「につれて」【N3】
用法
≪接続≫
V辞書形/N+につれて┃以下接続例
V:なる+につれて
A:なし
Na:なし
N:増加だ+につれて
≪意味・使い方≫
XにつれてY。
- Xになると、だんだんYになる <As something becomes X, another gradually becomes Y>
- XにもYにも、変化を表す言葉が来る
- 名詞に来るのは「する」がつけられるものだけ
- Yに、話者の意志や勧誘は来ない
- Xに、「増減」などの変化が二方向あるものは来ない
- 「Xにつれ、Y」という言い方もある
例文
年をとるにつれてだんだんと油料理が食べられなくなった。 (As I age, I gradually find myself unable to eat oily dishes.)
山は登るにつれて酸素が薄くなる。 (As you climb the mountain, the oxygen becomes thinner.)
問題を解き進めるにつれて、問題の傾向がわかってきた。 (As I progress through solving the problems, I begin to understand the trends of the issues.)
町は寒くなるにつれてクリスマスムードに変わっていく。 (As the town gets colder, it transforms into a Christmas atmosphere.)
梅雨になるにつれてじめじめしてくる。 (As the rainy season approaches, it becomes more and more humid.)
彼女を深く知るにつれて、彼女への気持ちが冷めていくのがわかった。 (As I get to know her better, I realized that my feelings for her were cooling off.)
電車が駅に近づくにつれて、乗客は立ち上がり始めた。 (As the train approaches the station, passengers start to stand up.)
寒くなるにつれて、山の色が変わっていく。 (As it gets colder, the colors of the mountains change.)
アメリカ人に日本語を教えるにつれて、私の英語も上達していった。 (Teaching Japanese to Americans, my English improved as well.)
電車が駅に近づくにつれて、彼女の涙は溢れていった。 (As the train approached the station, her tears overflowed.)
戦争が激化していくにつれて、A国から避難する国民が増えた。 (As the war intensified, more and more citizens evacuated from Country A.)
新型コロナウイルスの感染者が増えるにつれて、街から人々が消えていった。 (As the number of COVID-19 cases increased, people disappeared from the streets.)
本を読み進めるにつれて、物語の結末が予想できてしまった。 (As I continued reading the book, I could predict the ending of the story.)
毎朝私は会社が近づくにつれ、動悸が激しくなる。 (Every morning, as the company approaches, my palpitations intensify.)
類似文型とその違い
「XにつれてY」を含め、これらはすべて「何かが変化すると、それと一緒にほかのものも変化する」と言いたいときに使う文型です。XにもYにも変化を表す言葉が入ります。
例:台風が近づく(○とともに ○につれて ○に伴って ○に従って)風が強くなった。
これらはほぼ同じように使えますが、使い方に少し違いがあります。
まず、「XにつれてY」は、Yに意志や勧誘を表す文は使えません。また、Xに「増減」のような変化が二方向におよぶものは使えません。
例:子供の成長(○とともに ×につれて ○に伴って ○に従って)習い事の数を増やしていくつもりだ。
例:売り上げの増減(○とともに ×につれて ○に伴って ○に従って)ボーナス額が変化する。
次に、「Xに伴ってY」は、「Xに伴うY」という形で、Yに名詞を置いて使うことができます。
例:景気の変化(×とともに ×につれる ○に伴う ×に従う)支出の増減を調査する。
しかし、いずれにしろこれらの用法は非常に似ているため、JLPTではこれらの違いを問うような問題はありません。
教師用メモ
学習者の誤用例と指導方法
「暑いにつれて、気温が上がる」といった誤用が見られました。
そもそもこの文型は形容詞とは接続しませんので、「暑い」を使いたいのであれば「暑くなる」と動詞形にするなどの工夫が必要である、ということも教えると、練習の幅が広げやすいです。
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