「たとたん(に)」【N3】
用法
≪接続≫
Vタ形+とたん(に)┃以下接続例
V:した+とたん(に)
A:なし
Na:なし
N:なし
≪意味・使い方≫
Xとたん(に)Y。
- XのすぐあとにYになる <no sooner become Y after X>
- Yにはマイナスのことがくる
- 「~たとたん」と「~たとたんに」は同じ
1.Yには変化が来るので、意志・命令・依頼などは来ない。
例:×外に出たとたん走ろう。
2.XとYには何かしらの関係性がある事が多い
例:彼はお酒を飲んだとたんに性格が変わる (酒を飲む→変わるの関係を表せる)
例文
彼は結婚したとたんに、友達と飲みに行かなくなって、すぐに美人の奥さんがいる家に帰るようになった。
ずっと家族に会っていなかったから、家族の顔を見たとたんに涙が出た。
彼は奨学金をもらったとたんに欠席しはじめた。
バスに乗ったとたんに発車し、体勢を崩してしまった。
彼は、初めは強気だったが、「裁判」という言葉を聞いたとたんうろたえはじめた。
外に出たとたん雨が降ってきた。
就職活動を始めたとたんに景気が悪くなってしまった。
類似文型とその違い
「と思うと」【N2】
「か~ないかのうちに」【N2】
「がはやいか」【N1】
「そばから」【N1】
「なり」【N1】
「や否や(やいなや)」【N1】
「たとたんに」を含め、これらはすべて「XたとたんにY」「Xと思うとY」のように使い、「Xの直後にY」という意味を持つ文型で、XとYがほぼ同時に起こることを表します。XとYの主語は同じでも異なっていてもかまいません。
これらの文型は、使う場面やニュアンスが微妙に異なります。
まず、使う場面についてです。「たとたんに」「と思うと」「そばから」は、会話でもよく使われます。「なり」「か~ないかのうちに」は、頻度は高くありませんが会話で使われます。「が早いか」「や否や」はかたい表現、書き言葉として使われますが、「や否や」の方がよく使われます。
次に、それぞれの文型が持つニュアンスです。「たとたんに」は、突然起こったマイナスな変化について言いたいときによく使います。例えば、「彼は就職が決まったとたんに学校を休むようになった」のように使います。
「と思うと」は、XとYが反対の行為である時によく使います。例えば「彼は怒ったかと思うと笑いだした」のように使います。自分のことを言うときには使えません。
「か~ないかのうちに」は、これらの文型の中では一番XとYがほぼ同時であることを強調することができます。例えば、「彼は話を聞き終えるか聞き終えないかのうちに、部屋を出た」のように使います。
「が早いか」は、XとYとどちらが早いかわからない、とYの早さを強調することができます。例えば、「ベルが鳴るが早いか彼は急いでトイレへ走った」のように使います。
「そばから」は、何度XをしてもすぐYになってしまう、というマイナスな繰り返しを言うときに使います。例えば、「大切な話を聞いたそばから忘れてしまう」のように使います。
「なり」は、Xの状況のままYをする、というときに使います。Yは話者にとって望ましくないことが多いです。例えば、「彼は授業が始まるなり寝てしまった」のように使います。
「や否や」は、Xが終わるのを待ち構えていた、というニュアンスがあります。例えば、「彼は授業が終わるや否や教室を飛び出した」のように使います。
このように、これらの文型は全て「Xの直後にY」という意味ですが、使う場面やニュアンスが異なります。まとめると以下の通りです。
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