私は授業で口頭のみ、文字のみというのを好みません。授業には絵や色が必要です。今日は板書に色を添える「CLC(カラー文字カード)」というのを紹介します。
まずは今日紹介するものの全容です。
黒のペンだけで板書する方もいらっしゃいますが、これらCLCと色ペンを使えば、どこが強調されているかもわかりやすいですし、板書が明るく、きれいになります。
ということで、カードを一つずつ見ていきましょう。
疑問詞カード
いきなりカラーではないのですが、この疑問詞カードは大変有用です。裏に磁石を付け、貼り付けて使うことも、持ってキューとして使うことも可能です。
これは裏です↓ 裏にも教師から見えるように同じ文字を書いておきます。
T:(「行きます」のLCと「どうやって」の疑問詞カードを見せる)
S:どうやって行きますか
このように一言も発さず学習者に発話させることができます。
品詞磁石カード
品詞を色で分けた磁石シートです。日本語は接続が大変です。Na・Nは「~と思います」と接続する時はNa・Nダになりますが、「~んです」に接続する時はNa・Nナになります。接続は初級からずっと留意させるポイントですが、それを強調するための品詞磁石カードです。
それから、「~形」というのも日本語のやっかいなところです。受身動詞なのか、条件形なのか、て形、じしょ形と様々です。これもはっきりと示せるようにこのようなものを作ります。
時間や場所、人物を表す厚紙カード
私は 明日 学校へ 行きます。
という板書をします。この「明日」の部分を「昨日」に変えると、4課の時制の練習ができます。消す➔書く、という動作が磁石だと一瞬でできます。他にも、「~に行きます」を使って文を作らせたいなら「学校」の部分を変えるだけで様々な動詞を引き出せます。
T:(「海」と「行きます」を見せる)
S:海へ 泳ぎに行きます。
T:(「海」を「新宿」に変えて、「行きます」を見せる)
新宿へ 映画を見に行きます。
といった感じです。
このカードは厚紙で作るのですが、固めのものがいいでしょう。学生に持たせたりする使い方もできるので、ボロッボロになります。
角も切っておくと耐久性が上がります。
人物カード
私の教案にも何度か登場してますが、人が書かれた絵カードです。
これは例えば、授受を教える際、上下を含む授受では学生をWB前に呼んでやりとりを実演することができないので、この人物カードでやりとりを見せることができます。他にも使い方はたくさんありますが、割愛します。
誰
誰を書くかですが、揃えるのは
- 男性:おじいちゃん・大人の男性・男の子・先生
- 女性:おばあちゃん・大人の女性・女の子
- 無性別:無地の、顔も何の特徴もない人物を2人(「私」と「あなた」を示す)です。上に名前を書いて使うこともできます。
名前
グプタとかシュミットとか、言いにくいのはやめたほうがいいです。せっかく文型に集中しているのに、そんな名前の読み方でつまずくなんて時間の無駄です。
日本人のよくある名前で、かつ、促音、濁音などは少ない方がいいでしょう。子どもは「ちゃん・くん」、他は「さん」を名前の後に加えます。漢字で書くか、ひらがなで書くかは学生によりますが、多国籍なところだったら、ひらがなでOK。
サイズ
A4はWBに並べるだけで、だいたい5枚ぐらいでいっぱいです。板書ができなくなります。A5で印刷、字と絵の割合は1:3ぐらいでいいです。後ろに磁石をつけてラミネートすると経済的。
透明幅広テープ
CLCは厚紙と磁石シートを使うのですが、どちらを使うにしてもこのテープで覆う必要があります。なぜなら、使っていく内に厚紙なら汚くなりますし、磁石シートは汚くはなりませんが、油性で書いた文字が消えていきます。だいたいの百円ショップにあります。
まとめ
当サイトでは何度も言っているのですが、初級では教師の話が長くなるほど授業は悪くなります。ぺちゃくちゃ喋るためのセリフを考えるよりも、どうやったら喋る量を減らせるかに尽力した方がいいです。そして、PCやLC、CLCはそれを助けるための道具として大変有用ですので、時間のあるときに作って試してみてください。
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