【JLPT N2】「に関して」

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「に関して」【N2】

用法

≪接続≫
 N+に関して
┃以下接続例
    V:なし
    A:なし
  Na:なし
    N:問題+に関して

≪意味・使い方
 Xに関してY。

  1. XについてY <about X, Y>
  2. 「話す・聞く・調べる」などの行為の対象について言うときに使う
  3. Yが名詞の時は「~に関するN」となる

例文

このことに関して私は物心ついた時からずっと考えてきた。 (I have been thinking about this matter since I can remember.)

条件や稼ぎに関しては店舗次第です。 (Conditions and earnings depend on the store.)

この件に関しては保留させてください。 (Please let me defer on this matter.)

こちらに関しても現在検討中です。 (We are currently considering this matter as well.)

外交に関して言えば、政治家よりも国内のトップクラスの大手企業の役員らが務めたほうがよさそうだ。 (When it comes to diplomacy, it seems that top executives of leading domestic companies are more suitable than politicians.)

個人の情報配信に関しては、やはりやった方がいいと感じる事が多い。 (When it comes to personal information sharing, I often feel it’s better to do it.)

私は車に関して無知だ。 (I am ignorant about cars.)

その問題に関して、彼は独自の見解を持っています。 (He has his own opinion on that issue.)

その法律に関して、多くの意見が寄せられている。 (There are many opinions regarding that law.)

教育改革に関して、国全体で議論が行われている。 (There is a nationwide discussion on educational reform.)

登録に関するご質問にチャットでお答えいたします。 (We will address your questions about registration via chat.)

類似文型とその違い

について【N3】
に対して【N3】
を巡って【N2】

「に関して」を含め、これらはすべて「対象」に関する文型ですが、それぞれ使い方に違いがあります。

まず、「について」と「に関して」は、意味としてはほとんど同じで、「見る・聞く・調べる」などの行為の対象を表します。大きな違いは使用される場面です。「について」はやわらかく、会話などで用いられ、「に関して」はかたく、書き言葉で用いられることが多いです。また、後ろに名詞を持ってきて「~に関するN」ということができますが、「~につくN」という言い方はなく、「~についてのN」となります

次に、「について/に関して」と「に対して」の違いですが、これは「対象」が異なります。「について/に関して」は対象が「内容」ですが、「に対して」は対象が「相手」になります。したがって、「社長について質問した」という文は、質問の内容が社長であるのに対し、「社長に対して質問した」は、質問の相手が社長である、ということになります。なお、「に対して」は、助詞「に」と入れ替え可能な場合が多いです。つまり、「社長に対して質問した」は「社長に質問した」と言い換えることができます。

最後に、「について/に関して」と「をめぐって」の違いです。これはいずれも対象は「内容」なのですが、「~をめぐって」はなにか議論をするときに使います。したがって、動作主は必ず複数人となります。つまり、「私は環境問題について考えた」とは言えますが、「私は環境問題をめぐって考えた」とは言えません。

このように、「について」「に関して」「に対して」「をめぐって」は、いずれも対象に関する文型である者の、使う場面や対象物、動作主の数などに違いがあります。

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