24課教案 第二回授受 くれます(L7あげもらい復習) てあげ/もらい/くれます

教師用メモ

  1. 授受表現は三回
    L7  「Nをアゲモライ」のみ (上下ウチソトは省)
    L24 「L7」+「Nをクレル」+「Vテアゲモラクレ」(上下ウチソトは省※例外文あり)
    L41 「L24に上下ウチソトを加えたもの」
  2. 贈り物として縁起が悪い時計
    中国では掛け/置き時計は贈り物として縁起が悪い。中国人onlyのクラスなら止めた方がいいかもしれないが、あえて提出し、日本は(当たり前だが)気にしないことを教える事もできる。ちなみに、腕時計なら問題ないらしい
  3. テモラとテクレは言ってる事は同じで、主語が違うだけ(助詞の変化や視点・話者の発話の意図は違うので注意)
  4. 学生はこの文型をなかなか使わない。これがどれだけありがたい文型かをしっかり説明する。例えば「友達が薬を買いました」といえばいいじゃないか!とSは思うかもしれないが、それだと感謝の気持ちが出ない
  5. 上下ウチソトの待遇表現は扱わないので、課を通して「社長」「店長」「先生」などを主語にしないように
  6. テアゲ・テクレの授ける意味には人称の制限があるが、受けるテモラにはない。しかし、これには例外があり、またその中でも例外があるので、よく調べておくこと
  7. て形はしばらくぶりなので、FCでよく練習すること
  8. 視点や主語の話ができれば楽なのだが、そうもいかないので、PCなどで理解を図ること
    ※1.上下(先生に)ウチソト(私の娘に)は扱わないが、やはり練習中に出てくることはある。最初に「その使い方は今日しない。今日は友達と自分との授受だけだから言わないでね」と言っておいても構わない。さらに、そんなときのために、「あえて」最初に先生を出し、「これを使うとイタダキマスというまた違った言葉になるから、今日はこの言葉だけを使おうね」と言ってしまっても構わないし、誤用訂正の手間も減る。
    ※2.教科書L24では「●三人称は三人称に~」は扱ってない。●の文は絶対に提出しないように!だらだらと長文になったが、まとめると
    ①L24内での先生や社長の人称名詞は用いない「私は先生にお菓子をもらった(←提出しない)
    ②「●三人称は三人称に~(彼は田中さんにお菓子をあげた)」は授業内では提出しない。副教材にあるものは、添削後質問があればそのSにだけ解説
    ③TはL24内で行われる授受行為に絶対に加わらないこと
    この3点を守ればSの学習、Tの教授、両面で問題が生じることはなくなる

教案

人は私にNをくれます

1.
【話し手→他の人】物を与える場合はL7アゲマス
【他の人→話し手】クレマス ※アゲマスを使うと、自分を高めることになるので使わない

2.クレマスの受け手は話し手だけでなく、話し手の身内も可能だが、この課では話し手を中心にした練習となっている。

3.最近学生に実際に何かもらっているなら、それを使う


導入・練習

◆まずはSSで授受を交わさせ、L7あげます・もらいます復習
※TはL24内で行われる授受行為に絶対に加わらないこと
T:S1さん、このペン(S1の持ち物)をS2さんに。どうぞ
S1:どうぞ
S2:ありがとう
T:S1さん、私は?
S1:私はS2さんにペンをあげました(正確には貸しているのだが、目を瞑る)
T:S2さん、私は?
S2:私はS1さんにペンをもらいました
ここで一度板書し、L7を復習していること、既習であることを確認
T:じゃ、S2さん、S1・さ・ん・は?
S2:S1さんは???
T:S1さんは私にペンをく・れ・ま・し・た。です

◆念のためもう二回ぐらいSSで授受を行わせ、その後に適切なPCや人物カードを用いて視点の違いを述べる。
クラスのレベル、雰囲気にもよるが、ど頭で視点の話をされても理解不能なクラスもあるので、難しい説明は後回し、クレマスを入れる「だけ」入れて、さっさと練習し、次の「人がクレマス」と進めてしまってもいい(視点の話は忘れないようにすること)

◆クレマスの基本的な形を入れ、導入
友達は私にワインをくれました
↑ここに「私」は絶対ダメ

◆「もらう・くれる」を一枚のPCで言わせる
私はイーさんにプレゼントをもらいました
イーさんは私にプレゼントをくれました

人がくれます  「私に」の省略

1.導入段階では「~さんは私に~をくれました」の形で文型の定着を図るが、実際の会話ではワタシニと言わなくてもわかる。それはなぜか。『クレルの向かう先が100%私(側)』だから。アゲルモラウは向かう先が私の場合も田中、彼、先生の場合もある。だから多くは向かう先を述べる必要がある

