【20課】教案:普通形、普通体

教案

みんなの日本語 初級I 第二版』完全準拠。
導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。

スポンサーリンク

学習項目

練習A
1.丁寧形と普通形(①動詞/②イ形容詞/③ナ形容詞・名詞)
2.普通体の文、会話(①動詞/②イ形容詞/③ナ形容詞・名詞/④後続句)

教案

新出語彙

新出語彙は多くありません。普通体で使う「うん/ううん」や「こそあど」などは、導入や練習の中で繰り返し、定着をはかります。

★ポイント

  • うん/ううん:意外と聞き分けや発音が難しい。「ううん」は「うんう」や「うんん」に聞こえることもある。

練習A-1:丁寧形と普通形(①動詞)

普通形はとにかく本当に難しいです。ここまでを順調に積み上げてこられていた学生でさえ、この段階で普通形をすんなり習得し使いこなせるということはまずないでしょう。辞書形やタ形がまだ定着していない学生にとっては地獄です。学生がどのレベルかをしっかり把握し、適宜復習を挟みながら、活用を一つ一つ確認し、丁寧に教授しましょう。

(有料) ふつう形の教え方

普通形と普通体の違いには特に触れる必要はありません。実際、『本冊』では「普通形」を使っているのに対し、『翻訳・文法解説 英語版』では「Plain style(普通体)」、『文型練習帳』でも「普通体」と記載されています。

実際に教えるときは「親しい人と話すとき、日記やレポートを書くときに使うのが普通体、それには普通形を使う」程度で構いません。さらに追及されたら下のような画像を見せるなどして対応しますが、余計に混乱するかもしれません。

導入:普通形、普通体の紹介

◆まず、「会話DVD」などで20課の会話「いっしょに行かない?」を見せる
T:どうですか。わかりますか。
S:いいえ、ちょっと難しいです。
T:そうですね。小林さんとタワポンさんは、友達です。友達ですから、話すとき「~です、ます」を使いません。カジュアルですね。今日は、カジュアルな話し方を勉強します。

アニメやドラマの影響で、普通体を知っている、理解したい、と思っている学生も多くいます。普通体は大変ですが、「これがわかれば日本人の友達同士の会話が理解できるようになる!」と思わせて、モチベーションをあげましょう。今は理解できない普通体の会話が、20課を終えてもう一度見た時に「なんて言っているのかわかる!」となれば成功です。

◆先ほどの会話を丁寧体バージョンと普通体バージョンで示し、ペアで違う部分をマークさせる
T:どこが違いますか。
S:「帰りますか」は「帰る?」です。
T:そうですね。それから?
S:「いいえ」は「ううん」です。
T:そうですね。
(繰り返して確認する)
T:皆さんは「~です、ます」の話し方を勉強しました。これは、丁寧です。先生と話します、店長と話します、丁寧がいいです。「~です~ます」は「丁寧体」です。きょうは、友達とのカジュアルな話し方を勉強します。これは「普通体」です。そして、普通体で、「普通形」を使います。
(パワーポイントなどを使い、以下のように違いを見せる)

◆以下のような画像を見せて、概要を説明してもよい。

丁寧体・普通体という言葉が難しければ別の言葉で置き換えてもいいですが、チームティーチングをしているなら教師間で統一させておいたほうがよいでしょう。

【参考】それぞれの呼び方例
丁寧体:会社/オフィシャルスタイル(手引き)・先生会話・先生言葉・ます会話・Polite Style(翻訳・文法解説 英語版)
普通体:友達/プライベートスタイル(手引き)・友達会話・友達言葉・る会話・Plain Style(翻訳・文法解説 英語版)

導入:動詞の普通形

◆紹介で使った会話例をもとに、動詞の普通形のルールを導き出す
T:普通形の動詞を勉強しましょう。「帰ります」は「帰る」です。「あります」は「ある」です。これは何ですか。
S:辞書形です。
T:そうです。辞書形と同じです。

かえります → かえる [じしょ]

