【43課】教案:~そうです、Vて来ます

教案

みんなの日本語 初級II 第二版』完全準拠。
導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。

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当サイト管理人による、日本語教師養成個人レッスンの詳細はこちら

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学習項目

練習A
1.V[マス]そうです(直前/予想)
2.イadj./ナadj.そうです(様態)
3.V[テ]来ます

教案

新出語彙

29課に続き、自動詞がたくさん出てきます。助詞も確認しながら練習しましょう。

★ポイント

  • 増えます:「減ります」との混同か、「増えります」や、「増えって」等の間違いが多い
  • 切れます、取れます:それぞれ「切る」「取る」の可能動詞と同じ形。カンがいい学習者は気づき、「どのように見分けるか」など質問があるかもしれないが、文脈で判断するしかない(助詞も基本的にいずれも「が」を取る)。

練習A-1:V[マス]そうです(直前/予想)

「動詞+そうだ」の用法では、自然にそうなるもの(雨が降りそう)などによく使います。したがって、動詞は基本的に無意志動詞です。人が主語の場合もありますが(「彼女は今にも泣きそうだ」等)、単純に「もうすぐそれをする」といった意味で「彼はたばこを吸いそうだ」等の文を作らせないように注意しましょう。なお、「明日は雨が降るそうだ」といった伝聞の「そうだ」は47課で扱います。また、否定形は扱いません

導入:直前

◆ドライブデートしている絵カードを見せる
T:私は今恋人とデートしています。あ、ガソリンがありません(ガソリンメーターが0に近い写真も見せる)。どうしましょう。ガソリンが、ガソリンが、0になります。ガソリンが・・・?
S:なくなります。
T:もうすぐなくなりそうです。海に着きました。きれいです。あれ、雲が・・・雨が?
S:降ります。
T:ふり・・・?
S:降りそうです。

ガソリンが なくなり そうです
あめが ふり そうです

T:「そうです」の前は何形?
S:マス形です。
T:そうですね。もうすぐ、のとき、「そうです」を使います。そして、「そうです」の前はマス形。ガソリンがなくなります。雨が降ります。意志動詞ですか、無意志動詞ですか。
S:無意志動詞です。
T:そうですね。この「そうです」の前は、無意志動詞です。

意志無意志の確認は、クラス全体が概念をしっかり理解している場合にのみ行いましょう。そうでないと余計混乱させてしまいます。

◆練習
嵐の中の絵などを見せて、「Vそうです」で文を作らせる

T:絵を見てください。木が…?
S:倒れそうです。
T:S1さん、ほかに?
S1:うーん、火が消えそうです。
・・・

文型練習帳』p.118の絵を用いてもよい。

練習B-1

◆拡大した絵を用いて行う
T:(例の絵を見せる)これは何ですか(荷物を指す)。
S:荷物です。
T:荷物が・・・?
S:落ちそうです。
T:そうですね。荷物が落ちそうです。(リピート練習)
(同様に1~4も行う)

練習B-2

◆例を確認してペアで練習する

ペアワークのやり方は様々です。まだ文がうまく作れそうにないと感じたら、全体で正しい文を確認してからペアでもう一度練習させてもいいでしょう。また、終わってから教師のキューに続いて全体でリピート練習すると、最後に正しい文を自分の口で練習して終わることができます。

導入:予想

この予想の用法は直前とは別で、「ガソリンの値段が高くなりそう」や「約束の時間に遅れそう」などがあります。しかし直前と予想を厳密に区別させる必要はありません

◆季節や天候から想像できる近い未来のことを話す
T:みなさん、今は夏ですが、ちょっと寒いですね。雨も多いです。野菜は夏がいいですが、今年の夏は寒いし、太陽がありませんから、野菜はだめです。野菜の値段が上がりそうです。(できれば写真などを見せるとわかりやすい)

