41課教案 第三回授受 いただく くださる やる

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教師用メモ

授受表現は三回

L7  「Nをアゲモライ」のみ (上下関係とウチソト関係は省く)
L24 「L7」+「Nをクレル」+「Vテアゲモラクレ」(上下ウチソトは省く※例外文あり)
L41 「L24に上下ウチソトを加えたもの」
ウチソトの概念は今までもあったが、特段触れたり説明したりはしなかった。この課でちゃんと教えるのがはじめてとなる。

使い回し注意

L7とL24で使った教材がそのまま使えそうだが、L41は上下ウチソトの関係が絡むので、全部は使えないことに注意。

教案

◆復習
L7「もらいます」を復習する。L7とL24では目上に対する用法は扱っていなかった

T:昨日私の誕生日パーティーをしました。

私は 友達に 本を もらいました。

T:S1さんは誕生に何をもらいましたか
S1:私は友達にゲームをもらいました
T:S2さんは?
S2:私は母にお金をもらいました
(学生の誕生日で、何をもらったかを聞く)

 

◆既習の「人の身分」の語彙を確認(家族呼称・役職名)
目上:社長・先生・店長
目上じゃない:友達・彼女・彼氏・同僚・親・子ども・弟・妹・息子
(↑の語彙は図にして矢印で関係を示すとわかりやすい)

準備が整ったら「いただきます」導入スタート。

私は〈目上の人〉にNをいただきます N5 【下←上の授受】

- 教える際の留意点-

L7では「人にもらう」での人の部分に目上はこなかった。ここではようやく目上から物をもらう表現ができる。L7ではやりにくかった教師から学生への物の授受導入ができる!

導入・練習

◆導入。誕生日の雑談の流れで↓
T:私は友達に本をもらいました。

私は 友達に 本を もらいました。

T:私は〇〇先生(校長など)にこれ(時計)を?
S:もらいました
T:いただきました

 

私は 友達に 本を  もらいました
私は 校長先生に 時計を いただきました

(人が変わって「もらいました」➔「いただきました」になったことがわかるように板書する)

 

◆QA練習
T:目上の人、先生、店長、先輩、誰でもいいです、目上の人に何をもらいましたか
S1:〇〇をいただきました
T:誰に?
S1:先輩
T:全部お願いします
S1:先輩に〇〇をいただきました
T:じゃS2さんは?

◆「もらったんです」「いただいたんです」を言わせる
T:これを見てください(「いい帽子・友達」と書かれた文字カードを見せる)。いい帽子ですね、友達?
S:ええ、友達にもらいました
T:もらいました、んです、もらったんです。ええ、友達にもらったんです
S:ええ、友達にもらったんです
T:S1さん、S2さんに、どうぞ(と言って「かばん・先生」と書かれた文字カードを見せる)
S1:S2さん、いいかばんですね
S2:ええ、先生にいただいたんです
(人称名詞によって「もらう」か「いただく」を使い分けながら練習させる)

他例文

昨日先生に宿題をいただきましたが、なくしてしまいました。
私はよく店長にたばこをいただきます。
このカメラは店長にいただいた物です。
すみません、昨日休んだので、昨日のプリントをいただきたいんですが……。
A:素敵な時計ですね。 B:ええ、社長にいただいたんです。
※誕生日に何を×いただきました〇もらいましたか。
※友達/母に消しゴムを×いただきました〇もらいました。

〈目上の人〉が私にNをくださいました N5 【下←上の授受】

- 教える際の留意点-

1.じしょ形は1グループ動詞のルールだと「くださう」になるが、「くださる」が正しい形。

買います
 →買う
くださいます
 →×くださう
 →〇くださる

2.もし学生が質問してきたり、突然言ってしまったら教える程度でいいが、「くれる」同様、「くださいます」と「たいです」は一緒に使えないことに注意する。なぜなら、「くれる/くださる」には意志性がないから

すみません、昨日休んだので、プリントを〇いただき×くださりたいんですが……。

24課の教材を使って、「くれます」復習

T:これは誰ですか(先生と母親のツーショット写真を見せる)
S:先生です
T:そうです。これは?
S:先生のお母さん?
T:そうです。私の誕生日の時の写真です。母は私に時計をくれました。S1さんは?誕生日
S1:母は私にかばんをくれました

導入・練習

T:じゃこれは?(先生と母親のツーショット写真の母親の顔を校長に変える)
S:校長先生です
T:校長先生は?

