教材をあげますか。 共有派と非共有派

皆さんは、ご自身がお作りになった教材をあげてもいいと思えますか。

スポンサーリンク

当サイト管理人による、日本語教師養成個人レッスンの詳細はこちら

当サイト管理人による、日本語教師養成個人レッスンの詳細はこちら

嫌だ

私のTwitterでアンケートをしたので、まずはその結果をご覧ください。

あげる:79%
あげない:21%

あげる人が過半数を占めていますが、注目してほしいのは、それを快く思っているかどうかです。

嫌じゃない:56%
嫌だ:44%

あげる人は確かに多数を占めていますが、4割強、約半数の日本語教師が「嫌だ」と思っているようです。
ここから言えることは、「教材あげる」というのは全く、というかもちろん問題はありませんが、「教材ちょうだい」は危険だということです。

思い込み

アンケートで一つ目の選択肢を選んだ、自分があげるのに抵抗がない人は、他の人も抵抗ない“はず”だと思ってしまいがちです。逆に四つ目の、嫌だしあげたくもないを選んだ方は、人に「教材ください」と言うのに抵抗がある、もしくは言わないのではないでしょうか。

結局自分が楽したいだけ

「教材や配布物、試験を1からそれぞれの教師が作るなんて効率が悪過ぎる!作った教師にお金を払って学校として保有し、共有すれば良いだけなのに、なんでしないの!」

って言ってる人はだいたい何にもしません。「さあ皆やろうよ!」と提案すらしないのです。誰かが言い出すのをじっと待ち、始まったらそこに群がり自分自身は何も提供しないし、お金も払わないのです。結局自分が楽したいだけ。そんな人をゴマンと見てきました。「提案してみたらどうですか」と言うと「いやいや私なんかが言っても・・・」と適当な理由をつけるばかり。

タダでもらおうとする人がいる中、お金を払ってと言っているだけまだマシです。しかし、お金を払って教材を学校で共有するのにも様々な問題があります。
まず、お金はもらい続けるのでしょうか、提供者が学校を辞めたらどうしますか。ロイヤリティはもらい続けますか。辞めたら提供した教材は削除しますか。しかし、提供してもらった人がそれをコピーすれば無限にコピーを作成できます。

絵や建築物などの創作物同様、例文も教材もイラストも、全てがアイディアなのです。創作物そのものというよりも、大事なのはアイディアであり、それが一度コピーされれば、創作者のロイヤリティ回収は難しくなります。

会員制の共有システム

「教師の半数が嫌だと思うのならそれちょうだいと言うのが気軽にできないわ」

という方は、学校内、または自分の身内内で会員制の共有システムを構築してみてはどうでしょうか。共有派と非共有派で人間関係がギスギスしそうですが、問題ないでしょう。なぜなら、自分の教材が最も優れ、他と共有する必要がないと思っている方はそもそもそのシステムに参加させてほしいとすら思わないからです。

日本語教師の多くがデジタルツールを扱えない現在、「グーグルドライブなどのクラウドサービスでファイルをシェア」なんて言ったらもうそれだけで吐き気を催されそうですが、使い方を訓練させるしかありません。「機械はゼッタイ無理!」ということでしたら、学校の隅におっきな段ボールでも置いてそこに物理的な教材をプールしておけばいいでしょう。

無理強いはしない

私がこのアンケートを行ったのは、共有に抵抗がある教師がいることを知ってほしかったからです
子育てしながら僅かな隙間時間をなんとか捻出、教案や教材を睡眠時間と命を削って作り上げた“作品”に対して

「それちょうだい」

快く思わない人もいます。

そして、アンケートの選択肢の3つ目『嫌だ。できればあげたくないが、あげる』が23%もいます。つまり、『断れずに譲渡する』方が23%ということですから、

「こういうところ(クラウドなり段ボール)で共有してるから興味ある人は参加してねー」

と言えば円満に解決できるのではないでしょうか。

コメント