「ずにはいられない」「ないではいられない」【N2】
用法
≪接続≫
Vナイ形+ずには/ないではいられない┃以下接続例
V:いわない+ずにはいられない(※する→せずにはいられない)
:いわない+ないではいられない
A:なし
Na:なし
N:なし
≪意味・使い方≫
Xずにはいられない
- Xしないことが我慢できない <can’t help but X>
- 身体的に我慢できないことや、話者の「~したい」という気持ちが抑えられないときに使う
- 主観的な気持ちを表現する文型なので、他人に使うときは「ようだ」や「らしい」を付ける必要がある
- 「Xずにはいられない」も「Xないではいられない」も、意味は同じ
例文
一人暮らしの娘の事を考えると、心配せずにはいられない。 (I can’t help but worry when I think about my daughter living alone.)
彼の笑顔を見て、こちらも微笑まずにはいられない。 (Seeing his smile, I can’t help but smile as well.)
美しい景色を見て、感嘆の声を出さずにはいられない。 (Looking at the beautiful scenery, I can’t help but exclaim in admiration.)
音楽が流れると、リズムに合わせて踊らずにはいられない。 (When music plays, I can’t help but dance to the rhythm.)
好きな人との再会を喜んで、抱きしめずにはいられなかった。 (I couldn’t help but embrace and be overjoyed at the reunion with my beloved.)
悲しい映画を見て、涙を流さずにはいられない。 (Watching a sad movie, I can’t help but shed tears.)
可愛い子犬を見ると、触らずにはいられない。 (Seeing an adorable puppy, I can’t help but touch it.)
緊張感のある瞬間に立ち会って、心臓がドキドキせずにはいられなかった。 (Witnessing a tense moment, my heart couldn’t help but race.)
彼女は甘党で、毎日ケーキを食べずにはいられないらしい。 (She has a sweet tooth and can’t resist eating cake every day.)
楽しいイベントに参加したら、笑顔にならないではいられない。 (Attending a fun event, it’s impossible not to smile.)
美味しい料理を前にして、食べないではいられない。 (Faced with delicious food, I can’t resist eating it.)
彼の成功を聞いて、拍手しないではいられなかった。 (Upon hearing about his success, I couldn’t help but applaud.)
驚きのニュースを聞いて、声を上げないではいられなかった。 (Upon hearing surprising news, I couldn’t help but gasp.)
難しい問題が解けたときには、喜びを感じないではいられない。 (When solving a difficult problem, I can’t help but feel joy.)
素晴らしい演技に感動して、拍手を送らないではいられなかった。 (Moved by a wonderful performance, I couldn’t help but applaud.)
類似文型とその違い
「ずにはおかない」「ないではおかない」【N1】
「ずにはすまない」「ないではすまない」【N1】
「ずにはいられない」「ないではいられない」も含め、これらは全て「必ずする、しないことができない」といった意味になりますが、使える状況や文脈が少し違います。
まず、「ずには/ないではいられない」は、身体的に我慢できないことや、話者の「~したい」という気持ちが抑えられないときに使います。非常に主観的な気持ちを表現する文型のため、他人に使うときは「ようだ」や「らしい」を付ける必要があります。また、人物以外を主語に置くことはできません。
次に、「ずには/ないではおかない」は、「~しないことは許さない」、または「自然と~してしまう」というときに使います。前者は、非常に強い気持ちを表し、それをしないと悪い結果になる、というかたい信念を持っているときに使います。後者は、これらの文型の中で唯一人物以外を主語に置くことができる、自発を表す文型です。
そして、「ずには/ないではすまない」は、その場の状況や社会的な立場から考えて、「~しないことは許されない」と言いたいときに使います。客観的なことを言う場合に使うことも多いですが、人物以外を主語に置くことはできません。
以上をまとめると以下のようになります。
<基本的な使い方>
〇私はドラマを見始めたら最後まで見ずにはいられない。(=見ないことは我慢できない)
〇私は困っている人を見たら、助けずにはおかない。(=助けないことは許さない)
〇私は彼に迷惑をかけたのだから、謝らずにはすまない。(=謝らないことは許されない)
<他人に使う>
×彼は疑問点を人に聞かずにはすまない。(〇聞かずにはすまないらしい)
〇彼は犯人を罰さずにはおかない。
〇彼は重い病気で手術せずにはすまない。
<人物以外が主語>
×この映画は、見る人を感動させずにはいられない。
〇この映画は、見る人を感動させずにはおかない。
×この映画は、見る人を感動させずにはすまない。
このように、これらの文型は全て「必ずする、しないことができない」といった意味になりますが、使える状況や文脈が少し違います。なお、「~ずには」と「~ないでは」には、意味上の違いはありません。
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