48課教案 「使役動詞」 ~ヲ/ニさせます させていただけませんか

教案
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教師用メモ

  1. 「使役」は視点の違い「教わる・教える」「貸す・借りる」などが煩雑な日本語の特徴がよく表れた文型。だれがしたいのか・させたいのか・してもらうのか・させてもらうのか、発話者は誰なのかを意識させながら教える。
  2. 用法で助詞が変わるのではなく、自他動詞で変わる。
  3. 使役の用法は強制許可とある。
  4. 使役受身は初級のみんなの日本語では扱わない。

使役動詞の作り方

変換練習はFC(フラッシュカード)が便利です。以下のリンクを押すと、無料でダウンロードできます。

FCはこちら➔48 FC 使役動詞 「させていただけますか」が自然になるものを抜粋

教案

〈目上の人は〉目下を~させます N4【自動詞―強制】

- 教える際の留意点-

1.元の文の動詞が自動詞の場合、使役文では動作の主体を「を」で示す。

2.使役動詞は全て2グループ。

3.絵カードや口頭での十分な変換練習が終わった後、動詞の「て形」「ない形」「た形」「じしょ形」などの練習も行う。

4.感情を表す自動詞も入れる。これは目上にも使える(〇私は先生を心配させた)
田中さんはいつもみんなを笑わせます(泣く・笑う・心配する・びっくりする・喜ぶ・・・)。

5.授受受身の時のように「<三人称>から<三人称>への行為の移動」は気にしなくてもいい。

◆導入
T:S1さんは子どもがいますか
S1:はい、国にいます
T:大変ですか
S1:はい、でも、とても楽しいです
T:何が大変ですか
S1:いつも私の子どもは家でゲームをします
T:ずっとですか
S1:はい、ずーーーっとです
T:運動した方がいいですね
S1:はい、運動します
T:S1さんが運動しますか
S1:いいえ、子どもが運動します

     子ども   運動します
S1さんは 子ども  運動させます。 

T:運動させます。これは使役です。まずは使役の作り方を練習しましょう。

 

◆FCで使役動詞練習 2グループ→マスの前にサセ 3gV→来させます・させます 1gV→マス前母音あ行+せます

以下、下の画像を見せながら形の説明をする。

T:皆さん、これは?(「働きます」を指して)
S:働かせます
T:これは?(「休みます」を指して)
S:休ませます
T:じゃS1さん、これは?(「行きます」を指して)
S1:行かせます
T:じゃS2さん、これは?(「帰ります」を指して)
S1:帰らせます
・・・

T:他にも、子どもは何をした方がいいですか

「子どもに何をさせたいですか」と聞けたら楽なのですが、当然それは無理です。「何をしてほしいですか」も未習なので無理。そこで私が編み出した使役を言わせるキューの出し方が「子どもは何をした方がいいですか」です。これならば、既習であり、こちらが使役を使わず、学生に使役を言わせることができます。

S:私の子どもは泳げませんから、泳いだ方がいいです
T:私は?
S:私は子どもを泳がせます

私は子どもを泳がせます。

こんな風に自由に学生に質問しながら進めていければ理想なのですが、学習者が「子どもは英語を勉強した方がいいです」と他動詞を言ってくることが多いです。ですので、実際の授業では以下のように、自動詞の絵カードのみを見せて、その中から選ばせると、誤用を訂正する時間もなくなり、さらに学習者が悩む時間も減って授業がスムーズに進みます。

T:(学生の前で「運動する」「泳ぐ」「ピアノ教室へ行く」「外で遊ぶ」などの絵カードを提示する)皆さん、子どもは何をした方がいいと思いますか
S:私の子どもはずっとゲームをします
T:だめですねえ。じゃこれ(外で遊ぶ)をした方がいいですね
S:はい
T:Sさんは子どもに言います。外で遊んで!Sさん、私は・・・?
S:私は子どもを外で遊ばせます

      子ども   外で遊びます
Sさんは 子ども  外で遊ばせます。 

〈目上の人は〉目下に~を~させます 【他動詞―強制/許可】

- 教える際の留意点-

1.自動詞との違いは動作の主体が「を」でなく、「に」になること。

2.自他動詞で変わるのは助詞のみ。

3.動作の主体が
目上の場合:社長に説明 ×させる 〇していただくL41
同等の場合:友達に説明 ×させる 〇してもらうL24

 

導入・練習

◆導入
T:S1さんの子どもは将来何になりますか(「なりたいですか」と聞かないように下のリンクを参照)

JLPT文法解説:がる N4
用法① 接続:Vマスた・A+がる Vます形た・A+がる    V:食べ+たがる    A:嬉し+がる  Na:なし    N:なし 意味・使い方 自分以外の人の感情や欲求を表す言い方。 形容詞には二種類、属性形容詞と感...