やさいの ねだんが あがり そうです

T:これは、雨が降りそう、とちょっと違います。雨が降りそう、は、空を見ます、ああ、雲がたくさん、もうすぐ雨ですね。でも、野菜の値段が上がりそうです、は、夏は寒いです、太陽がありません、たぶん、野菜の値段が上がりそうです。いろいろ考えて、思います。
S:先生、「かもしれません」と同じですか。
T:そうですね。「かもしれません」は、50%でした。「そうです」は、70~80%くらいですね。

推量表現は「と思います」(21課)、「でしょう。」と「かもしれません」(32課)で勉強しています。「そうです」は、客観的に、根拠に基づいて推量していているものの、「でしょう。」よりは確度が低い言い方となっています。

練習B-3

◆キュー出しで行う
T:きょうは寒くなります。「そうです」を使いましょう。
S:今日は寒くなりそうです。(リピート練習)
(同様に1~4も行う)

練習B-4

「~ましょう」と提案の形なので、絵などで会話している状況を見せながら行うとよいです。一度に一文を作るのが難しそうなら、前件と後件に分けて確認してから一文で練習しましょう。

◆AとBが話している状況を見せる
T:AさんとBさんは、今日車で箱根へ行きます。でも、今日はゴールデンウィークです。Aさんは考えます。ゴールデンウィークです・・・(「道が込みます」「早く出発します」と文字を出す)。Aさんは言います。「道が込みそうですから、早く出発しましょう。」(リピート練習)

T:Aさんはニュースを見ました。天気予報で、「夜は雨が降るでしょう」と言っていました・・・。(「夜はさむくなります」「コートを着ていきます」)
S:夜は寒くなりそうですから、コートを着ていきましょう。(リピート練習)
(同様に2~4も行う)

活動:作文「私の国では・・・」

◆自分の国の将来について、「~そうです」を使って描写する

例)日本では、子供の数が減りそうです。結婚する人が少ないですから。

文型練習帳』p.118も参考にするとよい。

練習A-2:イadj./ナadj.そうです(様態)

こちらは形容詞を伴って「そのように見える」という意味を表す「~そうです」です(「お金がありそう」等、状態性の動詞なら可)。見てすぐわかるものには使えません(宝石に「綺麗そう」等)。「いいです」は「よさそうです」になるので注意です。

感情・感覚を表す形容詞「うれしい・寂しい・痛い・気分が悪い」は感情形容詞と呼ばれます。他者の感情・感覚を表す場合、「彼はうれしい」「先生は寂しい」とは言えず、「彼はうれしそうだ」「先生は寂しそうだ」としなければならない、という決まりがあります。反対に、「私はうれしそうだ/寂しそうだ」と言うことはできません。

また、「形容詞+そうだ」は必ず様態になる、というわけではなく、例えば「行ったことはないが、タイはにぎやかそうだ」などはどちらかと言えば予想と言えます。

導入

◆様々な写真を見せ、導入
T:(おいしそうなケーキの写真を見せる)これは何ですか。
S:ケーキです!
T:どう?
S:食べたいです。おいしいです。
T:おいしい?本当?食べましたか?
S:いいえ、でもおいしいと思います。
T:そうですね。おいしそうです。

そのケーキは おいし そうです

T:(楽しそうな子供の写真)この子は?どうですか。
S:楽しそうです。

そのケーキは おいし そうです
おんなのこは たのし そうです

T:(大きな宝石の付いたネックレスを見せる)このネックレスは?
S:綺麗そうです。
T:綺麗そう?でも、いま見ました。きれいですね。わかりました。そのとき、「そうです」を使いません。「綺麗です」。値段はどうですか。
S:高そうです。
T:そうですね。値段はわかりません。高いですか?安いですか?わかりません、でも、見て、考えました。高そうです。

そのケーキは おいし そうです
おんなのこは たのし そうです
そのネックレスは たか そうです
(×そのネックレスは きれいそうです)