T:じゃ、「行きません」はなんですか。
S:行かない?
T:そうですね。これは
S:ナイ形ですね。
T:そうです。ナイ形と同じです。
S:先生、「ありません」は「あらない」じゃありません。どうしてですか。
T:「ありません」は特別、スペシャルです。「ありません」は「ない」。これは覚えてください。

かえります → かえる [じしょ]
いきません → いかない [ナイ]
 ※ありません → ない

◆過去形は会話例にないので、Tが適宜例を出して行う。
T:じゃ、「帰りました」。これは、「帰った」です。「あります」は「あった」です。
S:タ形ですね。
T:そうです。

かえります → かえる [じしょ]
いきません → いかない [ナイ]
 ※ありません → ない
かえりました → かえった [タ]

T:じゃあ、「行きませんでした」は…
S1:いきませんった?
S2:いかないった?
T:いかなかった。ナイ形の「いかーー・・・」プラス、なかった、です。
S:じゃ、「かえりませんでした」は「かえらなかった」ですか。
T:そうです。それから、ここでもスペシャルがあります。「ありませんでした」は「なかった」です。

かえります → かえる [じしょ]
いきません → いかない [ナイ]
 ※ありません → ない
かえりました → かえった [タ]
いきませんでした → いかなかった [ナイ+なかった]
 ※ありませんでした → なかった

練習

いきなり練習B-1などを使って文で練習するのは大変なので、まずは形の定着をはかります。

◆FCで変換練習
T:書きます。書く。見ます?
S:見る
T:読みます?
S:読む
T:します?
S:する
T:帰りました?
S:帰った
T:寝ませんでした?
S:寝なかった
(様々な形で繰り返す)

◆文字で確認
文型練習帳』101ページを使うなどして、動詞の普通形を文字で確認する。

練習B-1

◆キューを与えて変換練習
T:毎日彼に電話します。毎日彼に・・・?(続きを言うよう促す)
S:電話する。
T:毎日彼に電話する。(リピート練習)
(1~4を同じように繰り返す)

練習A-2:普通体の文、会話(①動詞)

ずっと形の練習をしていても飽きてしまうので、ここでいったん会話形式の練習を取り入れます。なお、普通体の会話を教える際は、親しさや上下関係が絡んできますので、絵カードを使うなどして第三者2名の会話を見せたほうがわかりやすいです。「教師⇔学生」では関係作りが難しく、「学生⇔学生」だと日本語力不足で十分な練習ができないからです。人物カードやパワーポイントなどで、2人の友達の会話として導入しましょう。

導入:普通体の会話のルール①

普通体の会話にはいくつかルールがありますが、一度に教えると大変なので少しずつ教授します。ここでは、質問の際のイントネーションや「うん/ううん」などをしっかり教授しましょう。また、「?」は日本語の文では使わない、と教えていますが、普通体の会話で疑問文を表記する際は、助詞「か」の代わりに「?」と、上昇調を使う、と教えるとよいです。

「?」+上昇調

T:AさんとBさんが話しています。友達です。(Aの上に「Bさん、毎日勉強しますか」と出す)、Aさんは、Bさんに聞きたいです。友達ですから、毎日…?
S:毎日勉強する・・・するか?
T:はい、普通体で話すとき、「か」を使いません。(「毎日勉強する?」とAの横に吹き出しで書く)毎日勉強する?(↑)(語尾が上昇調になることを示すジェスチャーも加える)
S:毎日勉強する?(↑)
T:いいですね。「か」を使いません。「?」を使います。そして、「する(↓)」じゃありません。「する(↑)」です。

ふつうたいの かいわ
①「~か。」→「?」
「うん」「ううん」

T:Bさんは・・・(Bの上に「はい、毎日勉強します」と出す)
S:はい、毎日勉強する。
T:そうですね、勉強する。でも、「はい」を使いません。「うん」を使います。(「うん、毎日勉強する。」とBの横に吹き出しで書く)うん、毎日勉強する。
S:うん、毎日勉強する。

T:(次はAとCの会話を見せる)AさんはCさんにも聞きます。毎日・・・?
S:毎日勉強する?
T:Cさんは・・・(Cの上に「いいえ、毎日勉強しません」と出す)
S:ううん、毎日勉強しない・・・?
T:そうです。「いいえ」は「ううん」です。(「ううん、毎日勉強しない。」とCの横に吹き出しで書く)ううん、毎日勉強しない。
S:ううん、毎日勉強しない。

ふつうたいの かいわ
②はい → うん
 いいえ → ううん

練習

◆『毎日』と『昨日』で時制を変えて、動詞のFCでキューを出す
T:泳ぎますか、毎日?
S:毎日泳ぐ?
T:掃除しますか、昨日?
S:昨日掃除した?

  • 毎日掃除する?
  • 毎日宿題をする?
  • 毎日洗濯する?
  • 毎日洗濯する?
  • 昨日学校へ来た?
  • 昨日富士山に登った?
  • 先週掃除した?
  • 今年日本へ来た?
  • 去年日本へ来た?

◆ペアになり、Aは下の例文を丁寧体→普通体に変え、Bは答える練習
T:S1さん、(「昨日ジョギングしましたか」を指す)S2さんに聞いてください。
S1:S2さん、昨日ジョギングした?
S2:ううん、昨日ジョギングしなかった。
T:いいですね。でも長いです。「しなかった」でいいですよ。じゃ、S2さん。(「昨日朝ごはんを食べましたか」を指す)S3さんに聞いてください。
S2:S3さん、昨日朝ご飯を食べた?
S3:うん、食べた。
(以下のように、繰り返す)

  • 昨日ジョギングしましたか
  • 昨日朝ごはんを食べましたか
  • 今朝新聞を読みましたか
  • 今朝勉強しましたか
  • 昨日の夜テレビを見ましたか
  • 昨日友達と遊びましたか
  • おととい雨が降りましたか
  • 先週先生に会いましたか
  • 昨日家族に手紙を送りましたか
  • 今日友達と遊びますか
  • 明日傘を持って行きますか
  • 今日は雨が降りますか
  • 日曜日10時に起きますか
  • 昨日お酒を飲みましたか
  • 今晩お酒を飲みますか
  • 先週お酒を飲みましたか

練習B-5

◆例を確認してから、ペアで練習させる

ペアワークのやり方は様々です。まだ文がうまく作れそうにないと感じたら、全体で正しい文を確認してからペアでもう一度練習させてもいいでしょう。また、終わってから教師のキューに続いて全体でリピート練習すると、最後に正しい文を自分の口で練習して終わることができます。特に、4)は疑問詞を使ったオープンクエスチョンのため、しっかり確認したほうがいいです。

練習A-1:丁寧形と普通形(②イ形容詞)

イ形容詞の普通形は「です」をとるだけなので簡単です。ここで時間をかけると学生も疲れてしまいますので、さらっと行きます。ただし、「いい」の否定・過去はしっかりと確認しましょう。また、「~たいです」もイ形容詞と同じ活用であることに言及しておきます。

導入:イ形容詞の普通形

T:イ形容詞の普通形は易しいですよ。「大きいです」は「大きい」。「大きくないです」は「大きくない」。
S:「です」がないですか。
T:そうです。「大きかったです」は?
S:大きかった。
T:「大きくなかったです」は?
S:大きくなかった。
T:そうです。易しいですね。

おおきいです → おおきい
おおきくないです → おおきくない
おおきかったです → おおきかった
おおきくなかったです → おおきくなかった

T:「暑いです」は、暑い、暑くない、暑かった、暑くなかった。じゃ、「いいです」は?
S:いい、いかった、いくない、いくなかった
T:そうですか?
S:ああ、よくない、よかった、よくなかった
T:そうですね。「いいです」はいつもちょっと特別、スペシャルです。

T:それから、「食べたいです」、これもイ形容詞と同じです。ですから・・・?
S:食べたい?
T:そうです。食べたい、たべたく・・・
S:食べたくない、食べたかった、食べたくなかった

