【34課】教案:Vた/Nのとおりに、Vた/Nのあとで、Vて/Vないで~

教案

みんなの日本語 初級II 第二版』完全準拠。
導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。

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学習項目

練習A
1.V[タ]/Nのとおりに、~
2.V[タ]/Nのあとで、~
3.V[テ]/V[ナイ]ないで~(付帯状況)
4.V[ナイ]ないで、~(二者択一)

教案

新出語彙

自動詞と他動詞が混在しているほか、助詞が複雑なものもあるので、助詞も併せて確認しましょう。

★ポイント

  • 気が付きます:そのことが急に頭に浮かぶ、という意味。助詞は「~に」を使う。
  • 見つかります:説明が難しいが、「何かが出てきて目に留まる」といった意味。

練習A-1:V[タ]/Nのとおりに、~

「通りに」の導入の際、注意することが2つあります。

時間がかかりすぎないようにすること
おもしろく紹介するのはいいが、日本語は学んでいるか考えて導入すること
色々な手品ゲームなどで楽しく導入するのはいいのですが、ラジオ体操などをやって延々時間をかけたあげく、生まれた文が「私が言った通りにやってください」という一文のみというコスパの悪い導入はよくありません。特によくないのは折り紙を使った導入です。導入の際は上記2点に注意しましょう。

導入:Vたとおりに

◆早口言葉で「Vたとおりに」導入
T:私が言ったとおりに言ってください。
・手術中
・老若男女
・生麦生米生卵

T:私が言ったとおりに書いてください。
・庭には二羽鶏がいる
・母はハハハと笑う

わたしが いった とおりに いってください。
わたしが いった とおりに かいてください。
T:「とおりに」の前は何形?
S:タ形です。

練習B-1

◆キュー出しで行う
T:今言いました、言ってください。「とおりに」を使いましょう。
S:今言ったとおりに、言ってください。(リピート練習)
(同様に1~4も行う)

5の「料理番組で見たとおりに」にかんして、学習者から「料理番組を、じゃないのか」という質問が出るかもしれません。この「で」は方法の「で」で、「料理番組で手順を見る」→「料理番組で見た手順(の通りに)」の「手順」が省略されていると考えるとわかりやすいです(料理番組で見るのは当然料理の手順なので言わなくてもいい)。

導入:Nのとおりに

◆レシピ本で「Nのとおりに」導入
T:(工程が難しそうな料理を見せる)これを見てください。私が作りました。
S:ええ、すごいですね!どうやって作ったんですか。
T:この本のとおりに作りました。

ほんの とおりに つくりました。
T:「本」は名詞です。名詞の時は、「の」を使います。
 

みんなの日本語1~50課で「~どおりに」という読み方は教えません。授業中に言ってしまわないようにしましょう。名詞との接続時、「の」が省かれ、「通り」が「どおり」と濁って発音されるということは中級以上で教えることになります。
例:いつも/想像/予想/計画/指示/命令/希望/望み+通りに

練習B-2

◆拡大した絵を用いて行う
T:(例の絵を見せる)これは何ですか。
S:地図です。
T:そうですね。ここはタクシーです。タクシードライバーにお願いしましょう。地図・・・?
S:地図の通りに行ってください。(リピート練習)
(同様に1~4も行う)

練習:接続詞

せっかく「~とおりに」を勉強したので、中級へのステップアップのために、手順の説明でよく使う接続詞も練習しておきましょう。まず(16課)次に(16課)それから(6課)、この3つは主に小論文の書き方などで使う非常に重要な接続詞です。

◆使い方の説明をさせる
T:(自動販売機の写真を見せる)これは何ですか。
S:自動販売機です。
T:この水が欲しいです。どうやって水を買ったらいいですか。
S:お金を入れます、ボタンを押します、・・・
T:まず、?
S:まず、お金をいれます。次に、ボタンを押します。
T:それから?
S:それから、水を取ります。
T:ありがとうございます。Sさんの言ったとおりにします。

まず、おかねをいれます。
つぎに、ボタンをおします。
それから、みずをとります。

T:これは、レポートを書いたりスピーチをしたりするときによく使いますから、覚えましょう。

 

◆練習
・コピー機の使い方
・コインロッカーの使い方
・ATMの使い方

余裕があれば「最後に」を教えてもいいですが(みん日では非扱い)、まずは接続詞を使って順序だてて説明する、ということを身につけさせましょう。

練習A-2:V[タ]/Nのあとで、~

「Vる/Nのまえに」は18課で勉強しています。ここでその教材をもう一度使ってもよいでしょう。

導入:Vたあとで

T:(レポートを書く→テレビを見る、の絵を見せる)これは何ですか。
S:レポートを書きます。
T:これは?
S:テレビを見ます。
T:1つの文で言えますか。
S1:レポートを書いてから、テレビを見ます。
S2:テレビを見る前に、レポートを書きます。
T:いいですね。どちらもOKです。

