【JLPT N2】「を契機に(して)」

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「を契機に(して)」【N2】

用法

≪接続≫
 N+を契機に(して)
┃以下接続例
    V:なし
    A:なし
  Na:なし
    N:事件+を契機に(して)

≪意味・使い方
 Xを契機に(して)Y。

  1. Xをいい機会だと考えて、Y <as a starting point for X, Y>
  2. Xが起こったときに、それをいい機会だと考えてYする、と言いたいときに使う
  3. Yには、プラスの出来事が来ることが多い
  4. 「して」はあってもなくてもいい。「Xを契機して」という言い方もある
  5. 動詞と接続する場合は「Vを契機に」となる

例文

2020年の東京オリンピックを契機に通訳案内士の需要が高まった。 (The Tokyo Olympics in 2020 served as a trigger for an increased demand for interpreter-guides.)

日本はこのことを契機に経済発展を遂げたと言われる。 (It is said that Japan achieved economic development as a result of this.)

社長が代わった事を契機に会社は大きく変わった。 (With the change in presidents, the company underwent significant transformations.)

退職を契機に、起業した。 (Starting a business was prompted by retirement.)

当時、A国がB国の誘いを断ったことを契機に第三次世界大戦が始まりかけた。 (The Third World War almost broke out when Country A declined Country B’s invitation at that time.)

5年前のリストラを契機に、私は自分の会社を作って、成功した。 (Five years ago, after restructuring, I started my own company and succeeded.)

その戦争は大統領の暗殺を契機に始まった。 (That war began as a result of the president’s assassination.)

この鉱山は世界遺産に登録された事を契機に、観光客が倍増した。 (Following its registration as a World Heritage Site, tourist numbers at this mine doubled.)

これを契機に心身を入れ替え、覇気ある稽古をしていきたいです 。 (I want to overhaul myself both mentally and physically, taking this as a starting point, and strive with renewed vigor.)

今回の全国女子駅伝を契機に、今一度制度の見直しを図った方がいいのではないか。 (In light of the National Women’s Ekiden this time, it might be a good idea to reconsider the system once again.)

たった一つの小さな失敗を契機に、これまで積み重ねた無数の小さな成功を忘れてしまうことがある。 (Sometimes, a single small failure can lead us to forget the countless small successes we’ve achieved so far.)

A社の社員の過労自殺を契機に、広告業界が働き方を変える事に取り組んだ。 (Efforts were made in the advertising industry to change working conditions following the overwork-related suicide of an employee at Company A.)

岩手県で開催した「移住体験ツアー」を契機に、神奈川県から2名の女性が二戸市に移住した。 (Two women from Kanagawa City relocated to Ninohe City following their participation in an “Immigration Experience Tour” held in Iwate Prefecture.)

ダイエットを契機に食生活を見直そう。 (Let’s reconsider our diet as a starting point for dieting.)

A社が潰れたことを契機にして、全世界的に不景気が始まった。 (The global recession began as a result of Company A’s collapse.)

転勤を契機として副業を始め、今では副業が本業になるまでになった。 (Starting a side job due to relocation, it eventually became my main source of income.)

類似文型とその違い

をきっかけに【N3】
を皮切りに【N1】

「Xを契機にY」を含め、これらはいずれも「Xをはじめの機会として、Yが起こった」と言いたいときに使いますが、使える場面が少し違います。

まず、「~をきっかけに」は、一番広く使うことができます。XやYに入ることは、個人的なことや小さなこと、ネガティブなことでも構いません。一方、「~を契機に」は、ある程度規模が大きいことに使い、個人的な小さい出来事には使わず、内容もポジティブなことが多いです。

また、「~を皮切りに」も比較的大きなことに使いますが、Yに次々と起こることしか来ない、という制約があります。Yに1回しか起こらないことが来る場合には、「~を皮切りに」は使えません。

例:
この曲(◎をきっかけに ×を契機に ×を皮切りに)彼のファンになった。
社長の交代(〇をきっかけに ◎を契機に ×を皮切りに)社名を変更した。
この作品(△をきっかけに △を契機に ◎を皮切りに)彼は次々と新作を発表した。

このように、「~をきっかけに」「~を契機に」「~を皮切りに」は、使える場面が少しずつ異なります。

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