練習

できるクラスでは、次の「ナ形容詞・名詞」の導入を終わらせてからまとめて練習してもよいでしょう。クラスのレベルや学生の集中力・疲労度を見ながら進めます。

◆文字で確認
文型練習帳』102ページを使うなどして、動詞の普通形を文字で確認する。

練習B-2

◆キューを与えて変換練習
T:着物は高いです。着物は・・・?(続きを言うよう促す)
S:高い。
T:着物は高い。(リピート練習)
(1~4を同じように繰り返す)

練習A-2:普通体の文、会話(②イ形容詞)

練習

◆ペアになり、Aは下の例文を丁寧体→普通体に変え、Bは答える練習
T:S1さん、(「日本語は難しいですか」を指す)S2さんに聞いてください。
S1:S2さん、日本語は難しい?
S2:うん、難しい。
T:いいですね。じゃ、S2さん。(「日本のおかしはおいしいですか」を指す)S3さんに聞いてください。
S2:S3さん、日本のおかしはおいしい?
S3:うん、おいしい。
(以下のように、繰り返す)

  • 日本語は難しいですか
  • 日本のおかしはおいしいですか
  • 昨日の宿題は難しかったですか
  • 日本料理でなにが一番おいしいですか
  • このクラスでだれが一番背が高いですか
  • 学校は楽しいですか
  • アルバイトは忙しくないです
  • アルバイトは忙しかったですか
  • 日本の物価は安いですか
  • 家は学校から近いですか
  • 日本の夏は暑くなかったですか
  • 今眠いですか
  • 野菜は体にいいですか

導入:普通体の会話のルール②

「こっち/そっち/あっち/どっち」

「こそあど」では、「こちら/そちら/あちら/どちら」のみ普通体があります。ただし、「どちら」は二択を聞く場合のみ「どっち」になり、「夏休みはどちらへ行きますか」「会社はどちらですか」等の「どちら」は「どっち」にはなりません。ここであえて取り上げる必要はありませんが、知識として持っておくとよいでしょう。

T:S1さん、「ここは寒いです」普通体は?
S1:ここは寒い。
T:いいですね。じゃS2さん、「この本は面白いですか」は?
S2:この本は面白い?
T:そうですね。じゃS3さん、「バスと電車とどちらが安いですか」は?
S3:バスと電車とどちらが安い?
T:はい。この「どちら」は、普通体があります。「どっち」です。
S3:バスと電車とどっちが安い?
T:そうです。じゃ、「こちらは暑いです」は?
S:こっちは暑い・・・?
T:そうです。「こちら」は「こっち」、「そちら」は?
S:そっち
T:「あちら」は?
S:あっち

ふつうたいの かいわ
③こちら → こっち
 そちら → そっち
 あちら → あっち
 どちら → どっち

◆キュー出しをして、全体で変換練習
T:「荷物をこちらに置きます」普通体は?
S:荷物をこっちに置く
T:「そちらへ行きます」
S:そっちへ行く
T:「あちらの部屋は寒くないです」
S:あっちの部屋は寒くない
T:「ひらがなとカタカナとどちらが難しいですか」
S:ひらがなとカタカナとどっちが難しい?

ナ形容詞・名詞をまだ導入していない場合は、キュー出しで使わないよう注意しましょう。

◆ペアになり、上述の方法でAは下の例文を丁寧体→普通体に変え、Bは答える練習

  • 日本語と英語とどちらが難しいですか
  • 中国と日本とどちらが大きいですか
  • お茶とジュースとどちらがいいですか
  • 日本とベトナムとどちらが暑いですか
  • AさんとBさんとどちらが背が高いですか

練習B-6

◆例を確認してから、ペアで練習させる

ここでは副詞が出てきますので、忘れていそうな場合は復習しましょう。

練習A-1:丁寧形と普通形(③ナ形容詞・名詞)

ナ形容詞と名詞は同じ活用なので一緒に扱います。なお、「~じゃ」は書き言葉では「~では」ですが、今の段階では「~じゃ」で教授し、聞かれたら話し言葉と書き言葉の違いだと教えましょう。

導入:ナ形容詞・名詞の普通形

T:ナ形容詞と名詞の普通形は同じです。「きれいです」は「きれいだ」、「雨です」は「雨だ」。「きれいじゃありません」は・・・「ありません」の普通形はなんですか。
S:ない
T:そうです。じゃ、「きれいじゃありません」は?
S:きれいじゃない?
T:そうです。「きれいじゃない」「雨じゃない」。「きれいでした」は「きれいだった」、「雨でした」は?
S:雨だった。
T:そうですね。じゃ、「きれいじゃありませんでした」は・・・
S:きれいじゃありません・・・きれいじゃない・・・きれいじゃなかった?
Tそうです。「きれいじゃなかった」「雨じゃなかった」です。

きれいです → きれいだ
きれいじゃありません → きれいじゃない
きれいでした → きれいだった
きれいじゃありませんでした → きれいじゃなかった

あめです → あめだ
あめじゃありません → あめじゃない
あめでした → あめった
あめじゃありませんでした → あめじゃなかった

練習

◆FCで変換練習
T:しずかです。しずかだ。ハンサムです?
S:ハンサムだ
T:いい天気でした?
S:いい天気だった
T:元気じゃありません?
S:元気じゃない
T:暇じゃありませんでした?
S:暇じゃなかった
(様々な形で繰り返す)

◆文字で確認
文型練習帳』102ページを使うなどして、動詞の普通形を文字で確認する。

練習B-3

◆キューを与えて変換練習
T:コンビニは便利です。コンビニは・・・?(続きを言うよう促す)
S:便利だ。
T:コンビニは便利だ。(リピート練習)
(1~4を同じように繰り返す)

練習A-2:普通体の文、会話(③ナ形容詞・名詞)

導入:普通体の会話のルール③

「~だ」の欠落

現在・肯定形「~だ」は、話し言葉において「だ」の欠落があることをしっかり教授しましょう。質問においては必ず、答えでも普通は欠落が見られますので、「会話の時”だ”は使わない」と教えてしまってよいです。

◆AとBの二人の友達同士の会話として見せる
T:AさんとBさんが話しています。友達です。(Aの上に「Bさん、元気ですか」と出す)、Aさんは、Bさんに聞きたいです。どうしますか。
S1:元気だか?
S2:「か」を使いません。元気だ?
T:そうですね。AさんがBさんに聞きます。しつもんします。「か」を使いません。そして、「だ」も使いません。(「げんき?」とAの横に吹き出しで書く)元気?(上昇調を強調)
S:元気?
T:Bさんは答えます。(Bの上に「はい、元気です」と出す)
S:うん、元気だ・・・?
T:そうですね。「元気だ」もいいですが、あまり使いません。(「うん、げんき。」とBの横に吹き出しで書く)うん、元気。
S:うん、元気。

ふつうたいの かいわ
④ナけいようし・めいし
 しつもんします → ~?(げんき?)
 こたえます → ~。(うん、げんき。)

練習

◆ペアになり、Aは下の例文を丁寧体→普通体に変え、Bは答える練習
T:S1さん、(「アルバイトは大変ですか」を指す)S2さんに聞いてください。
S1:S2さん、アルバイトは大変?
S2:うん、大変。
T:いいですね。じゃ、S2さん。(「日本の電車は便利ですか」を指す)S3さんに聞いてください。
S2:S3さん、日本の電車は便利?
S3:うん、便利。
(以下のように、繰り返す)

  • アルバイトは大変ですか
  • 日本の電車は便利ですか
  • 先週は暇でしたか
  • あなたの町はにぎやかでしたか
  • あなたのお母さんが好きですか
  • ~語は簡単ですか
  • 日本語が上手ですか
  • アパートは静かですか
  • きのうの試験は簡単でしたか
  • いい週末でしたか
  • すき焼きは日本の食べ物ですか
  • これは新しいノートですか
  • ~さんはアメリカ人ですか
  • 昨日は雨でしたか
  • 一昨日はアルバイトでしたか

