「だらけ」【N3】
用法
≪接続≫
N+だらけ┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:ほこり+だらけ
≪意味・使い方≫
Xだらけ
- Xがたくさんある/ついている、ほとんどXだ <full of X / covered in X>
- よくないことに使うことが多い
1.「~だらけ」というと、「~が多くて嫌だ」といった意味合いが強くなるため、例えば「日本人だらけの環境で育った」と言うと、日本人に対する話者のマイナスの気持ちが出る。そうしたくなければ、「ばかり」を使うか、他の表現に言い換えた方が無難である。
2.「~まみれ」【N1】よりも、「~だらけ」のほうが密度が低い。
・泥だらけでサッカーをする(体に泥がたくさんついているが、まだほかの部分もある)
・泥まみれでサッカーをする(体がほぼ泥におおわれている)
例文
祭りは人だらけで歩きにくかった。
この寮は男だらけだ。
部屋はゴミだらけで足の踏み場もない状態だった。
彼の作文は間違いだらけで、結局何が書きたかったのかわからなかった。
駅前はコンビニだらけで若者が集まってうるさい。
日本は漢字だらけで嫌になる。
道で傷だらけのネコを見かけ、心配で家に連れて帰った。
この道は石だらけで、はだしで歩いたら危ない。
ピクニックの後、公園はゴミだらけになってしまった。
彼の机は書類だらけで、整理されていない。
道路は穴だらけで、車の通行が危険になっている。
彼女の服にはシワだらけで、ちゃんとアイロンをかけていないようだ。
この部屋はホコリだらけで、掃除がされていないようだ。
彼の話はウソだらけで、信じられるものがない。
昨日の試合はミスだらけで、チームのパフォーマンスが低かった。
類似文型とその違い
「ばかり」【N4】
「まみれ」【N1】
「ずくめ」【N1】
「三昧(ざんまい)」【N0】
「~だらけ」も含め、これらは全て前に名詞がつき「~がたくさんある・いる」といった意味になりますが、使用する場面や前に使える名詞にすこしずつ違いがあります。
まず、「~三昧」はプラスのことに、「~まみれ」はマイナスのことに使います。「~ずくめ」は、プラスのことに使うことが多いですが、マイナスのことに使うこともできます。反対に、「~だらけ」はマイナスのことに使うことが多いですが、プラスのことに使うこともできます。「~ばかり」は、プラス、マイナスどちらも使うほか、プラスやマイナスの感情を伴わない場面で使うことも多いです。また、「~ばかり」のみ、後ろに直接動詞を持ってくることができます。
つぎに、前に使える名詞の種類を「人」「具体物」「抽象物」「不快な液体」「色」に分けて見てみます。「~ばかり」は、前に「人」「具体物」「抽象物」が使えます。「~だらけ」と「~まみれ」は、「人」「具体物」「抽象物」「不快な液体」が使えます。具体物についていう場合、「~まみれ」は細かいものに対して、「~だらけ」は大きいものに対して使うことが多いです。「~ずくめ」は、「具体物」「抽象物」「色」が使えます。「~三昧」は、「具体物」「抽象物」が使えます。
以上を例文とともに示すと、下記のようになります。
【◎=最も適している、〇=適している、△=あまり適していない、×=適していない】
プラスのこと
- 人:この町は知り合い[◎ばかり △だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]だ
- 具体物:高級ワイン[△ばかり ×だらけ ×まみれ 〇ずくめ ◎三昧]の食事会
- 抽象物:毎日幸せ[〇ばかり △だらけ ×まみれ ◎ずくめ 〇三昧]だ
最近いいこと[〇ばかり 〇だらけ ×まみれ ◎ずくめ 〇三昧]だ
マイナスのこと
- 人:祭りは人[△ばかり ◎だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]で歩きにくい
- 具体物:机の上がほこり[×ばかり ◎だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]だ
彼は甘いもの[◎ばかり ×だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]食べる(後ろが動詞) - 抽象物:苦労[◎ばかり 〇だらけ △まみれ ×ずくめ ×三昧]の人生
借金[△ばかり 〇だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]の生活 - 不快な液体:子どもは泥[×ばかり ◎だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]で遊んだ
- 色:犯人は黒[×ばかり ×だらけ ×まみれ ◎ずくめ ×三昧]の服だった
プラス、マイナスなし
- 人:男[◎ばかり 〇だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]のクラス
このように、これらの文型は全てなにかがたくさんある、いるということを表しますが、使う場面や前に使える名詞が異なります。まとめると以下の通りです。
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