用法① 程度・比況 N3
接続:Vジ/ナイ・Aい・Naな・N+ほど(だ/の)
1.前件の程度ぐらい後件だ
2.重要なのは、【前件の程度に達した】場合と、【達していない】場合があるという事
・死ぬほど疲れた(実際には死んでいない)
・涙が出るほど笑った(実際に出た)
3.前と後ろで同じ事を言う場合に限り、後ろを省略することができる。
・今日は寒いが、きのうほど(寒く)ではない ※これは②の用法ではない!
例文
あの職場は寝る暇もないほど忙しいので、辞めた。
ゲームセンターで死ぬほどお金を使いこんでしまった。
普段買うものの倍ほど大きいトマトが売られていた。
ほっぺが落ちるほどおいしい料理を食べた。
ごはんを食べるのも忘れるほど熱中した。
何年ぶりに食べたのかわからないほど昔に食べた記憶がある。
用法② Xが一番だ N4
接続:N+ほど~(は)ない
1.Xが一番である事を言う文型
例文
この町の夜景ほどきれいな景色はない。
彼ほど素晴らしい人間はいない。
あの会社ほど社会貢献に熱心な会社もほかにないだろう。
用法③ 相関関係 N3
接続:Vフ・Aい・Naな・N+ほど
1.既習の「V条件+ば、Vジ・Aい・Naな+ほど ・Na+なら~なほど~」の前部分を省略した形
・家賃は安いほどいい
2.前件変化=後件変化。変化する形容詞などと一緒に使う
例文
日本語は勉強するほど難しくなる。
質問したが、説明を聞くほどわからなくなった。
人と関わるほど人が嫌いになる。
するめは噛むほど味が出る。
たくさんの失敗をする人ほど、たくさんのことを学ぶ。
用法④ だいたい
接続:N+ほど
例文
30分ほどで学校へ行ける。
子どもを寝かしつけたが、15分ほどで起きてしまった。
あと1時間ほどで検査の結果が出る。
留学当初はホームシックになったが、2週間ほどで慣れてしまった。
只今確認してまいりますので、1分ほどお待ちください。
営業で今日は7社ほど訪ねる予定だ。
軽視を表す文型
「なんか②・などN3」 「くらいN3」 「にすぎないN2」 「ごとき①N1」
口語的
くらい・なんか > など > にすぎない > ごとき
文中での軽視用法
使えるかどうかは、後述するが文脈やXの言葉による
子ども〇なんかに 〇などに ×くらい ×にすぎない 〇ごときに 負けるはずがない
A:もっと子どもの事考えて B:子ども〇なんか 〇など ×くらい ×にすぎない 〇ごとき 知るか
文尾での軽視用法
彼は頭はいいが、所詮子ども×なんかだ ×などだ ×くらいだ 〇にすぎない ×ごときだ
動詞との接続
動詞に接続するのは「くらい・にすぎない」のみ。
それをする×なんか ×など 〇くらい ×にすぎない ×ごときに 誰だってできる
当たり前の事をした×なんかだ ×などだ ×くらいだ 〇にすぎない ×ごときだ
形容詞との接続
い形とも接続するとある参考書もあるが、色々ない形で文を作ろうとして、できなかった。ある行為(動詞)や事物(名詞)に対しての評価、感想を述べるので、状態を述べるい形とは相性が悪いのだ。
な形は〇。これは名詞とな形の性質類似による
・彼は元気そうにしているが、ただのから元気にすぎない
・彼は日本国内でのみ有名にすぎない
Xが指示詞だと本来文中では〇の「なんか・など」も使いにくく、または使えなくなる
そんな事?なんか ?など 〇くらい ×にすぎない ×ごとき 自分でやりなよ
それ?なんか ×など 〇くらい ×にすぎない ×ごとき 自分でやりなよ
他用法での比較
謙遜
私〇なんか 〇など ×くらい ×にすぎない 〇ごときが こんな物をいただいてもよろしいのでしょうか
例示
こちら〇なんか 〇など ×くらい ×にすぎない ×ごときが いかがですか
ような
山×なんか ×など ×くらい ×にすぎない 〇のごとく 仕事がある
約
ここにいるのは10人×なんかだ ×などだ 〇くらいだ ×にすぎない ×のごとき
状態の程度
足の痛みはもう我慢できない×なんかだ ×などだ 〇くらいだ ×にすぎない ×のごとき
それぞれの詳しい解説と例文
「くらいN3」
「にすぎないN2」
「ごとき①N1」
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