練習B-7

◆例を確認してから、ペアで練習させる

練習A-2:普通体の文、会話(④後続句)

上記の4つの品詞だけでなく、「ことができます・なければなりません」などのふつう形もこれ以降たくさん使うので、しっかり教授します。
例えば、「~でしょう?」という文型の前はふつう形を用いますが、「たことがあります」+「でしょう?」は「たことがあるでしょう?」となります。同様に、「なければなりません」+「と思います」は「なければならないと思います」となります。

導入:後続句の普通形

19課までの様々な文型を忘れていては授業の効果がありませんので、『文型練習帳』98-99ページを使うなどして、今までに勉強した文型を思い出しておきましょう。なお、6課の「~ましょう」の普通形「~(よ)う」(意向形)は31課で扱うため、ここでは扱いません。

普通形を教授する文型
13課:~たいです/たくないです
   ~に行きます/来ます/帰ります
14課:~てください
   ~ています(進行)
15課:~てもいいです
   ~てはいけません
   ~ていますか(結果の状態・習慣)
17課:~ないでください
   ~なければなりません
   ~なくてもいいです
18課:~ことができます/できません
   趣味は~ことです
   ~まえに、~
19課:~たことがあります/ありません
   ~たり、~たりします
   ~く/になりました

◆一つずつ、普通形を確認し、板書していく
T:みなさん、今何をしたいですか。
S1:寝たいです。
T:疲れましたね。はい、「寝たいです」の普通形は?
S1:寝たい
T:S2さんは?
S2:ご飯を食べたい
T:S3さんは?
S3:休みたい
T:そうですか・・・勉強したくないですか。
S4:したくないです。
T:普通形は?
S4:勉強したくない・・・?
T:そうです。「したくないです」は、「ないです」を普通形にします。「勉強したくない」。

 

たいです → ねたい
べんきょうしたくないです → べんきょうしたくない

T:みなさんは、今までいろいろな文法を勉強しました。「~てください」「~なければなりません」「~たことがあります」・・・これも、ぜんぶ普通形があります。

◇13課
T:じゃあ、「食堂にご飯を食べに行きます」。これは、「行きます」だから?
S:食べに行く
T:「日本に勉強に来ました」は?
S:日本に勉強に来た

たいです → ねたい
べんきょうしたくないです → べんきょうしたくない
ごはんをたべにいきます → ごはんをたべにいく
べんきょうにきました → べんきょうにきた

◇14課、15課
T:はい、つぎは「食べてください」。これは、「食べて」。
S:食べて
T:「食べています」は、「います」だから?
S:食べている
T:そうです。じゃ、「Aさんの住所を知っていますか」は?
S:Aさんの住所を知っている?
T:そうですね。「いいえ、知りません」は?
S:ううん、知らない
T:はい。じゃ「食べてもいいです」は?
S:食べてもいい
T:そうですね。じゃ、「食べてはいけません」は?「いけません」・・・
S:食べてはいけない

たべてください → たべ
たべています → たべている
しっていますか → しっている?
 いいえ、しりませんううん、しらない
たべてもいいです → たべてもいい
たべてはいけません → たべてはいけない

◇17課
T:はい。じゃ、「食べないでください」は?「食べてください」が、「食べて」だから・・・
S:食べないで
T:そうです。じゃ、「食べなければなりません」は?「なりません」・・・
S:食べなければならない
T:いいですね。じゃ、「食べなくてもいいです」は?
S:食べなくてもいい

たべないでください → たべないで
たべなければなりません → たべなければならない
たべなくてもいいです → たべなくてもいい

◇18課
T:じゃつぎ。「食べることができます」は?
S:食べることができる
T:「食べることができません」は?
S:食べることができない
T:いいですね。じゃ、「趣味はおいしいものを食べることです」は?「ことです」は名詞です。
S:趣味はおいしいものを食べることだ
T:そうですね。名詞は「だ」です。じゃ、「食べる前に、手を洗います」は?
S:食べる前に、手を洗う

