第4回 日本語教育能力検定試験オリジナル問題に挑戦!

日本語教育能力検定試験っぽく問題を作ってみました。解説は実際の教育現場で見られる誤用なども交えながら行っています。

問題

問題1  次の問題の【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを、それぞれ1~3の中から一つずつ選べ。

 

(1) 【「もう」の用法】

1 もう食べられません。

2 もう少しゆっくり話していただけませんか。

3 もうあなたのような人とは話したくありません。

 

(2) 【指示詞】

1 そこで待っていてください。

2 そこにあるコップを取ってください。

3 実験は全て失敗だった。そこで、私は新しい方法を試すことにした。

 

(3) 【判定詞】

1 明日は休みだから、ゆっくりできる。

2 今日は土曜日だが、区役所はやっている。

3 ざっと読んだが、私には意味がわからなかった。

 

(4) 【動詞の分類】

1 話します

2 刺します

3 会話します

 

問題2  次の問題の【 】内の下線部は学習者による誤用を示す。これと異なる種類の誤用を、それぞれ1~3の中から一つずつ選べ。必要に応じて( )内に学習者の意図を示す。

 

(5) 【あそこの角を曲がると、銀行へ行きます。】

1 私は駅に着いたら、連絡した

2 日本語をもっと勉強すれば、大学に合格したい

3 このつまみを回すと、水を出します

 

(6) 【嫌い食べ物はありますか。】

1 有名公園です。

2 きれい公園です。

3 近所公園です。

 

答えと解説

(1) 【「もう」の用法】

1 もう食べられません。

2 もう少しゆっくり話していただけませんか。

3 もうあなたのような人とは話したくありません。

答えは2です。2は「もっと」と言い換えることができます。「もう」や「よく」「まだ」などは用法が多く、見分けるのが難しいです。副詞については「副詞(的用法)一覧」をご覧ください。

 

(2) 【指示詞】

1 そこで待っていてください。

2 そこにあるコップを取ってください。

3 実験は全て失敗だった。そこで、私は新しい方法を試すことにした。

答えは3です。1と2は指示詞+格助詞の構造ですが、3は接続詞です。

 

(3) 【判定詞】

1 明日は休みだから、ゆっくりできる。

2 今日は土曜日だが、区役所はやっている。

3 ざっと読んだが、私には意味がわからなかった。

答えは3です。1と2は判定詞+接続助詞に分けられます。「~です」「~である」「~だ」は判定詞と呼ばれるものです。3はた形+接続助詞が組み合わさったものです。「読んだ」の「だ」は判定詞ではありません。

 

(4) 【動詞の分類】

1 話します

2 刺します

3 会話します

答えは3です。日本語教育では動詞を3つに分類します。呼び方は機関によって様々ですが、一般的な呼び方は「~グループ」です。最も簡単な見分け方は動詞を「~ない」と否定形にするやり方です。「会話します」は3グループに分類されます。他は1グループです。
「話しない」とグループの混同による誤用が非常に、非常に!多いです。3グループは「漢語+する」の形ですが、これを学習者は「漢字+する」と誤解し、「話しない」とすることが多いです。初級段階ではもちろん、中級以上でも多く見られるので、化石化する前にFCなどでよく練習をしておきましょう。

 

(5) 【あそこの角を曲がると、銀行へ行きます。】

1 私は駅に着いたら、連絡した

2 日本語をもっと勉強すれば、大学に合格したい

3 このつまみを回すと、水を出します

答えは1です。2と3は後件が意志表現です。2「~ば」は前件が形容詞の時を除き後件に意志表現は使えません。「大学に合格できます」とすれば問題ありません。3「~と」は前件が何であっても後件に意志表現が使えません。「水が出ます」とすれば問題ありません。1「~たら」はかなり制限の緩いものですが、一つだけ、後件に動詞の過去形が使えないという制限があります。意志表現を使ったから非文になった【 】内の文と同じ誤用は2と3です。

教案 たら

教案 ば

教案 と

条件を表す表現には非常に多くの制限があります。これは、試験で必要というよりも、現場で必ず必要になる(学習者に質問される)知識なので、整理しておくことを強くおすすめします。学習者の前でしどろもどろしていると、信頼を失います。
意志性について「完全攻略!意志動詞・無意志動詞とは」を参照のこと。

 

(6) 【嫌い食べ物はありますか。】

1 有名公園です。

2 きれい公園です。

3 近所公園です。

答えは3です。3のみ名詞で、「近所の~」が正しい修飾法です。

多くの学習者、国籍問わず間違える接続の誤用です。「嫌い」「有名」「きれい」他にも「丁寧」などがありますが、これらはな形容詞(形容動詞)で、名詞を修飾する時は「~な」とならなければなりません。ではなぜ「嫌い食べ物」と間違えてしまうのか。語尾が「~い」で終わっているからです。い形容詞(形容詞)というものがあり、い形容詞は「語尾が「~い」で終わるもののことを言います(おいしい・高い・軽い)。しかし、「嫌い」などは語尾が「~い」となっているにも関わらず、な形容詞に分類され、名詞を修飾する時は「~な」が必要です。学習者は「嫌い」を見てい形容詞と誤解し、上のような誤用を頻繁に作ります。

 

他の問題は検定問題にまとめてあります。

日本語教師のN1et、管理人による日本語教師養成レッスン詳細はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA