JLPT文法解説:はおろか N1

用法

接続:

1.前件だけでなく、後件も前件と似た状態だと述べたり、前件に加えて後件も~だと累加を表す

2.YはXよりも難しい/簡単なもの、大切なもの、など程度が大きいものを置く

3.比べるものには程度や価値に差があるもの

4.日常使いはしない
 ×あのカレー屋はカレー~サラダもおいしい

5.マイナスの文になるため、後件は肯定の形もあるが、否定の形が多い。
 ×日本語学校は、ただ日本語を習うこと~、習慣も知ることができる

6.後件に意志、働きかけは×
 ×冬休みは国へ帰ることはおろか、国の家族に会いたい(意志)
 ×図書館では食事はおろか、話をしないでください(働きかけ)

一緒によく使う言葉

後件の文の主語に「さえ」を付けて強調する

ある留学生からこのようなメールをいただきました。

“YはXよりも難しい/簡単なもの、大切なもの、など程度が大きいものを置く”
と書いてあります。AはおろかBだとして程度の大きさを表すとA>Bになります。 
しかし、私が勉強している本では
” 「AはおろかB」 : 「Aを当然のこととして取り上げ、それよりも程度が上の場合の状態を強調する。”
と書いてあります。ここではA<Bになります。すると、まったく逆な説明となります。
お忙しいどころをお手数をおかけしますが、これについてもっと詳しい説明をもらえないでしょうか。

同じように疑問を持つ方がいらっしゃるかもしれないので、解答をこちらにも書いておきます。

おそらく、キム様の考える「程度が~」というのが理解できていないのだと思います。
AよりBはと言う時、Bの方が難しい場合もあれば簡単な場合も、大きい、小さい、高い、低い場合もあります。ですから、

 漢字はおろかひらがなさえ読めない

という文ではAの方が難しいです。そして、正しい文です。さらに、

 日本人の田中さんは漢字はおろかローマ字さえ読めない

という文では『田中さんにとっては』Bの方が難しいです。
つまり、話し手や主語によって何が難しく、簡単で、高く、安いのかは変わり得るのです。というか程度という言葉とはそういうものなのです。人によるのです。

 (来日1週間目、中国人の)張さんは、漢字はおろかひらがなさえ読めない

張さんにとって漢字とひらがなどちらの方が難しいでしょうか。当然ひらがなです。

程度の対比を表す文型

はおろか N1」  「ばかりでなく N3

うえに N3」  「のみならず N2

どころか N2」  「ばかりか N2

にかぎらず N2」  「だけでなく N3

はもとより N2

例文

そんな成績では進学はおろか、卒業すらできないよ

腰が痛くて、歩くことはおろか、寝ることさえ難しい

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