「すぐ」「早く」「早速」「すぐさま」「ただちに」「早めに」の違い

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まとめ

すぐ 開始時間に焦点
早く 継続中の時間に焦点

以下、詳しく見ていきます。

「すぐ」と「早く」の比較

歩け

✕もっとすぐ歩け。
〇もっと早く歩け。

「もっと」は程度のある言葉に付きます。「早い」というのは「少し早い」や「かなり早い」と言えますが、「すぐ」は言えません。

帰らないと

?今日は彼女の誕生日だから、すぐ帰らないと。
○今日は彼女の誕生日だから、早く帰らないと。

この「早く」は早い時間を表し、「いつもは5時に帰るが、今日は4時に帰らないと」と言っています。

開始した後か、もう既にしているか

A:もう宿題をしましたか。
B:いいえ、まだです。
A:じゃ、すぐしてください!
最後のAの発言には「問題集を広げ、宿題を”開始”しろ」という意味があります。
A:もう宿題をしましたか。
B:今していまーす。
A:じゃ、早くしてください!

最後のAの発言には「”今動かしている”そのペンを早く動かせ」という意味があります。

A:Bさん、すぐ食べてください。 (Bさんはまだ食べ始めていない)
A:Bさん、早く食べてください。 (Bさんはもう食べているが、食べるのが遅い)
○お酒を飲むと、すぐ眠くなります。
×お酒を飲むと、早く眠くなります。
 

自然現象

〇曇ってきたし、すぐ雨が降ると思うよ。
✕曇ってきたし、早く雨が降ると思うよ。
上の文のように、「雨が降る」という自然現象を表す文では「すぐ」が適当です。主観的な早さを含む「早く」は使えません。

相手に動作をさせる文の時はどちらも○

○すぐここを離れた方がいいです。
○早くここを離れた方がいいです。
?もたもたするな!すぐ歩け!
◎もたもたするな!早く歩け!

「もたもたするな」ということは、もうすでにもたついている行動(この場合、「歩く」)をとっていることになります。既に歩いているのですから、「すぐ歩け」というのはおかしいです。

○すぐ来てください。(まだ家を出ていない人に対して言う)
○早く来てください。(もう家を出ているが、歩みが遅い人に対して言う)

終了時間に焦点

「すぐ」は動作の開始時間だけではなく、終了時間にも焦点をあてます。

母「今作ってるからねー、すぐできるから、もうちょっと待っててね。」

母と子の会話です。料理はもうすぐできる、これは開始ではなく、終了に焦点があてられています。

○すぐ波が来るぞ、○早く逃げろ。

逃げる動作が速い。
前件は波がここに到着する、終了に焦点を当てたもの。

×早く波が来るぞ、○すぐ逃げろ。

逃げる動作の開始が早い。

早く すぐ 早速

すぐ:より急いでいる
早速:話者が思っているよりも早く、「~したい」「~てください」が続くことが多い、「満を持して」「予想通り」というニュアンスが含意される。

火事だ!( 〇早く △すぐ ×早速 )逃げろ!
先生「じゃ( 〇早く 〇すぐ 〇早速 )試験を始めましょう」

出席を取るなどした後に、ひと段落してから先生が言うなら「早速」

さっき買った帽子を( 〇早く 〇すぐ 〇早速 )かぶりたい。
彼は結婚してから( ✕早く 〇すぐ 〇早速 )浮気した。
「すぐ」はただ単に早さを言っているが、「早速」と言うと「はいはいやっぱりね…」という意味が含意される。
昨日できたばかりの店に( ×早く 〇すぐ 〇早速 )行った。
( ✕早く ✕すぐ 〇早速 )のご返信ありがとうございます。

 

ただちに 即座に

最も近いのは「すぐに」である。しかし、「ただちに」は緊急性、危険性が高く、かたい場面で使われることが多いです。

ただちに避難してください。
社会情勢に即座に対応できる企業だけが生き残る。

 

 

早めに

最も近いのは「早く」である。

すぐさま

無意志的で、文語的な言葉である。

普段日常で口にすることはあまりありません。

泥棒は警察を見てすぐさま逃げ出した。

✕すぐさま逃げてください。(無意志的だから✕)

その他似た言葉

「じきに」は「早く」という意味はありません。「もうしばらくしたら」という意味です。

彼はまだ若いからわからないのも仕方がない。しかし、じきにわかる時が来る。
じきに春になる。

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