たべることができます → たべることができる
たべることができません → たべることができない
おいしいものをたべることです → おいしいものをたべることだ
たべるまえに、てをあらいます → たべるまえに、てをあら

◇19課
T:いいですね。あと少しです。「食べたことがあります」は?
S:食べたことがある
T:「食べたことがありません」は?
S:食べたことがあら・・・食べたことがない
T:そうですね。「ありません」は特別です。じゃ、「ご飯を食べたり、ビールを飲んだりします」は?
S:ご飯を食べたり、ビールを飲んだりする
T:さいご。「日本語が上手になりました」は?
S:日本語が上手になった!
T:いいですね!

たべたことがあります → たべたことがある
たべたことがありません → たべたことがない
ごはんをたべたり、ビールをのんだりします
 → ごはんをたべたり、ビールをのんだりする
にほんごがじょうずになりました
 →にほんごがじょうずになった

練習

◆キュー出しで口頭練習
T:ジュースが飲みたいです。ジュースが飲みたい。京都へ行きたいです・・・?
S:京都へ行きたい
T:京都へ行ったことがあります
S:京都へ行ったことがある
T:京都へ行かなければなりません
S:京都へ行かなければならない

◆一人ずつ当てる
T:京都へ行かなくてもいいです。S1さん?
S1:京都へ行かなくてもいい
T:学校へ来なくてもいいです。
S2:学校へ来なくてもいい
T:テレビを買ってください。
S3:テレビを買って
T:日本語を教えてください。
S4:日本語を教えて
T:見たことがありません。
S5:見たことがあらない
T:ありません、のふつう形は何ですか。
S:ない
T:そうです。ですから見たことがありませんは?
S5:見たことがない
T:飲みに行きます。
S6:飲みに行く
T:食べに行きます。
S7:食べに行く
同様に、他の動詞も丁寧形→普通形を練習

◆普通形→丁寧形
T:読んだり書いたりする。読んだり書いたりします。書いている・・・?
S:書いています
T:読んでいる
S:読んでいます
T:遊んでいる。S1さん?
S1:遊んでいます
T:買い物したり、食事したりする
S2:買い物したり、食事したりします
同様に、他の動詞も普通形→丁寧形を練習

◆文字で確認
文型練習帳』105ページを使うなどして、動詞の普通形を文字で確認する。

練習B-4

◆キューを与えて変換練習
T:コンビニは便利です。コンビニは・・・?(続きを言うよう促す)
S:便利だ。
T:コンビニは便利だ。(リピート練習)
(1~4を同じように繰り返す)

練習B-8

◆例を確認してから、ペアで練習させる

会話練習

導入:普通体の会話のルール④

~が→~けど

T:普通形の勉強はどうですか。
S:難しいですが面白いです。
T:そうですか。じゃ、「難しいですが面白いです」は普通形で?
S:難しい、が、面白い・・・?
T:そうですね。でも、話すとき、「が」を使いません。「けど」を使います。
S:難しいけど面白い
T:はい、そうです。

ふつうたいの かいわ
⑤「~が、」 → 「~けど、」
イ抜き、助詞の脱落

T:「いま、勉強しています。」普通形は?
S:いま、勉強している。
T:そうですね。でも、勉強してる、もいいです。
S:「い」がありませんか。
T:はい。じゃ、「どこに住んでいますか。」は?
S:どこに住んでる?
T:そうです。それから、「に」も、使わなくてもいいです。
S:どこ住んでる?
T:いいですね。「に」、それから「は」「が」「を」「へ」は、時々、使わなくてもいいです。「ラーメンを食べますか」は?
S:ラーメン、食べる?
T:「これはおいしいです」は?
S:これ、おいしい

 

ふつうたいの かいわ
⑥「~ている」=「~てる」
⑦ときどき、「に」「は」「が」「を」「へ」をつかわなくてもいい
 どこすんでる?
 ラーメンたべる?
 これおいしい。