校長先生は私に時計をくれました。
T:くれました?いいですか
S:だめです。くださいました
校長先生は私に時計をくださいました。

先生は 私に 時計を くださいます
友達は 私に 時計を くれます
弟 は 私に 時計を くれます

 

24課で作った教材の人物を先生と学生、店長と学生などに変えるだけで教材作成の手間がかなり軽くなります。24課との比較もしやすく、理解を促す効果もあるのでおすすめです。

◆誰にもらったかで、「くれたんです」「くださったんです」を使い分ける

T:S1さん、きれいなハンカチですね
S1:ええ、友達がくれました
T:くれました、んです、は?
S1:くれたんです
T:そうです。友達がくれたんです。じゃ、先生が?
S1:先生がくださったんです
T:じゃ皆さん、これは?(「父」と書かれた文字カードを見せる)
S:父がくれたんです
T:じゃ皆さん、これは?(「店長」と書かれた文字カードを見せる)
S:店長がくださったんです

◆質問のしかたに注意

T:質問はどうやってしますか。(「?・先生」と書かれた文字カードを見せる)
S:誰がくださったんですか。 店長がくださったんです。
T:違います。誰がくれたんですか。です
S:でも、店長ですから
T:質問する時はまだ店長か先生か友達か母かわかりません。まだ上か下かわからないので、「誰がくれたんですか」だけを使います

他例文
店長はよくたばこをくださいます。
このライターは店長がくださった物です。
社長がおいしいお菓子をくださいました。

私は〈目下の人〉にNをやりました N5 【上→下の授受】

- 教える際の留意点-

1.この「やります」について「最近少しこれをぞんざいな響きを持つと感じる人が増えてきている」と書いてある参考書もあるが、2021年時点ではもはや少しではなく、かなりぞんざいに感じる人が多くなっている。犬や植物であっても「あげる」を使うことは大変多い。特に若い人にその傾向が強い。
平成27年度「国語に関する世論調査」の結果

導入・練習

◆絵などを使って簡単に1分程度7課の「あげます」を復習する。

◆「やります」導入。犬や子ども、花を絵カードで準備しておき、絵を見せて文作させる。

T:(先生が犬にエサをやっている写真を見せる)これは私の犬です。
S:かわいいです
T:かわいいですね。これは何ですか
S:エサです
T:そう。私は犬に?何をしていますか
S:エサをあげます
T:そうですね。「あげます」もいいですが、「やります」、これも使います

私は犬にえさをやります。

S:「あげます」と「やります」は何が違いますか
T:「やります」はあまり丁寧じゃありません。ですから、よく動物や花に使います
S:例えば何ですか
T:例えば、私は猫にミルクをやります、花に?
S:水?
T:花に水をやります

私は猫にミルクをやります。
私は花に水をやります。

S:でも犬も猫も家族です。失礼です
T:そうなんです。今の若い人は特にその考え方の人が多いです。でもおじいさんやおばあさんはまだ「やります」を使う人が多いです。ですから、聞いた時にわかるように、練習しましょう。

◆物や人だけを変えて練習

T:(「弟に本をやりました」の絵カードを見せる)、弟にやりました、じゃこれは?(弟を猫に、本を魚に変える)
S:猫に魚をやりました
T:じゃこれは?(「毎日」を入れる)
S:いつも猫に魚をやっています

〈目上の人〉にVテ+ていただきます N4 【下←上の行為授受】

- 教える際の留意点-

電話をかけて・車を修理して・意見を言って・電話番号を調べて・ギターを弾いて・ごみを捨てて・荷物を持って・荷物を持って行って・お金を払って・タクシーを呼んで・

1.助詞「Nに・へ・を・の」など面倒なのは次で入れる。ここではまだ導入ということで、「Nを」に限って練習

導入・練習

T:私はこの間、中国人の友達に中国語を教えてもらいました(板書しながら話す)

友達に中国語を教えてもらいました。

S:どうでしたか
T:中国人だから中国語を簡単に教えられると思いましたが、全然わかりませんでした。ですから、お金を払ってプロにお願いしました。チョウ先生です。とても分かりやすくて、素晴らしい先生でした(板書しながら話す)

友達に中国語を教えてもらいました。
先生に中国語を教えて    ました。

T:ここは?(下線を指して)
S:教えていただきました
T:どうして?
S:友達じゃありませんから。先生です
T:そうですね。目上の人は「ていただきました」を使います

T:この中国語の本はチョウ先生に・・・(と言ってジェスチャーでチョウ先生から自分に本が譲渡されたことを表す)
S:チョウ先生にいただきました
T:これ、本は物です。「教えます」は物ですか
S:物じゃありません
T:物じゃない時、目上の人の時、動詞の時、「ていただきます」を使います