S1:ピアノの先生です
T:ピアノが好きですか
S1:はい、私の子どもはピアノが好きです
T:習っていますか
S1:はい
T:私は?習わせます
S:私は子どもをピアノを習わせます

私は子どもをピアノを習わせます。

T:子どもに です

私は子どもにピアノを習わせます。

S:私は子どもにピアノを習わせます

T:「運動します」は自動詞?他動詞?
S:自動詞
T:「習います」は自動詞?他動詞?
S:他動詞

たどうし 私は子ども  運動させます。
じどうし 私は子ども  ピアノを習わせます。

T:皆さんはよく教室でおかしやバナナなどを食べますね
S:はい、食べてもいいですか
T:いいですよ。どうぞ
S:え?
T:え?
S:いいですか
T:はい、どうぞ

先生は学生にごはんを食べさせます。

S:じゃいただきます
T:だめです。これは例文

T:使役は2つ意味があります。「しろ!」と「してもいいですよ」です。

①先生は学生に宿題をさせます。  →しろ!

②先生が学生にトイレへ行かせます。→してもいいですよ

T:皆さんはよく授業中にトイレへ行きますね。それは、私が「行け!」と言いますから?
S:違います。私が行きたいですから
T:そうです。皆さんが「トイレへ行ってもいいですか」と言いますから、私は「いいですよ。どうぞ」とOKします。これは②です。じゃ宿題は?皆さんしたいですか
S:したくないです
T:これは先生が「宿題をしろ」と言いますから、皆さんします。したくないですが、します。先生は学生に宿題をさせます。これは①の「しろ!」です。使役は2つ意味があります。

みんなの日本語第二版では
①自動詞の強制
②他動詞の強制
③自動詞の許可
④他動詞の許可
の順番で教えますが、細かく分けすぎて先生だけでなく、学生にとってもわかりにくいので、教える際は
①自動詞の強制と許可
②他動詞の強制と許可
の順番で教え、強制も許可も混ぜて教えてしまって構いません。途中で「使役には強制と許可があるよ(「しろ!」と「してもいいです」があるよ)と言えば十分です。とりあえず使役が誰かに行動を指示すること、動詞の種類によって助詞が変わることが伝わればいいのです。

 

~させていただけませんか 【丁寧な依頼】

- 教える際の留意点-

1.形に注意:いただきます →『していただけませんか』『していただきました』『していただいたんです』

2.「させるL48・していただくL33・してもらうL24」の違い教授

 

導入・練習

T:私は学生です。授業中に帰りたいです。先生に何と言いますか
S:帰ってもいいですか
T:そうですね。「~てもいいですか」もいいですが、今日はもう一つ新しい言い方を勉強しましょう。「させていただけませんか」、これはもっと丁寧です

L15 帰ってもいいですか。
L48 帰らせていただけませんか。 

T:使役の形は難しいので、もう一度作り方を練習しましょう
と言って、もう一度使役動詞を確認する。その後、使役動詞のて形の変換練習を行う。

余計混乱する可能性もあるので、クラスの出来をよく観察してできそうなら、「てください」「てもいいですか」「ていただけませんか」「させていただけませんか」を並べて提示し、どちらが正しいかを問う問題をやることもあります。かなり間違いが多いので、ここで徹底的にやってしまうのもアリです。

 

新出語

降ろす?下ろす?

「電車を降りる」から、人を扱う場合『降』、物は『下』を用いる。心的なものは『下』だが、地位や役割から退かせる場合は人に対して使うので『降』
・事故車両から人を降ろす ・彼を幹事職から降ろす
・荷物を荷台から下ろす ・肩の荷を下ろす

おかしな使用場面

よく有名人がテレビで結婚報告をしているのを見ます。そして、決まってこう言うのです。

「結婚させていただきます」

勝手にやれば?と思うのは私だけではないでしょう。「させていただきます」というのは相手に許可をもらって何かを行う/行った際に発する言葉です。つまり、あなた達が結婚することを私達は反対も許可もしていないのですから、「させていただきます」の意味を正しく理解した人は「勝手にやれば?」と思わずにはいられないのです。
正しくは、「私達、結婚します」です。

コメント

  1. 中国人です。今日本語の先生をしております。
    とても参考になり、学ばせて頂きました。ありがとうございます。