2.テクレマスでも言及するがクレマスの向かう先は必ず自分側ということを文を用いて示す
Aさんが写真を見せました(誰に見せたかわからない)
Aさんが写真を見せてくれました(誰に見せたかわかる)

3.質問のときの助詞が二→ガで面倒。

4.以下、授受まとめ。


導入・練習

◆Sの誕生日が書かれたリストを作って、誕生日を板書→そのSに発話させる。まずはTの誕生日→Sの誕生日でやる
T:私は誕生日に色々な物をもらいました。
これは父の時計です。父がくれました
これはイギリスの靴です。母がくれました
これはシャネルのシャツです。友達がくれました
T:今日は・・・S1さんの誕生日ですね。誕生日に何をもらいましたか
S1:私は父に時計をもらいました
T:私は父に。父は?
S1:父は私に時計をくれました
T:父が

◆学生同士で物を授受させ、Tが「あげもらくれます」をcue、

Aすてきなかばんですね Bありがとうございます。大学に入ったとき、姉がくれました
◆物を指し、人の名前を与え文作させる
T:S1さん、いい時計ですね。だれがくれましたか。父
S1:父がくれました

◆↓で定着したか確認
①私は Aに プレゼントを あげます  私 → A
②私は Aに プレゼントを もらいます 私 ← A
③Aは 私に プレゼントを くれます  A → 私
②=③

私は 人に Nを Vてもらいました

1.話し手のために他の人が好意をもって行ったことを、話し手の側から述べるときに用いる
2.「~に(Vて)もらいます」の「に」と「から」の使い分け
「Nをもらう」はニ・カラ両方いいことが多いが、「Vてもらう」はニが多い。とにかく、ニだけを使えば間違えることはない!

場所の動詞で「学校で待ってもら」を入れるかどうかはクラスのレベル次第
★PC各動詞


導入・練習

T:昨日私は引っ越しました。荷物がたくさんありましたから、

私は父に お金を送って/自転車を直して/先生に作文を直して もらいました

★LCて形
貸す・教える・読む・説明する・食べる・手伝う・撮る・洗う・入れる・直す・予約する・開ける・持つ・作る・電話する・紹介する・案内する・運転する

◆タイミングはいつでもいいが、★動詞PCを見せていき『Vテ+てもらいました』が〇か×かを説明する
〇:洗濯 運転 歌う 弾く 掃除する 換える 電話する 教える 買う 宿題する 書く ダンス
×:着ます 薬を飲む スキー/ジョギングをする

教科書ではテクレもあるが、それはせず、テモラだけ

A誰に日本語を教えてもらいましたか Bおきさんに教えてもらいました (「~先生に教えてもらいました」は上下が生まれるので省いてある)

A一人で来ましたか Bいいえ。田中さんに連れて来てもらいました

人は 私に Nを Vてくれました

1.テモライとほとんど同じ意味で使うこともあるが、テクレの方が相手が自分から進んで恩恵を与える行為をした感じが出る。
その違いがよく出る文↓
友達に薬を買ってもらいました:私が頼んだ
友達は薬を買ってくれました:頼んでない。友達が自発的に買った

2.これまで主語はワタシだったが、ここで三人称に変わる

3.友達は私( )送ってくれましたという文で、( )がニにならないように注意。動詞が何を取るかに着目させる。これをわからせる文を提示する
友達は私( ) 駅まで送ってくれました
友達は手紙( )送ってくれました
母は私( )手伝ってくれました
母は掃除( )手伝ってくれました

4.諸注意
Aさんが写真を見せました(誰に見せたかわからない)
Aさんが写真を見せてくれました(誰に見せたかわかる)
質問のときの助詞が二→ガで面倒。A5ぐらいの小さな配で要確認


導入・練習

「てもらいます」と同じ状況を与え、文を作らせる

会話にTは出てこないように!S同士で、状況を与え、発話を促す
S1:あー、雨が降っていますね。私は★傘を持っています
S2:傘を貸してください

一枚の絵で2文を言わせる
私は佐藤さんに傘を貸してもらいました 佐藤さんは私に傘を貸してくれました

「わたしに/を」を省略した答え方
↑の文から全て「私」をとって練習 →「~時、~てくれました」↓
病気の時、友達が料理を作ってくれました
子供の時、父はよく遊んでくれましたか

