JLPT文法解説:をめぐって N2

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用法

接続

名詞だけに接続┃以下接続例
   V:なし
   A:なし
 Na:なし
   N:問題+をめぐって

意味・使い方

X:文型の直前にある言葉 Y:文型の直後にある言葉

1.Xという情報の内容を取り上げ、それをどうするかを後件で述べる。

2.動作をする人は複数でないといけない。

 ・自分の将来 ✕をめぐって 〇について ✕に関して 一人部屋で悩んでいた
 (↑一人で行っているため「めぐって」が使えない。自分の将来はすこぶる私的なので「関して」も使えない。)

3.話す、聞く、知る、考える、書く、調べる、説明する、などの行為で扱う対象を言う時に使う文型

4.Yが名詞句の場合「をめぐる」となる

5.メグルは「巡る」と漢字で書かれる。「巡る」の意味は「~の周りを回る」という意味である。「つまり議論されている事柄N(議題)の周りを囲って複数で議論する」というイメージで覚えるといい。

例文

×を巡って 〇巡る

二人の大統領を巡る戦いが1年7カ月続いた。

〇を巡って 〇巡る

捕鯨を巡って論争が起きている。

その国では人権問題をめぐって戦争が起こった。

少子化対策をめぐる様々な議論がされた。

〇を巡って ×巡る 

亡くなった父が所有していた土地を巡って兄弟はケンカした。

石油を巡って今その2つの国は議論している。

彼女をめぐって二人はケンカした。

その問題を巡って両国は争っている。

新しい法案をめぐって野党と与党は議論している。

南スーダンは2011年に独立後、大統領派と副大統領派が石油利権をめぐって対立した。

過酷な長時間労働が、いま電通をめぐって問われているのだ。

本会議開催をめぐって、議運委員長が与党に努力を求めてる。

制作で武蔵役をめぐって火花が散ったのではないか。

TPPをめぐって政権時代の民主党がどれほど割れたか。

アレクサンドロス大王が死んだ後、跡継ぎをめぐって部下が揉めたらしい。

相手・対象族

について N3

に関して N2

に対して N3

を巡って N2

相手・対象のマトメ分類

についてN3
 対象
 制限ゆるい
 唯一初級(L21)で既習
に関してN2

 硬いニツイテ
 制限きつい
に対してN3
 ①対象②対比
を巡ってN2
 議論する
 マイナス寄り

【Ⅰについて に関して】【Ⅱに対して】【Ⅲを巡って】のように分けられ、その中でもⅡが異質

ニツイテ:内容  ニタイシテ:行為の対象

 ・社長に対して質問した(質問した相手は社長)
 ・社長について質問した(質問した内容は社長の事。質問した相手が社長かどうか不明)

硬さ・会話での使用率

を巡って・に関して > に対して > について

動作主の数

について→単・複
に関して→単・複
に対して→単・複
を巡って→複

複合助詞として見た時に切り離して、V部をVジにできるもの

について→×につくN
に関して→〇に関するN
に対して→〇に対するN
を巡って→〇を巡るN

以下2点より、ニタイシテは「行為」と「内容」に影響する文型であり、異質である

◆内容に『のみ』言及している文型かどうか
 〇について 〇に関して ×に対して 〇を巡って

◆助詞「に」と入れ換え可能かどうか
 ×について ×に関して 〇に対して ×を巡って
ニタイシテは対象の助詞「に」と置き換え可能な場合が多い

それぞれの詳しい解説と例文

について N3」 「に関して N2

に対して N3」 「を巡って N2

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