女は仕事ばかりで友達との時間がない。 (She is constantly occupied with work and has no time for friends.)

彼は食事のことばかり考えている。 (He is always thinking about food.)

最近は仕事ばかりで休みがない。 (Lately, he has been consumed with work and has no days off.)

彼は結婚の話ばかりしているが、まだプロポーズはしていない。 (He keeps talking about marriage but hasn’t proposed yet.)

食べ物の写真ばかり撮っている人がSNSで増えている。 (The number of people who only take pictures of food has been increasing on social media.)

新入社員は優秀な方ばかりでとてもうれしいです。 (The new employees are all excellent, and I am very happy about that.)

弟は勉強しないで、ゲームしてばかりいる。 (My younger brother spends all his time playing games instead of studying.)

彼はテレビを見てばかりで本を読まない。 (He just watches TV and never reads books.)

彼は笑ってばかりいるから、何か面白いことがあったのかと思った。 (Since he is constantly laughing, I thought something funny must have happened.)

彼女は泣いてばかりで、なかなか元気にならないようだ。 (She keeps crying and seems to have a hard time recovering.)

彼は一方的に話してばかりで、相手の意見を聞く余裕がない。 (He only talks one-sidedly and doesn’t have the capacity to listen to others’ opinions.)

彼は食べてばかりで、運動することを全くしない。 (He only eats and never engages in any exercise.)

彼は怒ってばかりいるから、周りの人たちを心配させている。 (He is always angry, which worries the people around him.)

彼は考えてばかりで行動しないから、なかなか進歩が見られない。 (He keeps thinking but doesn’t take action, so progress is not easily seen.)

彼女は写真を撮ってばかりいて、旅行中もカメラを手放さない。 (She is always taking photos and never puts her camera down even during trips.)

類似文型とその違い

「だらけ」【N3】
「まみれ」【N1】
「ずくめ」【N1】
「三昧」【N0】

「~ばかり」も含め、これらは全て前に名詞がつき「~がたくさんある・いる」といった意味になりますが、使用する場面や前に使える名詞にすこしずつ違いがあります。

まず、「~三昧」はプラスのことに、「~まみれ」はマイナスのことに使います。「~ずくめ」は、プラスのことに使うことが多いですが、マイナスのことに使うこともできます。反対に、「~だらけ」はマイナスのことに使うことが多いですが、プラスのことに使うこともできます。「~ばかり」は、プラス、マイナスどちらも使うほか、プラスやマイナスの感情を伴わない場面で使うことも多いです。また、「~ばかり」のみ、後ろに直接動詞を持ってくることができます。

つぎに、前に使える名詞の種類を「人」「具体物」「抽象物」「不快な液体」「色」に分けて見てみます。「~ばかり」は、前に「人」「具体物」「抽象物」が使えます。「~だらけ」と「~まみれ」は、「人」「具体物」「抽象物」「不快な液体」が使えます。具体物についていう場合、「~まみれ」は細かいものに対して、「~だらけ」は大きいものに対して使うことが多いです。「~ずくめ」は、「具体物」「抽象物」「色」が使えます。「~三昧」は、「具体物」「抽象物」が使えます。

以上を例文とともに示すと、下記のようになります。

【◎=最も適している、〇=適している、△=あまり適していない、×=適していない】

プラスのこと

  • 人:この町は知り合い[◎ばかり △だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]
  • 具体物:高級ワイン[△ばかり ×だらけ ×まみれ 〇ずくめ ◎三昧]の食事会
  • 抽象物:毎日幸せ[〇ばかり △だらけ ×まみれ ◎ずくめ 〇三昧]
        最近いいこと[〇ばかり 〇だらけ ×まみれ ◎ずくめ 〇三昧]

マイナスのこと

  • 人:祭りは人[△ばかり ◎だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]で歩きにくい
  • 具体物:机の上がほこり[×ばかり ◎だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]
        彼は甘いもの[◎ばかり ×だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]食べる(後ろが動詞)
  • 抽象物:苦労[◎ばかり 〇だらけ △まみれ ×ずくめ ×三昧]の人生
        借金[△ばかり 〇だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]の生活
  • 不快な液体:子どもは泥[×ばかり ◎だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]で遊んだ
  • 色:犯人は黒[×ばかり ×だらけ ×まみれ ◎ずくめ ×三昧]の服だった

プラス、マイナスなし

  • 人:男[◎ばかり 〇だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]のクラス

このように、これらの文型は全てなにかがたくさんある、いるということを表しますが、使う場面や前に使える名詞が異なります。まとめると以下の通りです。

  • Xばかり:場面→プラス&マイナス、X→人、具体物、抽象物
  • Xだらけ:場面→プラス<マイナス、X→人、具体物、抽象物、不快な液体
  • Xまみれ:場面→マイナス、X→人、具体物、抽象物、不快な液体
  • Xずくめ:場面→プラス>マイナス、X→具体物、抽象物、色
  • 三昧(ざんまい):場面→プラス、X→具体物、抽象物

用法②:~くらい

≪接続≫
 N(数)+ばかり
┃以下接続例
    V:なし
    A:なし
  Na:なし
    N:3人+ばかり

≪意味・使い方
 X+数詞+ばかり

  1. Xくらい <about X>
  2. なにかの数について、「~くらい」「~ほど」と言いたいときに使う
  3. あまり使われない
Teaching Points
1.話し言葉では「~ばかし」という言い方もある

例文

手伝いにあと3人ばかりほしいです。 (We only need about three more people to help.)

5時間ばかりお時間をいただきます。 (I will need approximately five hours of your time.)

2時間ばかり待って、やっと名前が呼ばれた。 (I waited for about two hours until my name was finally called.)

いすが4つばかり足りない。 (We are short of about four chairs.)

雨の日は3か月ばかり続いた。 (The rainy season lasted for about three months.)

参考文型

【JLPT】「ばかり」を使った文型一覧
「ばかり」を使った文型をまとめています。 詳しい使い方や例文、教える際のポイント、類似文型との違いなどは、各文型のページをご覧ください。 用法①:直後 「たばかりだ」【N4】 ≪接続≫  Vタ形+たばかりだ┃以下接続例     V:し+たば...

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