「まみれ」【N1】
用法
≪接続≫
N+まみれ┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:泥+まみれ
≪意味・使い方≫
Xまみれ
- たくさんのXでおおわれている <covered in X>
- 特に、泥や血などの不快な液体や、ほこりなどのいやなものが体をおおっているときに使う
1.「~だらけ」【N3】よりも、「~まみれ」のほうが密度が高い。
・泥だらけでサッカーをする(体に泥がたくさんついているが、まだほかの部分もある)
・泥まみれでサッカーをする(体がほぼ泥におおわれている)
2.「(~に)まみれる」という動詞が名詞化したもの。漢字では「塗れる」と書く。
3.基本的には具体的なものが体を覆っているときに使うが、「借金」のような抽象的なものでも使う場合がある。
例文
車の修理で体中油まみれになってしまった。
ペットが庭で泥まみれになって帰ってきた。
犯人は血まみれの服で歩いていたそうだ。
どの選手も汗まみれで練習している。
子どもの頃絵の具まみれの手で描いたキャンパスを、芸術だと今でも大切に持っている父が大好きだ。
居眠りしていたら机がよだれまみれになった。
いいかげんその薬品まみれの白衣捨てたら?
子供たちは砂まみれになりながらビーチで遊んでいた。
彼の手は仕事中にインクまみれになってしまった。
クリームたくさんのケーキを急いで食べたら、口の周りがクリームまみれになってしまった。
ギャンブルで失敗し、借金まみれの生活を送っている。
類似文型とその違い
「ばかり」【N4】
「だらけ」【N3】
「ずくめ」【N1】
「三昧(ざんまい)」【N0】
「~まみれ」も含め、これらは全て前に名詞がつき「~がたくさんある・いる」といった意味になりますが、使用する場面や前に使える名詞にすこしずつ違いがあります。
まず、「~三昧」はプラスのことに、「~まみれ」はマイナスのことに使います。「~ずくめ」は、プラスのことに使うことが多いですが、マイナスのことに使うこともできます。反対に、「~だらけ」はマイナスのことに使うことが多いですが、プラスのことに使うこともできます。「~ばかり」は、プラス、マイナスどちらも使うほか、プラスやマイナスの感情を伴わない場面で使うことも多いです。また、「~ばかり」のみ、後ろに直接動詞を持ってくることができます。
つぎに、前に使える名詞の種類を「人」「具体物」「抽象物」「不快な液体」「色」に分けて見てみます。「~ばかり」は、前に「人」「具体物」「抽象物」が使えます。「~だらけ」と「~まみれ」は、「人」「具体物」「抽象物」「不快な液体」が使えます。具体物についていう場合、「~まみれ」は細かいものに対して、「~だらけ」は大きいものに対して使うことが多いです。「~ずくめ」は、「具体物」「抽象物」「色」が使えます。「~三昧」は、「具体物」「抽象物」が使えます。
以上を例文とともに示すと、下記のようになります。
【◎=最も適している、〇=適している、△=あまり適していない、×=適していない】
プラスのこと
- 人:この町は知り合い[◎ばかり △だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]だ
- 具体物:高級ワイン[△ばかり ×だらけ ×まみれ 〇ずくめ ◎三昧]の食事会
- 抽象物:毎日幸せ[〇ばかり △だらけ ×まみれ ◎ずくめ 〇三昧]だ
最近いいこと[〇ばかり 〇だらけ ×まみれ ◎ずくめ 〇三昧]だ
マイナスのこと
- 人:祭りは人[△ばかり ◎だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]で歩きにくい
- 具体物:机の上がほこり[×ばかり ◎だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]だ
彼は甘いもの[◎ばかり ×だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]食べる(後ろが動詞) - 抽象物:苦労[◎ばかり 〇だらけ △まみれ ×ずくめ ×三昧]の人生
借金[△ばかり 〇だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]の生活 - 不快な液体:子どもは泥[×ばかり ◎だらけ ◎まみれ ×ずくめ ×三昧]で遊んだ
- 色:犯人は黒[×ばかり ×だらけ ×まみれ ◎ずくめ ×三昧]の服だった
プラス、マイナスなし
- 人:男[◎ばかり 〇だらけ ×まみれ ×ずくめ ×三昧]のクラス
このように、これらの文型は全てなにかがたくさんある、いるということを表しますが、使う場面や前に使える名詞が異なります。まとめると以下の通りです。
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