「三昧(ざんまい)」【N0】
用法
≪接続≫
N+三昧┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:読書だ+三昧
≪意味・使い方≫
X三昧
- Xばかりしている、Xばかりある <Doing only X/There are lots of X>
- ある状態や行為に没頭し、心身がその中に浸りきっている様子を表現する際に使用する。
- 基本的に、Xの行為者にとって具体的ないいこと、幸せなことについて使う
例文
総理はゴルフ三昧の休みを過ごしたそうだ。
お金持ちの彼は毎日旅行三昧らしい。
彼はゲーム三昧でまったく学校へ来ない。
兄はギャンブル三昧で自堕落な生活をしている。
初めての彼女でデート三昧の日々を過ごしている。
小さい頃から演劇三昧の毎日を過ごしていた。
おいしいもの三昧のパーティーだった。
好きな本を読んでいるときは、ストーリーに夢中になり、読書三昧の時間を過ごす。
音楽に耳を傾けながら、リズムに身を任せ、音楽三昧の時間を楽しむ。
リタイア後は仕事のことを考えずに趣味三昧の人生を送りたい。
類似文型とその違い
「ばかり」【N4】
「だらけ」【N3】
「まみれ」【N1】
「ずくめ」【N1】
「~三昧」も含め、これらは全て前に名詞がつき「~がたくさんある・いる」といった意味になりますが、使用する場面や前に使える名詞にすこしずつ違いがあります。
まず、「~三昧」はプラスのことに、「~まみれ」はマイナスのことに使います。「~ずくめ」は、プラスのことに使うことが多いですが、マイナスのことに使うこともできます。反対に、「~だらけ」はマイナスのことに使うことが多いですが、プラスのことに使うこともできます。「~ばかり」は、プラス、マイナスどちらも使うほか、プラスやマイナスの感情を伴わない場面で使うことも多いです。また、「~ばかり」のみ、後ろに直接動詞を持ってくることができます。
つぎに、前に使える名詞の種類を「人」「具体物」「抽象物」「不快な液体」「色」に分けて見てみます。「~ばかり」は、前に「人」「具体物」「抽象物」が使えます。「~だらけ」と「~まみれ」は、「人」「具体物」「抽象物」「不快な液体」が使えます。具体物についていう場合、「~まみれ」は細かいものに対して、「~だらけ」は大きいものに対して使うことが多いです。「~ずくめ」は、「具体物」「抽象物」「色」が使えます。「~三昧」は、「具体物」「抽象物」が使えます。
以上を例文とともに示すと、下記のようになります。
【◎=最も適している、〇=適している、△=あまり適していない、×=適していない】
プラスのこと
- 人:この町は知り合い[◎ばかり △だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]だ
- 具体物:高級ワイン[△ばかり ×だらけ ×まみれ 〇ずくめ ◎三昧]の食事会
- 抽象物:毎日幸せ[〇ばかり △だらけ ×まみれ ◎ずくめ 〇三昧]だ
最近いいこと[〇ばかり 〇だらけ ×まみれ ◎ずくめ 〇三昧]だ
マイナスのこと
- 人:祭りは人[△ばかり ◎だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]で歩きにくい
- 具体物:机の上がほこり[×ばかり ◎だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]だ
彼は甘いもの[◎ばかり ×だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]食べる(後ろが動詞) - 抽象物:苦労[◎ばかり 〇だらけ △まみれ ×ずくめ ×三昧]の人生
借金[△ばかり 〇だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]の生活 - 不快な液体:子どもは泥[×ばかり ◎だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]で遊んだ
- 色:犯人は黒[×ばかり ×だらけ ×まみれ ◎ずくめ ×三昧]の服だった
プラス、マイナスなし
- 人:男[◎ばかり 〇だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]のクラス
このように、これらの文型は全てなにかがたくさんある、いるということを表しますが、使う場面や前に使える名詞が異なります。まとめると以下の通りです。
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