私は 人に Nを Vてあげました  N4

1.目上などには使わない。自分の親切な気持ちを強調するようで失礼。同時に「見たいですか」もダメだと教授
・先生、私の家族の写真を見せてあげます/見たいですか

2.物の移動(私は彼に本を貸してあげました)と、行為の移動(私は彼にピアノを弾いてあげました)両方提示する

3.まだ「私は彼を案内し~(人を対象にするV)」「私は彼の荷物を持っ~(所有物は最後に)」などの助詞の難しいものは提出しない。

4.余裕があるなら、「私は彼を送ってあげました」も教えるが、この「私は【手紙】を送ってあげました」と「私は【彼】を送ってあげました」の《物と人の対象が違うが助詞が同じ》というのはかなり面倒なので、テクレまで伏せておくのが賢明
※「と」:先生が私と京都へ行ってくださいました
絶対に提出しないが、参考までに。他にもいろいろあるが、ここではニノヲ限定で


↑板書は次のテモラで使うので消さない

導入・練習

◆SSでドウゾアリガトウを言わせ、それを取り上げて感謝を示す
S2:S1さんはおなかが空きましたか。じゃごはんを買ってあげます。どうぞ
S1:ありがとうございます
T:S1さんはアリガトウと言いました

◆上で物をもらって感謝を示した。次は物ではなく、行為で。事前に寿司が嫌いな子を見つけておき、その子の机に★寿司を置いておく
T:S2さんは寿司が好きですか。そうですね。嫌いですね。じゃ、S1さん、食べてください
(↑寿司はS→Tで移動しているが、行為はT→Sである事をGで示す)

◆顔写真を使い、感謝を示す
T:私と山田先生は友達です。山田先生はお金が全然ありません。ごはんを買うことが?
S:できません
T:私はごはんを買いました。私は山田先生にごはんを買ってあげました。
(山田先生が感謝するG。ごはんとハートの2つがカキ→山田先生に行くところを見せる)


T:今日は山田先生は休みです。山田先生は風邪です。独身です。寂しいですから、私は
S:私は山田先生に電話をかけてあげます
私は薬を買ってあげます

★FCて形
貸す・教える・読む・説明する・作る・電話する・歌う・見せる・売る・買う
取ります・持ってきます・持って行く・持ちます・作ります・書く・コピーする

◆「てあげる」をLCで練習
私はおじいさんに道を教えてあげました

授業記録

「あげる」「もらう」に比べ、「くれる」は習得しにくい。

クレルはウチソトが関係する(ヤルはL41で上下の関係)ので、例文に気をつけなければならない。
①鈴木さんが山田さんに本をくれました。
②鈴木さんが私に本をくれました。
③先生が学生に本をくれました。
④太郎は次郎に本をくれました。
①③④はアゲルとクレルの違いがわからないので、一番インパクトのある導入では必ず②のような文を用いる事

〇あげよう 〇もらおう ×くれよう

上の3つからもわかる通り、クレルには意志性がない(というか動作主が自分ではない)。
〇あげたい
〇もらいたい
×くれたい
も同様だ

考察

もらってくれる?

ここでは絶対に教えないが、これはどういう意味なのか。
日本人は物をあげるとき、しばしば「これ、あげる」ではなく、「これ、もらって」と言う事がある。どちらも相手にもらうよう要求しているのだが、これにさらにクレルを付け加えた「これ、もらってくれる?」は、受領の要求ではなく、もらうかどうかの判断を相手に任せているのだ。「してください」の代わりに、「していただけませんか(L26)」と言うのも同様である。さらに、このテクレル?には「あなたがこれを受け取ったら私は嬉しい」という気持ちをも表していることはこのL24で学んだ通りだ。

してくれる?

・指示:上から下
・お願い:下から上、または同等の人に対して
「ねえ、ちょっと手伝って」
「ねえ、ちょっと手伝ってくれる?」
下の方がやわらかく聞こえるのは、クレルが左の指示のニュアンスを打ち消し、お願いというやわらかい響きにしているからだ。
〇ねえ、ちょっと手伝ってよ
×ねえ、ちょっと手伝ってくれるよ?
終助詞ヨは、相手が知らない事柄を伝える働きがある。つまり、指示である上の文には接続し得るが、下の文は不可なのだ。

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