接続
フ(Na/Nである)+からには
用法
1.話者の「後件するべきだ」という意志を表す。後件は「前件だから当然後件だ」という責任や義務
2.後件の多くは決意、覚悟などの言葉が多く、話し手の個人的な感情や意気込みが強く感じられるので、相手や場面によっては不適切な使い方になる
・チケットをお持ちでない×からには 〇ので/場合は、ご入場いただけません
・どんなに経験がある人でも、人間である△からには 〇から、間違いは必ずする
一緒によく使う言葉
後件は「べきだ・に違いない」など話者の意志を表す言い方、相手への働きかけの言い方が来る
例文
留学試験を受けるからには、毎日勉強しなければならない
秘密を知られたからには、生かしておけない
生まれて来たからには自分らしく生きて悔いなく死のうと思います
やるからには成功させよう
やるからには中途半端はしません
やるからには1番になりたい
やるからには最後までやりきろう
やるからには全力でやる
人を差別者として告発したからにはそれなりの責任が生じます
こうと決心したからには、それをやり遂げないといけない
入ったからには逃げずに続けるしかない
類似文型とその違い
「からには」「以上は」「上は」は用法が似ています。いずれもある前提条件に基づいてその後の行動や結果を述べる表現ですが、ニュアンスや用法に違いがあります。
比較と違い
表現
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ニュアンス
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主観性/客観性
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感情の強さ
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使用場面
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「~したのだから、やるしかない」強い義務感と覚悟
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主観的
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強い
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決意表明、約束、意気込み
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「~したのだから、こうなるのが当然」論理的帰結
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客観的
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弱い
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事実ベース、公式な説明
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「~したのだから、こうする」決意と責任の強調
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主観的
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中程度
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決意表明、責任感の表明
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使い分けのポイント
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感情や覚悟を強調したいなら「からには」
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個人的な決意や意気込みを強く出したいとき。
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論理的・客観的な帰結を示すなら「以上は」
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状況の必然性を冷静に述べたいとき。
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決意と責任をバランスよく示すなら「上は」
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主観的な意志を込めつつ、状況に基づく行動を述べたいとき。
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