練習C-1~3

◆今まで勉強したことを総動員し、会話の練習。

やり方は自由ですが、ここまでかなり練習をしていますので、例を確認したらペアに分けて学生に任せて会話させてもよいでしょう。その際も、最後に発表させるなどしてフィードバックを忘れないようにします。

活動:普通体の会話を作ろう

◆ふたたび、「会話DVD」などで20課の会話「いっしょに行かない?」を見せ、2,3人のグループでこれと同じような普通体の会話を作らせる。最後に発表させる。

授業の初めには何を言っているのかわからなかった普通体の会話でしたが、もう一度見て「なんて言っているのかわかる!」となれば授業は成功です。成功体験を積み上げていきましょう。

活動:今度遊ばない?

◆LINEやWeChatなどのチャット画面で話す練習を行う

教師用メモ

格助詞の省略

話し言葉においては、「たばこ買ってきて」のように格助詞の省略がよく見られます。初級の段階で教えますが、注意すべき点があります。というのも、省略できる格助詞はごく一部に限られているからです。

まず、原則として省略できるのは「は」「が」「を」「に/へ」のみです。以下のように、「は」「が」「を」と、場所を表す「に/へ」は省略できます。

  • A:あなた(は)誰? B:私(は)ゆりこ。
  • A:誰(が)行く? B:私(が)行くよ。
  • A:どこ(に/へ)行くの? B:ちょっとスーパー(に/へ)行ってくる。
  • A:今何(を)してる? B:日本語(を)勉強してるとこ。

これらの格助詞がなぜ省略できるのかというと、「私=ゆりこ」なら格助詞は「は」、「日本語+勉強する」なら格助詞は「を」であり、省略されても文の意味に影響がないからです。

一方、「で」や「より」、省略するとほかの助詞と区別ができなくなる「から/まで」「と」、時間や対象を表す「に」、対象を表す「へ」などは、以下の通り省略ができません。

  • ×学校勉強している。(「で」の省略は不可)
  • ×3時勉強する。(「から」なのか「まで」なのか、または「に」なのかわからない)
  • ×彼会う。(「と」なのか「に」なのかわからない)
  • ×XさんはYさん背が高い。(「より」の省略は不可)
  • ×母手紙を書く。(「は」なのか「に/へ」なのかわからない)

どの助詞が省略できてどの助詞が省略できないか、この段階で厳密に教えるのは難しいです。ここでは、普通体の会話を聞いたり見たりしたときに、「あ、助詞が省略されている」ということがわかればよいでしょう。

格助詞の省略についてはこちらでさらに詳しく解説しているので、ご覧ください。

【画像】初級の9つの助詞の用法と教え方
初級(しょきゅう)で勉強する9つの助詞(じょし) 「ごはん を 食べます」「学校 で 勉強します」の「を」「で」などが助詞(じょし Joshi)です。 初級(しょきゅう)で日本語を勉強している人がわかる日本語で書きます。ここではこの9つ...

 

【19課】教案:Vタ形、Vたことがあります、V1たりV2たりします、~く/~になります
『みんなの日本語 初級I 第二版』完全準拠。 導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。 学習項目 練習A 1.Vタ形 2.Vことがあります 3.V1り、V2りします 4.イadj.-くなります...
【21課】教案:~と思います、~と言います、~でしょう?
『みんなの日本語 初級I 第二版』完全準拠。 導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。 学習項目 練習A 1.~と思います(推量) 2.~と思います(意見) 3.~と言いました 4.~でしょう...

コメント

  1. ◆下の例文を丁寧体→普通体に変える練習

    最後の例文
    「先週お酒を飲みますか」⇒「先週お酒を飲みましたか」ですよね?

    • コメントありがとうございます。管理人のカキアゲです。
      該当箇所についてですが、おっしゃる通り、誤って記載していました。大変助かりました。ありがとうございます。また何か誤りがありましたら、教えていただけると幸いです。