用法
接続
N+をよぎなくされる/をよぎなくさせる
V:なし
A:なし
Na:なし
N:退職+をよぎなくされる/をよぎなくさせる
意味・使い方
1.「~する他仕方がない」「~するしかない」という意味で使う。
2.分解すると、「余儀:他の方法」「がない」「状態にされる」となる。
3.「をよぎなくする」という形では用いず、「~される」と受身の形でしか用いない。つまり、行為を“受けた者”からの視点で使う。「~を余儀なくさせる」という形もあるが、これは受身の反対である使役の形をしている通り、行為の指示者からの視点で使う。
類似文型とその違い
なければならない【N4】
「を余儀なくされる」と「なければならない」は、どちらもある状況によって、何かをしなければならないことを表しますが、微妙にニュアンスが異なります。
「を余儀なくされる」は、何らかの強制的な要因によって、本来したくないことをやむを得ずする状況になることを表します。つまり、自分の意思に反して、状況によって強制的に何かをしなければならないというニュアンスが含まれます。例えば、体調不良で退職を余儀なくされる、大雨で運動会が中止を余儀なくされる、などがあります。
一方、「なければならない」は、自分で決めた目標や責任、義務などに基づいて、自分自身で決断して何かをしなければならない状況を表します。つまり、自分の意思に基づいて、自己決定によって何かをすることを表します。例えば、試験に合格するために勉強しなければならない、家族の世話をするために仕事を辞めなければならない、などがあります。
また、社会的な要因による義務が生じる場合にも使います。例えば、たばこは喫煙所で吸わなけれなりません、と言う場合は、誰かを注意する際に用いられますが、この義務は自分の意思とは関係なく、ルールを説明しているにすぎません。
つまり、「を余儀なくされる」は、外部的な状況によって自分がやらなければならないことが生じるときに使われる表現であり、「なければならない」は、社会的な義務と、自分自身が目標や責任を設定し、それに基づいて何かをするときに使われる表現です。
例文
暴風雨のため、野外コンサートは中止を余儀なくされた。
転勤のため、彼女は長年住んでいた町を離れることを余儀なくされた。
息子が急に病気になり、父親は仕事を休むことを余儀なくされた。
交通事故で車が壊れ、彼女はタクシーを利用することを余儀なくされた。
子供の学費のため、彼は副業をすることを余儀なくされた。
仕事のストレスで、彼は休暇を取ることを余儀なくされた。
天気予報が外れ、ピクニックは中止を余儀なくされた。
家族の介護のため、彼女は仕事を辞めることを余儀なくされた。
60代前後で脳疾患などを要因として車椅子利用を余儀なくされるケースがある。
治療のため帰国を余儀なくされてしまう。
体を壊し退職を余儀なくされた。
若者は徴兵制に参加を余儀なくされ、軍隊として海外派遣された。
後悔はないが、所帯を持つことでプライバシーの縮小を余儀なくされた。
人員不足によって店舗閉鎖を余儀なくされた。
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