用法
接続
ふつう形+以上は┃以下接続例
V:する+以上は
A:難しい+以上は
Na:元気である+以上は
N:禁止である+以上は
意味・使い方
1.普遍的な規則や責任など、後件は「前件だから当然後件だ」という意味の文が来る。
2.義務や責任、規則、常識といったものに使う事が多く、規則などを表すイジョウハを使うとカラニハよりも、「絶対に~しなければ」というニュアンスが強くなる。
3.「からには N3」との混同を避けるため、例文の後件は話者の意向を表すようなものは避け、規則などに絞った方が教えやすい。
4.後件で意志を表す文が来る場合、「からには」でもいいが、ニュアンスに違いが出る。
・試合に出させてもらう〇以上 〇からには、監督やファンの期待に応えなければならない。
↑期待に応えるのは法律で定められた規則でも義務でもないが、スタメンに選ばれなかった人の羨望や、サポーターの期待は規則と同じぐらい重い、という気持ちが表れる。
5.「~以上」で「は」がない場合もある。
よく一緒に使われる言葉・文型・表現
「べきだ・つもりだ・はずだ・に違いない・てはいけない」など
後件は「べきだ・に違いない」など話者の意志を表す言い方、相手への働きかけの言い方が来る。
例:約束した以上は守るべきじゃないかな。
例文
学校にいる以上はルールを守らないといけないよ。
留学ビザで日本にいる以上は毎日学校へ来るのが義務だし、勉強するのも当然だ。
二十歳になった以上は、親に頼るわけにはいかない。
二十歳になった以上は、自分の言動に責任を持たなければ。
弁護士になると決めた以上は、合格するまで遊びにいかない。
難関大学を目指す以上は、毎日勉強しなければならない。
秘密を知られた以上は、生かしておけない。
離婚しても、血が繋がっている以上は親子なのだ。
ここにこう書いてある以上は、払うべきもんは払ってもらわないと困るよ。
比較文型
共通
後件に「~するべきだ」という意味の文が来る
文語性
上は>以上は>からには
それぞれの違い
からには:後件に話者の強い意志。最も主観的
・嘘を一度もついたことがない彼が言う△以上は ◎からには ?上は、事実なんだろう
(↑「~だろう」はすこぶる主観的)
以上は:後件に話者の意志。前件と後件の関連性が高いものを使う
・契約書にサインした◎以上は 〇からには 〇上は、規則を守っていただきます
(↑サインした事と規則を守る事は関連性が高い)
・留学した〇以上は ◎からには ?上は、必ず~大学に受かってみせる
上は:公的な場面、紙面上で多用。会話では不使用
まとめ
「からには・以上は・上は」の3つの中でもウエハは文語的で、会話ではあまり聞かない。また、3つとも、ある状況・状態になる事が決まり、その上でどうするのか、または心構えを後件で言う
契約書にサインした◎以上は 〇からには 〇上は、規則を守っていただきます
契約書にサインした◎以上は 〇からには △上は、規則を守れ
留学した〇以上は ◎からには ?上は、必ず~大学に受かってみせる
例文
離婚してもあなたが父親である〇以上 △からには、子供の面倒はしっかり見るべきだ
女性と付き合う〇からには 〇以上は ×上は、ちゃんと結婚も考えなければならない
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