「先生と教師は何が違いますか」に見る学生の質問の答え方

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初級の質問の答え方

学生から単語の意味の違いについて質問されることがよくあります。

例えば、「先生」と「教師」は何が違いますか。という初級前半の単語の質問があります。

あなたはこれにどう答えますか。

S:「先生」と「教師」は何が違いますか。

T:「先生」はこれ、(と言った後に先生を呼ぶように走るジェスチャー)、先生!「教師」は、私は教師です。父も教師です。でも、これはだめです(と言った後に手招きしながら走るジェスチャーで先生を呼ぶように)、教師!

以上のように説明するとわかりやすいです。

これは教えるのも簡単な部類ですが、では、「人」と「人間」、「血」と「血液」のような違いはどのように教えればいいのでしょうか。

学生が求めているのは辞書のような説明ではない

それでは、「人」と「人間」などの中級以上で出てくる単語の違いの教え方です。

既習語彙の増えた中級以上ならジェスチャーなども少なく済みます。

「人」と「人間」

S:「人」と「人間」は何が違いますか。

T:「私、あの人嫌い」は言いますが、「私、あの人間嫌い」とは言いません。

このように、実際に使われている用例を提示すると、ほとんどの学生が「あ~」と納得してくれます。学生が求めているのは辞書のような説明ではありません

S:「人」と「人間」は何が違いますか。

T:人間は人より難しいです。かたい言い方です。新聞や小論文で使います。人は簡単です。初級で使います。私、皆さんは人ですね

説明が間違っているという事はもちろん、このような長い辞書のような解説は結局学生の知識欲を満たしません

「血」と「血液」

次に、「血」と「血液」の違いの教え方です。

S:「血」と「血液」は何が違いますか。

T:「あ、血が出ているよ」は言いますが、「あ、血液が出ているよ」とは言いません。

S:じゃ血液はいつ使いますか。どうやって使いますか。

T:「血液検査」みたいな、医療、病院、医者が使う言葉です。血も使うけど、日常ではあまり血液を使いません。

「虫」と「昆虫」

最後に「虫」と「昆虫」の違いの教え方です。

S:「虫」と「昆虫」は何が違いますか。

T:「あ、虫が背中に付いているよ」は言いますが、「あ、昆虫が背中に付いているよ」とは言いません。

違和感から変えた教え方

日本語教師を始めた頃、学生が実際に知りたいことと、私が説明していることがマッチしていないんじゃないか、と私は違和感を覚え始めました。そこで、私は上のような教え方に変えました。すると、私の説明を聞いた時の学生の顔が変わったのです。

そして気づいたのです。学生が知りたいのは、「長い説明じゃなくて、実生活でどのように使われているのか」ということを。

上の教え方の利点は、単語の意味を深く理解していなくても、日本人であればある程度その場ですぐに返答できること、さらに学生の納得の表情を見られることです。

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