写真ではなく、食品サンプル(Amazonで購入)を使っても盛り上がります。

T:「そうです」の前は、い形容詞は「い」さよなら。な形容詞は「だ」さよならです。「いいです」はスペシャルで、「よさそうです」を使います。

◆練習
いろいろな人物の絵を見せて、「~そうです」でイメージを言ってもらう
T:(優しそうな先生の絵を見せる)このひとは・・・そうです。
S1:あたまがよさそうです。
S2:やさしそうです。
S3:まじめそうです。
・・・

文型練習帳』p.116の絵を用いてもよい。

練習B-5

◆拡大した絵を用いて行う
T:(例の絵を見せる)この人は?
S:つまらなそうです。(リピート練習)
(同様に1~4も行う)

教科書に載っている以外の言葉も出てくると思いますので、それも生かして練習していきましょう。もし言葉を出すのが難しいようなら、キューを与えてもいいです。クラスの状況に合わせて練習を進めましょう。

練習B-6

◆例を確認してからペアで練習する

「~んです」で理由の追加ができることを思い出させましょう。

練習C-2

◆例を確認してからペアで練習する

余裕があれば、自分たちで会話を作らせると面白いです。できそうな雰囲気なら、数組を前に呼んで身振り手振りをつけて寸劇のようにやってもらうと、「嬉しそう」「楽しそう」「悲しそう」等で盛り上がります。

応用練習

39課で勉強した「~て」で前件を述べ、後件を「~そうです」で述べる練習
T:(難しそうな本を見せる)この本は?
S:つまらなそうです。
T:どうして?
S:難しい言葉が多いですから。
T:この本は難しい
S:難しい言葉が多くて、つまらなそうです。

  • このかばんはポケットが多くて、便利そうです
  • この指輪はダイヤがたくさんついていて、高そうです。
  • この映画はいろいろな有名な人が出ていて、おもしろそうです。

練習A-3:V[テ]来ます

「~て来ます」の用法
①移動の様態(5課):学校まで歩いて来ました。
②付帯状況(34課):傘を持ってきました。
③行って戻る(43課):トイレに行って来ます。
④事態の変化:結婚しない人が増えてきた。
⑤作用の開始:試験のことを考えるとお腹が痛くなってくる。
⑥ある時点までの継続:今日までなんとか生きてきた。
⑦ものの移動:母が野菜を送ってきた。
⑧不必要で迷惑:彼が悪口を言ってきた。

この課で勉強するのは③の「行って戻る」で、移動を伴うものになります。たとえば、発話者と聞き手が同じテーブルで食事をしていて、少し離れたキッチンにある塩が欲しい場合、「ちょっと塩取ってきて」などと言うことができます。一方、テーブルにある塩を指しながら「ちょっと塩取って来て」と言うことはできません。

導入

◆絵を用いて、概念を説明する
T:AさんとBさんが話しています。Aさんは「すみません、ちょっとコンビニで飲み物を買ってきます」と言いました。Aさんは、この後何をしますか。
S:コンビニへ行って、飲み物を買います。
T:そして?
S:Bさんのところにまた来ます?
T:そうです。飲み物を買ってきます。買って、来ます。この「~て来ます」は、何かをして、また来ます、戻ります、の意味があります。

コンビニでのみものを かっ てきます

翻訳・文法解説』115ページの絵もわかりやすいです。

◆映画デートという状況で、彼氏が彼女のために色々な事をしてあげる、何をしてあげるか挙げてもらう
T:男の人と女の人が映画館にいます。
 彼氏:チケットを買わなければなりませんね
 彼女:そうですね
 彼氏:じゃ、・・・?
S:チケットを買ってきます。

  • 映画は何時からか(40課)、聞いてきます
  • 道を聞いて来ます(道に迷った)
  • ジュースを買って来ます
  • トイレへ行って来ます

◆比較的短い時間で行えることにのみ使うことを説明
T:もう一度練習です。図書館で勉強します、は?
S:図書館で勉強してきます。
T:どのくらい勉強したいですか。
S:うーん、1時間くらい?
T:そうですか。図書館で1時間くらい勉強してきます。

