「かたがた」【N1】
用法:ついでに・兼ねて
≪接続≫
N+かたがた
V:なし
A:なし
Na:なし
N:お礼+かたがた
≪意味・使い方≫
XかたがたY。
- Xのついでに、Yする/XとYを同時にする <While>
- Xは動作性のある名詞のみ
- 聞き手に対して敬意を表す言い方
- 改まった手紙や会話で使われる
1.基本的にはXが主要な目的であるが、XとYが同程度の重みをもっている場合もある
例:ご出席賜りますよう、ご案内かたがたお願い申し上げます。
2.「がてら」と用法が似ているため、「行きかたがた」のように動詞のます形で使われる時もあるが、誤用である
例文
墓参りかたがた子どもの頃から行きたかった場所を訪ねてみた。
今朝は散歩かたがた海に来ました。
今年もお手伝いかたがたお祭りを楽しみたいです。
昔の同僚が、観光かたがた来日してくれた。
まずはお礼かたがたご挨拶申し上げます。
この場をお借りして、ご報告かたがた御礼申し上げます。
みなさまに、ご報告かたがたお知らせ申し上げます。
ウォーキングかたがた、少し遠くの神社まで足を伸ばした。
近くまで来たので、ごあいさつかたがたお顔を見に来ました。
よく一緒に使われる言葉・文型・表現
「お礼」「ご報告」「ご案内」「ごあいさつ」
類似文型とその違い
「XかたがたY」「XついでにY」「XがてらY」は、どれも「XとYを同時にする」という意味ですが、使われる場面や使い方、微妙なニュアンスなどが異なります。
まず、「かたがた」はかたい表現で、かしこまった場面や改まった場面で使われるのに対して、「ついでに」と「がてら」は日常会話でよく使われます。
次に、「Xかたがた」のXは動作性のある名詞に限られます。「Xついでに」のXは、動詞の辞書形または名詞+「の」となります。「Xがてら」のXは、動詞のマス形または名詞となります。
それから、「かたがた」は相手に敬意を表す場面でよく使われます。例えば、「先日のお礼かたがたご挨拶に参りました。」のように使います。そして、相手の行いに対して使うことはできません。例えば、「彼はお礼かたがたご挨拶に来てくれました」とは言いません。
また、「がてら」は、誰かに指示する際に使うと違和感が出ます。例えば、「買い物がてら銀行でお金をおろしてきて。」という文には違和感があります。
さらに、「XかたがたY」は、Xが主要な目的であるもののYもそれと同程度の重みがあり、Xが行われるときにはYもほぼ100%の確率で行われます。一方、「XついでにY」と「XがてらY」は、Xが主要な目的でYは「できたらいい」程度のニュアンスです。
このように、「かたがた」「ついでに」「がてら」には、使われ方やニュアンスに異なる部分があります。
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