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「安く請け負うな!業界の給与が下がる!ボランティアもやめろ!」

【雑記】日本語教育関連
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日本語教師の給与低下の原因

日本語教師の給料が、特にプライベートレッスンの料金が安くなっている、という話を聞くことがあります。曰く、

「安く請け負ってしまう人がいるからどんどん価格破壊が起こっている。そんな人は業界の癌だ」

だそうです。

価格が低下する業界

価格が破壊されていく業界は日本語教育の場だけではありません。

例えば牛丼は一時期価格競争が高まり過ぎてかなり値段が下がっていました。ケータイ各社も常に価格で競っています。日本語教育機関もそうです。どの業界も価格を安くしたり、サービスを向上させたり、あの手この手で客を獲得する努力をしています。中小企業も取引先から値段交渉を迫られ、できなければ取引先を変えられたり、最悪、廃業します。日本語教育もビジネスなのですから、当然価格競争は起きます

値崩れがいいと言っているわけではありませんが、日本語教育も多分に漏れません。

レッスン料と質の関係

下の2つの条件のレッスンを学習者が見つけたとしたら、恐らく1を選ぶ人が多いでしょう。

  1. 300円/1h
  2. 1000円/1h

1000円のレッスンなんかまともなレッスンではありませんが、消費者心理として、安い方を選びたくなるのは自然でしょう。さらにそれより700円も安いレッスンがどんなものかなど学習者は知りません。しかし、レッスン料の平均を知らない人、レッスンを受けたことがない人は300円のレッスンを望み、満足しがちです

少し話は逸れますが、皆さんは言語学習者がネイティブに質問できる無料のサイトをご存知でしょうか。そのようなサイトは数えきれないほどあります。

使い方は、例えば、ある学習者が作文を書きます。その文を見たネイティブが訂正文を書くものや、学習者がある事項についてネイティブに質問し、答えが来るのを待つyahoo知恵袋みたいなものなどがあります。

私も何度かそういったサイト(日本語学習者用の)を見たことがあるのですが、どの回答も酷いものです。誤用に対して書かれた回答(訂正文)がずら―っと並び、その訂正文がさらに誤用という悲劇、さらにそれに大量のgoodボタン、もう目も当てられない惨状です。しかし、彼ら、教えられる側と教える側はそれで満足しているようでした。

もし皆さんが英語を勉強したくて、学習サイトなりアプリを探している時に以下の広告を見つけたらどうしますか。

ただ教えたいだけ

300円/1hで教える教師は別に他の教師に迷惑をかけようと思ってその値段で教えているわけではありません彼らは相場を知らないか、知っていても自分はこの値段だと判断しただけです。そして、「安く請け負うな」と怒っている人達は

「勝手に安く請け負われると私の給料が安くなるから、私やその他の教師のためにもレッスン料を下げずにレッスンをしろ」

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と言っていることになります。それこそ勝手です。さらに、ボランティアまで非難する人がいます。教えたい人の権利にまで文句を言うつもりでしょうか。

もし300円/1hの質のレッスンしか提供できない教師がその言い分に従い、レッスンを6000円/1hにしたらどうなるでしょうか。そのレッスンに申し込んだ学習者はきっとがっかりします。「6000円も払ってこの程度のレッスンなのか!」と。

日本語教師をやってみたい、でもちょっと自信がない、でもボランティアはいやだ、でもやってみたい!という人がいるのです。

ツイッターで行ったアンケートがあります。ボランティアで教えたいという人は必ず一定数はいるものです。

知識のない教師が「誤用を教えるかもしれないけど安価だから許してくれ」というのは間違っているかもしれません。学習者も誤用を教えられているなんて思ってもいないでしょう。しかし、無料、もしくは安価で教えられるということはそういうことです安いものには必ずリスクがあります。本気で学びたいと思っている人ならばしっかりとしたところにレッスンを申し込みます。

日本語教育業界の質の低下

安価な教師やボランティアが多くなればなるほど、日本語を学ぶ人達の質の低下が起こるという意見があります。否定はしませんが、果たしてそのような教師 ”だけ” が質の低下の原因なのでしょうか。

私の授業中に学習者から変な日本語を聞く事があります。「それどこで習ったの?」と聞くと、「国で習いました」と返ってきます。
また別の日に変な日本語を聞き、同じ質問すると今度は「昨日の先生が教えました」と返ってきます。

前者は学習者の母国の日本語教師で、海外の日本語教師は現地の人(日本人母語話者ではない)が教えていることも多く、彼らの日本語能力の平均はN4程度だと聞いたことがあります。様々なメディアで見る海外の日本語学校の授業を見ていると、頷けます。

後者は日本にいる日本語教師です。日本人だからと教授事項の十分な予習もせず、着の身着のまま授業に行き、誤用をばらまき授業を終える教師は多いです。結局、

お金をもらっているかどうか、安価か高価かは関係ないのです

ボランティアで教えていてもしっかり予習をし教材を準備して授業に向かう先生もいれば、長くいるだけでコマ給が自動的に高くなる学校の高給取り教師がテキトーな授業をしていることもあります。
もちろん、先述の通り、安いレッスンにはリスクがありますが、だからといってそれが全て悪いものだとは言い切れません。

今は昔ではない

誰かに奉仕したい、社会の役に立ちたいという気持ちはとても気高く、立派で、誰かに邪魔されるべきものではありません。

「昔はこうだった」「昔はああだった」と過去にしがみつき、現状や周りに文句をぶつけている人はもうやめましょう。日本語教育だけが特別扱いされることはありません。
今は昔ではないんです。言葉も文化も流行りも消費税も全て、時代と共に変わるのです。

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