T:じゃ、来月から4年間日本に留学します、は?
S:日本に留学してきます。
T:実は、それはちょっと変です。この「~てきます」は、とても長いことには使えません。留学は、国から日本へ行って、勉強して、また帰りますが、4年間は長いですね。ですから、「留学してきます」はちょっと変です。

練習B-7

◆「待っていてください」の意味を確認してから行う。
T:トイレに行きます。トイレにい・・・
S:トイレに行って来ます。
T:いいですね。トイレに行って来ますから、ちょっと待っていてください。待っていてください。は、私が行って、来ます、そのとき、ずっとここに居てください、の意味です。
S:トイレに行って来ますから、ちょっと待っていてください。(リピート練習)
(同様に1~4も行う)

できるクラスなら、後件はバリエーションを付けてもよいでしょう(例:ジュースを買って来ますから、あの椅子に座っていてください、車を駐車場に止めて来ますから、ここで降りてください、等)。いずれも、行って戻ってくるまでの間の継続がみとめられる動作の場合は、「~ていてください」を使います

練習B-8

◆例を確認してから、ペアで練習する

「~ので」を使った理由述べは、39課で勉強しています。

導入:~てくれませんか

お願いの形5種(下に行くほど丁寧度が高くなる)
家族・友達:道を教えて。(20課)
家族・友達:道を教えて ください。(14課)
家族・友達:道を教えて くれませんか。(43課)
先生・店長・知らない人:道を教えて くださいませんか。(41課)
先生・店長・知らない人:道を教えて いただけませんか。(26課)

◆先ほどのコンビニに行く絵を使う
T:Aさんが「コンビニで飲み物を買って来ます」と言いました。Bさんは、私はアイスが欲しい、と思いました。Aさんにお願いしましょう。
S1:アイスを買ってください。
S2:アイスを買ってきてください。
T:いいですね。でも、友達ですが・・・友達はコンビニへ行きますが、私は行きません。ちょっと・・・ごめんなさいの気持ちがあります。友達に、もうちょっと丁寧にお願いする言い方があります。「アイスを買ってきてくれませんか。」

アイスをかっ てき てくれませんか

◆練習
キュー出しで変換練習をする
T:Aさんはこれから出かけます。いろいろお願いしましょう。図書館で本を返します。本を・・・?
S:本を返してきてくれませんか。

  • 切手を買います
  • ごみを捨てます
  • 映画の案内をもらいます

練習C-3

◆例を確認してからペアで練習する

 

【42課】教案:~(の)ために、~(の)に
『みんなの日本語 初級II 第二版』完全準拠。 導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。 学習項目 練習A 1.V/Nのために、~ 2.Vの/Nに~(用途/評価) 3.Vの/Nに<数量&g...
【44課】教案:~すぎます、~やすい/にくい、~く/にします
『みんなの日本語 初級II 第二版』完全準拠。 導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。 学習項目 練習A 1.Vすぎました/イadj./ナadj.すぎます 2.Vやすいです/にくいです(容易・困...

コメント

  1. 形容詞そうだ

    記載されている、い形容詞、な形容詞の例文「そうだ」は様態ではなく、伝聞ですね。誤記していると思います。

    • 確認しました。消し忘れていました。ご指摘ありがとうございます。また何かございましたらご教授ください。

  2.  状態+動詞につながる 予想〔~そうです・~そうだ・~そう〕。
    毎日毎時間、天気予報士の天気予報を視聴することが多いが、この〔~そう〕の連発には見るのも・聞くのも、視聴するのがいやになるほどです。
     気象予報は、予報・予想だから仕方がないとは思いますが、言葉尻に必ず。
    〔なりそうです・降りそうです・あがりそうです・・・・・・・〕一回の天気予報に、この〔~そうです〕ばかりで言葉尻で終わるのです、老練な(失礼)な男性の予報士のお一人は全くこの〔~そうです〕をつかわないでのです。
     日本語はすばらしい言語です、予報の解説に工夫が必要です。