レポートをかいてから、テレビをみます。
テレビをみるまえに、レポートをかきます。

T:「~てから」と「~まえに」は、もう勉強しました。今日はもうひとつ。「レポートを書いた後で、テレビを見ます。」

レポートをかいてから、テレビをみます。
テレビをみる まえに、レポートをかきます。
レポートをかいた あとで、テレビを見ます。
S:何が違いますか。
T:「まえに」「あとで」のほうが、「前ですか、後ですか、どちらですか、いつしますか」が大切です。
 

「前に」同様、時制は常に文末で決まるため、「明日レポートを書く後でテレビを見る」とはなりません。「あとで」の前は常にタ形であることを強調しましょう。この「~た後で」の変換は、上級の学習者でも頻繁に間違えます(誤用例:食べるあとで、運動します)。導入で時制を意識した展開にしているのはそのためです。

◆練習
T:S1さんは今日アルバイトをしますか。
S1:はい。
T:アルバイトをした後で、何をしますか。
S1:アルバイトをした後で、ごはんを食べます。
・運動した後で
・夕ご飯を食べた後で
・買い物に行った後で
・学校を卒業した後で
・クラスが終わった後で

導入:Nのあとで

T:さっき、「まえに」「あとで」のほうが、「前ですか、後ですか、どちらですか」が大切です、と言いました。ですから、こういう時によく使います。(「食前」に○がついた薬の袋を見せる)
S:薬ですか。
T:そうです。ここを見てください。何と書いてありますか。
S:わかりません。何と読みますか。
T:これはしょくぜん、と読みます。どういう意味ですか。
S:食事の前に薬を飲みます?
T:そうです。じゃ、これは?(「食後」に○がついた薬の袋を見せる)
S:しょくあと?
T:これはしょくご、と読みます。どういう意味ですか。
S:食事の後で薬を飲みます?
T:そうです。これは食事の後で飲む、と言う意味です。

しょくじの まえに、 くすりをのみます。
しょくじの あとで、 くすりをのみます。

T:名詞のときは「の」ですね。

◆練習
・食事の後で
・宿題の後で
・昼ごはんの後で
・授業の後で

導入:[期間]後(ご)に

この課を勉強したあと、「1年のあとで」という誤用が目立ってきます。特に作文等ではこの「数字+あとで」の形がかなり使われるため、教科書では扱っていませんが、しっかり触れておいた方がいいです。

T:授業はいつ始まりましたか。
S:9時です。
T:何分前に始まりましたか。
S:30分前に始まりました。
T:いつ終わりますか。
S:15分あとにおわります。
T:15分におわります。

30分まえに はじまりました。
15分ごに おわります。
T:ここが時間とか、何日、何か月、何年、のとき、「あとに」じゃなくて「ごに」を使います。
 

漢字で教えている場合は、漢字は同じでも読み方が違うことに注意させましょう。学生が漢字圏の場合は作文も漢字で書くことが多いと思いますので、適宜、書かせたものを音読させたりして確認するのもいいです。

練習B-3

◆キュー出しで行う
T:お城を見学しました、みんなで写真を撮ります。「あとで」を使ってください。
S:お城を見学した後で、みんなで写真を撮ります。(リピート練習)
(同様に例2,1~4も行う)

練習B-4

◆例を確認してから、ペアで練習する

ペアワークのやり方は様々です。まだ文がうまく作れそうにないと感じたら、全体で正しい文を確認してからペアでもう一度練習させてもいいでしょう。また、終わってから教師のキューに続いて全体でリピート練習すると、最後に正しい文を自分の口で練習して終わることができます。

練習A-3:V[テ]/V[ナイ]ないで~(付帯状況)

この文型においては、前件・後件ともに意志動詞を使いますが、それについては今触れる必要はありません。39課で「~なくて」が出てくるので、その時に説明しましょう。ただ、この時点でよく知っている学生から質問が出てくる可能性はありますので、意志無意志について理解しておく必要はあります

意志・無意志について詳しくはこちら

【画像】完全攻略!意志動詞・無意志動詞とは
意志、無意志? 動詞には人の意志を含むもの、そうでないものとで二分することができます。 「食べる」は意志を含む動詞で意志動詞です。「(雨が)降る」は意志を含まない動詞で無意志動詞です。 それでは簡単なクイズをしてみましょう。「食べる」...

