「さえ」【N3】
用法①:も・最低条件
≪接続≫
N+さえ┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:本だ+さえ
≪意味・使い方≫
XさえY。
- ~も <even> (例:この漢字は先生 〇さえ 〇も わからない ”Even the teacher doesn’t know this kanji”)
- Xに考えられない例を置いて使う(例:彼は日本に10年にいるのにひらがなさえ書けない ”Even though he has been in Japan for 10 years, he can’t even write hiragana”)
1.「~も」と同じ用法である。ある事物Xを取り立てて「Xでも後件だ」と述べる。Xには最低限のことがくる。
2.程度が最低限の例を示す言葉に接続する。 「ひらがなは ×上級 〇初級 の学生でさえわかる」・・・上級の学生がひらがながわかるのは当然であり、学校での日本語力が最低な例として適当なものは初級なので、この文では「上級」が使えない。
3.主格に付く場合はデサエとなることが多い。
4.Xに助詞が付き、その後ろにサエが付くことがある(例:妻にさえ言っていない)。これは後件のVの種類による。
5.後件に意志表現は使えない。
参考文型
例文
彼は料理の基本的な用語さえ知らない。
彼女は英語のアルファベットさえ書けない。
彼らは兄弟なのに、互いにメールアドレスさえ知らない。
彼は自分が何を言っているのかさえ理解していない。
彼はテレビドラマや映画に出演したことさえあるほどの有名人だ。
彼女はマンガさえ読んだことがない。
彼らは飛行機に乗ったことさえない。
彼は自分の電話番号さえ覚えていない。
彼らは結婚式の日程さえ決めていない。
彼は自分の家族の住所さえ知らない。
彼女は経済学の基礎用語さえ理解していない。
彼らは自分たちがどこにいるのかさえわからない。
彼は自分が何をしたいのかさえわからない。
彼女は命さえも犠牲にしてでも、子供たちを守りたいと思っている。
日本語さえできないのに英語なんか絶対無理だ。
有名になるためなら、プライドさえも捨てる。
傍にいることさえ叶わない。
合格した彼は後姿さえ嬉しそうだ。
ぼくは気づきさえしなかったんだ。
彼のこと、名前さえ知らなかったよ。
相手にさえしてくれなかった。
用法②:最低条件
≪接続≫
Vマス形+さえす/しなければ・Aく・Naで・Nで+さえあ/なければ┃以下接続例
V:食べます+さえすれば/さえしなければ
A:難しく+さえあれば/さえなければ
Na:元気で+さえあれば/さえなければ
N:雨で+さえあれば/さえなければ
≪意味・使い方≫
XさえYば。
- Xになれば、Yになる <”If only the condition X is fulfilled, then Y will be the result.”>
1.Xの条件「だけ」が成立すれば、Yである
2.「さえ~ば」の形は他にも「さえ~たら・さえ~なら」などもあるが、学習者の負担が増すので、教えない方がいい。他参考書を見ても「さえ~ば」のみ扱っていることが多い。
例文
彼は時間さえあれば、いつでも旅行に出かけたいと思っている。
彼はお金さえあれば、すぐに車を買うだろう。
彼女は体が健康でさえあれば、何も不満はないと言っていた。
彼は努力さえすれば、夢を実現することができると信じている。
彼女は愛情さえあれば、幸せだと感じている。
彼は資格さえ取得すれば、転職するつもりだ。
彼女は自分の意見さえ通せば、満足する性格だ。
彼は友情さえあれば、寂しさを感じることはないと思っている。
彼は成功さえすれば、家族を幸せにできると信じている。
彼女は仕事さえなければ、毎日ゆっくりと過ごしたいと言っていた。
彼は根性さえあれば、どんな試練でも乗り越えられると考えている。
週刊誌は売れさえすればいいから人が不幸になる記事も平気で出す。
娘さえいれば。それだけで十分。
悪い事をしても、謝りさえすればいいと思っている人がいる。
彼は時間/暇さえあればいつもゲームをしている。
私は子どもさえ無事に生まれれば死んでもいい。
彼は自分さえよければいいと思っている。
あなたの病気は薬さえ飲めば治るものじゃない。入院が必要だ。
料理が上手でさえあれば誰でもいい。
本当にこの曲大好きで暇さえあれば口ずさんでいる。
あと一球投げさえすれば勝てる。
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