動詞の種類┃本動詞と補助動詞

アスペクトによる分類

動詞に「~ている」をつけたときの意味の違いに着目したもの

①状態動詞

「~ている」の形にできない
例:ある 要る 居る 異なる 違う (見える、等の動詞の可能形も含まれる)

1.「できる」は「英語ができる」の様に、可能性・能力を表す時は状態だが、「準備ができる、にきびができる」の様に完成や出現を表す時は「テイル」で使えるため状態ではなくなる

2.「分かる」は「分かっている」と例外である

3.「ある」は「ている」が付かないため、アスペクトという文法カテゴリを持たない動詞

②動作動詞/継続動詞/非結果動詞

継続する動作を表す。「~ている」で進行中を意味する
例:作る 食べる 走る

③変化動詞/瞬間動詞/結果動詞

「~ている」で動作の結果、変化した後の状態が持続していることを表す
例:止まる 死ぬ 結婚する

④形容詞的動詞

形容詞に近い働き。「~ている」で人や物の状態や性質を表す。「~ている」で無いと使いにくい

例:ありふれる 優れる そびえる

本動詞と補助動詞

動詞本来の意味で使われているのかそうでないのか。

本動詞 :動詞本来の実質的な意味を表すもの
補助動詞:動詞のテ形+補助動詞で使用。なんらかの意味を付け加える。「いる ある みる おく しまう あげる もらう くれる いく くる」などがある

動詞本来の意味を保っている場合は、「テ形」の後でも補助動詞ではない
例:

  • 彼はここへ自転車に乗ってきた(「来た」の本来の意味がちゃんと入っている)
  • ポケットにハンカチをたたんでしまう(「しまう」は「片付ける」の意。つまり本来の動詞の意味使用)
  • 商品を机の上に順番に並べておく 
  • 暗いので明かりをつけてみる(例えば、「プレゼンのために~並べておく」「試しに~つけてみる」だと補助になる。一言入れるだけで本動詞から補助動詞になることがある)

助動詞と動詞の境界

助動詞と動詞の境界は必ずしも明確ではなく、各言語により助動詞の基準は異なる。日本語では、「-て」に続くものが助動詞。

助動詞は通常、動詞が本来の意味を失って文法機能だけ表示するようになったものである。助動詞の多くは通常の動詞としての用法も残している。例えば日本語の「いる」や英語の have は、助動詞として使われる一方で通常の動詞としても使われる。

母語話者にとって、元の意味とのつながりが感じられる場合もそうでない場合もある。助動詞は文法機能のみを表すので、必ず内容を表す動詞と共に使われる。この動詞を本動詞と呼ぶ。この時、時制や一致を示すのは助動詞のほうであり、本動詞は特定の形態(原形、分詞形など)を示すのが普通である。

以下の例で、日本語、英語どちらも本動詞は変化しない(「食べて」と eating)
・彼はりんごを食べている。 (日本語の進行形、非過去)
・彼はりんごを食べていた。 (日本語の進行形、過去)
補助動詞には「降り始める」の様に動詞本来の意味が強く残っているもの、「食べてみる」の様に意味が薄れた使い方とがある

文法化

文法化とは、ある語の意味が希薄化して文法的な性質が強くなる現象

色々な動詞

①相互動詞

相手がいることが前提となる行為。

  • 相手が常に必要である
  • 主語の人物だけでは成立しない。
  • 「~と」の形をとる。

「~と一緒に」に置き換えができない
例:戦う 話し合う 仲良く/けんか/結婚/相談する
例えば、「久し振りに、同僚と飲んだ」という文は、「~と一緒に」とできない為、「飲む」は相互動詞ではない。

助詞「と」を「に」にすると意味の変わるものもある
例:父と相談する(二人で一緒に考える) 父に相談する(父は相談を受ける)
「に」は行為主体の積極性を表す

②授受動詞

「やりもらい動詞」とも。事物の授受を意味する動詞 

例:やる もらう くれる の敬語表現→ 下さる 頂く (差し)上げる

③生産動詞

動作の結果できたものを目的語とする動詞

例:ご飯を炊く セーターを編む 湯を沸かす 炭を焼く ←セーターはもう編む必要はないし、湯はこれ以上沸かす必要もない

「穴を掘る」の「掘る」や「糸を紡ぐ」の「紡ぐ」などが典型。この場合「穴」は地面などを掘った結果生じたものであり、「糸」は綿や毛を紡いだ結果生じたものであるから、「花瓶を割る」における「花瓶」とは明らかに異なる。このようなものは一般的に「結果目的語」などと呼ばれる。
ただし、結果目的語をとり得るVでも、目的語が変化する以前の状態をとりたてて問題にしたい場合などは、変化前の状態にある目的語をとることも可能。「固い岩盤を掘る」や「やかんの水を沸かす」などがその例。

④転成動詞

他の品詞に接尾辞をつけて作られた動詞

例:春めく 大人びる 赤らむ 嫌がる

⑤借用動詞

<動作名詞+する>の形。「勉強をする」は違うので注意

例:食事する 掃除する 

⑥…項動詞

「子どもがチョコレートを食べた」では、「子どもが」と「チョコレートを」と、必須の名詞句(項)が二つで、「食べる」は二項動詞と呼ばれる。これに対して「贈る」では、「一郎が」「華子に」「花束を」と三つの名詞句が必要で、三項動詞。「咲く」は「花が咲いた」と項が一つなので、一項動詞。

複合動詞

「見回る」「近づく」など、2語以上の自立語(語基)からなる動詞のこと。通常は「動詞+動詞」のものを指すことが多い。複合動詞は、後項動詞(後ろ側の動詞)の担う意味・機能によって、語彙的複合動詞と文法的(統語的)複合動詞の2つに大別される。

語彙的複合動詞
後項動詞が結合後も本来の語彙的な意味を担っているもの。
例:見回る=見る+回る

文法的(統語的)複合動詞
後項動詞が文法的な機能を担うようになったもの。
例:食べきる≠食べる+切る(「食べきる」の「きる」は完了・完遂のアスペクトを表す。)

日本語学習者にとって難しいのは、文法的複合動詞である。中級以上になると「~きる」、「~かける」のように意味用法が複数あったり、「~こむ」のように本動詞からは意味が連想しにくいものもあるので、語彙指導の際には注意が必要。

まとめ

日本語学習者がもし「ている」の用法がわからないと言ってきた時、同じ「ている」だからといってどの例文を言っても言い訳ではない。上のように様々な用法がある為だ。瞬間動詞で聞いてきたら、瞬間動詞の例を教えなければ面倒なことになるし、質問したのに答えを聞いて余計混乱してしまう。

「て形」の11の機能 + 「ている」の機能

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