日本語の文にはいくつか種類があります。中でもわかりやすいのは平叙文と疑問文ではないでしょうか。
平叙文:これはおいしいです。
疑問文:これはおいしいですか。
他にもいくつか種類があるので、それらを3つの分け方で説明していきます。
1.表現意図による分類
感嘆文
話し手の感情を直接表現し、聞き手の注目を期待する
例:
なんということか。
そんなまさか。
嘘だろ?
なんて美しい人だ。
命令文
命令、禁止、要求、勧誘、依頼などを表し、聞き手に行動を促す
例:
行け。
行きなさい。
やめろ。
早く来てください。
それを渡してほしいのですが。
疑問文
話し手が相手に未知の部分の情報を求めたり、自分自身に問いかけたりする
※疑問文の種類としてはまず真偽疑問文(Yes-No疑問文)と疑問詞疑問文(WH疑問文)とがある
例:
これでいいですか。
どうして?
平叙文
上3つにはいらず(基本的な形)、断定、打消、推量、意志などを表し、聞き手に理解を要求する。一般に、現実をありのままに述べるときに用いられる
例:
明日は晴れる。
社長はいらっしゃいます。
真偽疑問文
Yes-No疑問文
例:
重いですか。
座ってもいいですか。
疑問詞疑問文
WH疑問文
例:
どこにいらっしゃるんですか
選択疑問文
“or”を使った疑問文。二つ以上のものを挙げて、どちらかの答えを選択させる
例:
私と彼女とどっちが好きなの?
否定疑問文
文中に否定語を含む疑問文 why don’t you と同じ
例:
もう仕事はしないのですか。
彼は忙しくないのですか?
否定疑問文の注意点
A:傘持ってないよね?
B:うん。持ってないよ。
日本語では「はい/うん」は相手の意見に同意、「いいえ/ううん」は相手と異なるときに使う。又「はい」は単なる相づちとして使われる。
日本語は、英語のように「はい」+肯定、「いいえ」+否定が必ず成り立つとは限らない。
2.文の構造による分類
単文
単一の述語を中心として構成された文
複文
複数の述語からなる文。複数の節で構成される
節
複文を構成する述語を中心とした各まとまり
主節
文末の述語を中心とした節で、文全体をまとめる働きをする
接続節
主節以外の節で、二つに分けられる
従属節:主節に従属的な関係で結びつく(主節に対等ではない)
並列節:複文の中で主節と対等な関係
例:
「太郎が重い荷物を軽々と運んだ」 単文
「太郎が重い荷物を軽々と運んだので、花子は驚いた」 複文 下線は述語
「彼は賢いが猾くない。」(⇒「彼は賢い。」+「彼は猾くない。」) 複文
「母がAを持って来て、私はBをもってきた」(どっちが先でもOK) 並列節
「お腹が減ったので(従属節)、ラーメンを食べた(主節)」
3.述語部分による分類
名詞述語文
述部に名詞を持つもの
「私は仕事が生きがいだ」
「あの二人は兄弟だ」
形容詞述語文
述部にイ形容詞、又はナ形容詞を持つ
「その問題は複雑だ」
「鎌倉に行きたい」
動詞述語文
述部に動詞を持つもの
「意見が違う」
「鎌倉に行く」
練習問題
問題をやってみましょう。以下の4つの文中にある太字部分の中で1つだけ品詞が違います。どれでしょうか。答えは下にあります。
「このジュースは水っぽいです」
「女の子を助けるなんて、男らしいですね」
「ここ、ちょっとガス臭いですよ」
「泥棒が侵入したみたいです」
「泥棒が侵入したみたいです」だけがな形容詞(形容動詞)で、他はい形容詞(形容詞)です。
TIPS
SOVが世界で一番多い
実はSOV「私は本が好きだ」の形は世界で一番多い
SOV―46% SVO―35% VSO―18%
世界の言語の80%以上がSOVかSVO。多い順に並べると SOV> SVO> VSO> VOS> OVS> OSV(OSVタイプの言語は見つかっていない)
日本語は無生物主語を嫌う
this bus takes you to the station(△このバスはあなたを駅まで連れて行く)the medicine cured the child.
語順
日本語には語順の制限が無いと思われがちだが、<述語は文末にくる>という原則がある
高度な文
A:おじさんは、とってもりっぱなかさをもっていました。くろくてほそくて、ぴかぴかひかったつえのようでした。
B:わたしははやしです。わたしはにほんじんです。わたしはにほんごのせんせいです。
「私」「は」「車」「が」「好き」「です」の場合6文字という数え方で計算した場合、上のAは小学校一年生の教科書。Bは日本語学習者の。Aの方が高度な文を使いこなしている。ちなみに小1までに5000~6000文字を日本人は覚える。
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