◆人を「先生」や「友達」に変えて練習

T:私は先生に?(「教える」の絵カードを見せる)
S:先生に教えていただきます
T:私は友達に?(「教える」の絵カードを見せる)
S:友達に教えてもらいます
T:私は祖母に?(「教える」の絵カードを見せる)
S:祖母に教えていただきます
T:祖母に?
S:祖母に教えてもらいます
T:店長に?(「送る」の絵カードを見せる)
S:店長に送っていただきます

Vテ+てくださいます N4 【下←上の行為授受】

- 教える際の留意点-

1.「先生は私にエアコンをつけてくださいました」は非文である。例文の取捨選択には気を遣わないと授業中に慌ててしまうので、しっかり準備していかないと難しいところ。

2.教える順は、「を」が紛らわしいので最後に提出した方がいい。
①「に」:先生が私に本を送ってくださいました
「人に物を」・・・見せます・送ります

②「の」:先生が(私の)論文を見てくださいました(私のは省くことができる)
「人に代わって」「人のために」・・・洗濯する・掃除する

③「を」:先生が私を家へ/パーティーに招待してくださいました
「人を場所へ/イベント・人に」・・・連れて行く・紹介する

④「電気をつける・窓を開ける・調べる」などは上の「にのを」に当てはまらないもの。提出しないように!

※「と」:先生が私と京都へ行ってくださいました
絶対に提出しないが、参考までに。他にもいろいろあるが、ここでは「私に」と「私の」と「私を」のみ扱う。

※「案内する」は教科書では「Pを案内する」で教えているため、ややこしい。「人を」とも言えるので、これは提出しない方がいい。

◆「私」導入

T:チョウ先生は素晴らしい中国語の先生です。じゃ、素晴らしい日本語の先生はだれですか
S:カキアゲ先生です
T:誰が日本語を教えていますか
S:カキアゲ先生です
T:どうぞ(と言ってホワイトボードを指さす)

先生は私             
S:先生は私に日本語を教えてくださいます
T:そうですね。先生は目上ですから、「くれます」じゃなくて、「くださいます」
先生は私日本語を教えてくださいます。
他例文
私に歌を歌ってくださいました。
私にペンを貸してくださいました。
 
◆「私」導入
 

T:あ、S1さん、ごみ/かばん/上着/消しゴムが落ちていますよ
S1:あ、先生、ありがとうございます
T:いいえ。じゃこれを言ってください。先生は?

先生は

S1:先生は私に消しゴムを拾ってくださいました
T:違います。「私に」じゃありません。「私の」です

先生は私消しゴムを拾ってくださいました。

T:(板書の「消しゴム」を「作文」に変える)これは?
S:先生は私の作文を直してくださいました

先生は私作文を直してくださいました。
◆「私」導入
 

T:私は車を持っていませんから、チョウ先生にお願いしました。「すみません、車がありますか。駅までお願いします」。先生は「いいですよ」と言いました。先生は私?(チョウ先生がカキアゲ先生を車で送る写真を見せる)
S:先生は私を駅まで送ってくださいました。

先生は私駅まで送ってくださいました。
T:でもはじめての駅ですから、わかりません。チョウ先生は私を連れていきました(改札の絵カードを見せて、改札という未習語を入れる)
S:先生は私を改札までつれていってくださいました。
先生は私改札までつれていってくださいました。
T:中国語をもっと勉強したいです。チョウ先生は中国人とパーティーをします。チョウ先生は?
S:先生は私をパーティーに招待してくださいました。
先生は私(パーティーに)招待してくださいました。

「私をパーティーに」でいいのですが、助詞が増えて混乱するので、無理に「パーティーに」の部分は入れなくもて大丈夫です。

T:チョウ先生の家がわかりません。チョウ先生はタクシー?
S:先生はタクシーを呼んでくださいました。
先生はタクシー呼んでくださいました。

ここまで「私を」と私をとっていて、恐らく学習者の中でも「そうか、『を』は『私』だけなんだ!」とルールができていると思います。その理解で留めておき、ひとまず混乱を避けるためここで終わっても大丈夫です。実際、他に『を』をとる動詞はこの時点ではあまりありません。しかし、もちろん「『を』は『私』だけ」ではないので、理解力のある学習者にはこの「タクシーを」の例文を教えましょう。

◆「私に/の/を」混交練習
T:(絵カードを見せる)私?
S:私に日本語を教えてくださいました
T:(絵カードを見せる)私?
S:私の服を洗濯してくださいました

S:先生、私に、私の、私を、わかりません。難しいです
T:大丈夫です。ここは言わなくてもいいです

店長は私に 日本語を教えてくださいました。
(↑「店長は私に」の部分を消す)

S:でもそれはだれかわかりません
T:わかります。「くれます」は24課で100%私、と説明しました。「くださいます」も同じです。ですから、「私」を言わなくてもいいです。でも、店長は言わなければなりません。私に、私の、私を、わからない時、言わなくてもいいです。そして、「店長は」は「店長が」になります