導入

◆まずはイメージしやすい、実際にモノが主体と移動する例で導入
T:みなさんは、朝天気をチェックしますか。
S:はい、iPhoneで見ます。
T:朝天気を見て、夕方から雨だとわかったとき、どうしますか。
S1:小さい傘を鞄に入れます。
S2:傘を持ちます。
S3:傘と一緒に学校へ行きます。
T:傘と一緒に!そうですね。傘を持って学校へ行きます。

かさを もっ がっこうへいきます。

T:傘を持って学校へ行きます。学校へ着きました。傘はどこにありますか。
S:??いま持っています。
T:そうですね。今まで勉強した「て」は、朝ごはんを食べて、おわりました、歯を磨いて、おわりました、学校へ行きます。でも、今日勉強する「て」は、「一緒に、そのままで」の意味があります。

◆「Vないで」導入
T:朝天気予報を見て、今日は暖かいとわかりました。コートを着ますか。
S:いいえ、着ません。
T:コートを着ないで学校へ行きます。

かさを もっ がっこうへいきます。
コートを きないで がっこうへいきます。
T:これはコートを着ません、そのままで学校へ行きます、ですね。
 
◆ほかの例
T:(コーヒーの絵)これは何ですか。
S:コーヒーです。
T:S1さんはコーヒーに牛乳を入れますか。
S1:はい、入れます。
T:コーヒーに牛乳を入れて飲みます。S2さんは?
S2:牛乳を入れて飲みます。
T:S3さんは?
S3:牛乳を入れないで飲みます。
 
T:みなさんは寝る前に電気を消しますか。
S:消します。
T:電気を?
S:電気を消して寝ます。

でんきを けし ねます。

T:私は今立っています。話しています。

わたしはいま たっ はなしています。

T:私は今座っています。話しています。

わたしはいま すわっ はなしています。

28課で「立ちながら話す」「電気をつけながら寝る」が非文であることを説明していなければ、このタイミングで必ず「瞬間動詞との接続はできない」と説明しましょう。その際、教師が以下のようにジェスチャーをして見せるとわかりやすいです。

T:みなさん、「ながら」を覚えていますか。「歌いながら話します」(やって見せる)。「立ちます」「ながら」で、「立ちながら」です。でも「立ちながら」はダメです。今から「立ちながら話します」をしますから、見てください(と言って、立ったり座ったりしながら話すジェスチャーをして見せる)。どうですか、おもしろいでしょ?普通しませんね。これは「立って話します」がいいです。次は「電気をつけながら寝ます」をします。「電気をつけながら寝ます」もダメです。他にも「かぶり/履き/着/座りながら話す」などもダメです。

これで学生に「瞬間動詞との接続はできない」ことが伝わります。

練習B-5

◆拡大した絵を用いて行う
T:(例の絵を見せる)コートを?
S:コートを着て出かけます。(リピート練習)
T:こっちは?
S:コートを着ないで出かけます。(リピート練習)
(同様に1~5も行う)

練習A-4:V[ナイ]ないで、~(二者択一)

前件をする前に普通は後件するのにそうしないという意味があり、そうすることで、後件が強調されます。
類似表現に「ずに(N3)
があります。

導入

T:S1さん(夜勤の学生か、夜までゲームしている学生)、今日は何時に寝ますか。
S1:寝ません。
T:え?寝ないんですか。
S1:寝ません、働きます/ゲームをします。
T:そうですか、S1さんは、寝ないで働きます。

ないで はたらきます。

T:S2さんは寝ますか。
S2:はい、もちろん。
T:S3さんは?
S3:はい。
T:皆さん、普通夜寝ますね。でも、S1さんは寝ません。寝ないで・・・、何をしますか。
S:働きます
T:寝ないで、働きます。

ないで はたらきます。

ふつう します(ふつう ねます)

◆練習
T:S1さん、日曜日、休みますか。
S1:いいえ、休まないで、アルバイトをします。
T:S2さん、夏休みは国へ帰りますか。
S2:いいえ、帰らないで、日本で旅行します。

付帯状況の「~ないで」と二者択一の「~ないで」は、どちらともつかないものもたくさんあります。英語で簡単に言えば付帯状況はwith/without、二者択一はchooseですが、その違いをきっちり理解させる必要はありません

練習B-6

◆拡大した絵を用いて行う
T:(例の絵を見せる)これはなんですか。
S:夕べは寝ないで、サッカーの試合を見ました。(リピート練習)
(同様に1~4も行う)

学生たちに文を考えさせた後、適宜語彙を補ってからリピート練習しましょう。おそらく学生は例なら「サッカーを見ました」、4なら「寝ました」等、簡単なことしか言いません。「サッカーの試合」「ゆっくり休む」など、練習して使える語彙を増やしていくことも必要です。

【33課】教案:命令形、禁止形
『みんなの日本語 初級II 第二版』完全準拠。 導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。 学習項目 練習A 1.命令形、禁止形 2.命令文 3.「~」と書いてあります/読みます 4.~という意...
【35課】教案:条件形、Nなら(話題)
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