店長日本語を教えてくださいました。

ここはかなり大事なところです。そして、この「私に/の/を」問題は最後に出すのがミソです。学習者が使い分けに辟易しているところにこの万能のルールを出すことで、学生の曇った顔に一筋の光を差してあげましょう。

Vテ+てやります N4 【上→下の行為授受】

- 教える際の留意点-

1.上の「やります」でも書いたが、文法的には正しいが、聞くと気分が悪くなるような文がある。例えば「私(先生)はS1に日本語を教えてやります」という文がまさにそれである。もちろん学習者にその気持ち悪さは感じられない。しかし、「わからないから教えてもいい」ではなく、「あ、これ聞いた/見たことある。先生が言ってたから正しい、問題のない文なんだ」という感覚を持たせないためにも、例文を作らせる際は気を付けないといけない。

導入・練習

T:これは私の猫です(猫と遊んでいる写真を見せる)。私は?
S:私は猫と遊んでやります

私は猫と遊んでやります。

「てあげます」もそうですが、この文法項目は外国人にとって理解に苦しむところです。実際に「『てあげる』って言わなくてもいいよね?なぜ日本人はこんな無駄なものを付けて文を長くするんだ?しかも『てやる』なんて上から目線で不快じゃないか!」と問いただされたこともあります。詳しい説明、それをいつ言うかという状況を説明しましょう。

T:ここはペットのエサを買う店です。私は?
S:私は猫のエサを買ってやります

私は猫のエサを買ってやります。
T:猫が病気になりました。私は?
S:猫を病院へつれていってやりました
私は猫を病院へつれていってやりました。
 

◆疑問詞付き練習「Vテいただく・くださる・やる」混交
Q:いつワット先生に英語を教えてもらいましたか
A:おととし教えていただきました

Vテ+てくださいませんか N5

- 教える際の留意点-

1.お願いの形4種
家族・友達:道を教え
家族・友達:道を教えて ください
先生・店長・知らない人:道を教えて いただけませんか
先生・店長・知らない人:道を教えて てくださいませんか

導入・練習

◆導入

T:今からテストです。S1さん、ペンを持っていますか
S:すみません、ペンを貸してください
T:皆さんはよく先生にペンを貸してください、貸してくださいと言います。もちろんそれもいいですが、貸してくださいませんか、ももっといいです

ていねい
ペンを貸してください。

もっとていねい
ペンを貸してくださいませんか。

◆先生と学習者が一緒に居酒屋へ行くという設定で話す

T:ここは店です。お酒を飲みましょう。S1さんは財布を忘れました。先生に何と言いますか
S1:お金を払ってくださいませんか
T:じゃS2さんに何といいますか
S1:お金を払ってください?
T:そうです。S2さんに「てくださいませんか」は丁寧過ぎます

全3回あり、今回で最後となる授受ですが、なかなか定着は難しいです。上級の学習者でたまに使っているのを見かける程度です。41課以降の例文などにこっそりまぎれさせて少しずつ定着を図るよいでしょう。

新出語

  • お祝い/お見舞い・・・~をします、~をあげます、の形で扱う
  • 興味:物/事/人に~があります(「趣味L18」との混同が多い)
    何(①)興味(②)ありますか。 ①=〇に ×か
    何(①)趣味(②)ありますか。 ①=×に 〇か
  • かわいい:今では解釈が拡大してしまっているが、教科書では「子ども・ペット」にのみ使っている

考察

「くれてやる」
はどういう意味なのか。もちろん、日本人ならばわかる。しかし、説明できるか、と言われれば難しいのではないだろうか。まずは、授受表現3種をVテと繋げ、一覧にしてみる。
×あげてやる
×あげてくれる
×あげてあげる
〇やってあげるA→B
〇やってくれるA←B
〇やってやるA→B
×くれてあげる
〇くれてやるA→B
×くれてくれる

一覧からわかることは、「あげてやる」が×で、「やってやる」が〇である違和感①。さらに、「やって~」が全部〇であるのも違和感②がある。
違和感①②もこれで説明できる。
【「やる」が「する(do)」の意味を持ってるから】
「あげる・くれる」には「give」の意味しかないが、「やる」は2つの意味がある。
では、本題に戻って「くれてやる」である。

つまり!
〇やってあげるA→B
〇やってくれるA←B
〇やってやるA→B
やる=するなので、本則通り。何の問題もない
〇くれてやるA→B
実はこれ、静岡の方言らしい。意味はアゲル。ややぞんざいに聞こえるが、静岡では普通。静岡以外では役割語として使われ、日常では使われない。

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