【JLPT N2】「上は」

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「上は」【N2】

用法:決意

≪接続≫
 Vジ/Vタ形+上は
┃以下接続例
    V:した+上は
    A:なし
  Na:なし
    N:なし

≪意味・使い方
 X上はY。

  1. Xだから当然Yである 〈Since X is the case, naturally Y follows. | 因为X,所以自然会有Y。 | Vì X là như vậy, nên đương nhiên Y sẽ xảy ra.〉
  2. 決意の強調: 「上は」を使うことで、「もう決めたのだから、後には引けない、もう戻れない」という強い意志や覚悟が感じられます。
    例: このプロジェクトを引き受けた上は、最後までやり遂げる。
  3. 責任の意識: ある行動を取った以上、それに伴う義務や結果を引き受ける姿勢を示します。
    例: 一度約束した上は、必ず守らなければならない。
  4. 自然な会話での使用: ややフォーマルな響きがあるため、日常会話よりも文章や決意表明の場面でよく使われます。
Teaching Points

「上は」は「~した以上は」という意味合いを持ち、ある行動や状況が確定した後、それに基づいて何かを必ず実行する、あるいはその責任を負うことを示します。「以上は」というニュアンスから、過去の選択や決断が現在の行動に影響を与えるという因果関係を表します。

よく一緒に使われる言葉・文型・表現

X上はY。
 
X:「決めた / 決心した」「約束した / 誓った」「始めた」「引き受けた」
例:留学すると決めた上は、努力を惜しまない。
例:友達を助けると約束した上は、必ず実行する。
例:プロジェクトを始めた上は、最後までやり遂げる。
例:この仕事を引き受けた上は、責任を持って進める。

Y:「頑張る / 努力する」「やり遂げる / 成し遂げる」「続ける」「目指す / 築く」
例:新しい挑戦を始めた上は、努力を怠らない。
例:この計画を立てた上は、やり遂げるしかない。
例:夢を追いかけると決めた上は、成し遂げてみせる。
例:ダイエットを始めた上は、最後まで続ける。
例:起業した上は、成功を目指すつもりだ。

例文

新しい仕事を始めた上は、全力で取り組むつもりだ。

弱小会社であるA社と合併する上は、しっかりこちらの条件をのんでもらわなければ

目標を立てた上は、途中で諦めないように頑張る。
 
一度約束した上は、必ず守るべきだと思う。
 
海外旅行に行くことを決めた上は、しっかり準備を進めよう。
 
このプロジェクトを引き受けた上は、最後まで責任を持つ。
 
浪人生を始めた上は、毎日コツコツ努力するしかない。
 
チームのリーダーに選ばれた上は、皆を引っ張っていけるようになりたい。
 
結婚を決めた上は、お互いを支え合う関係を築きたい。
 
ダイエットを決意した上は、健康的な生活を目指して頑張る。
 
新しい言語を学ぶと決めた上は、毎日少しずつ練習する。
 
起業すると決めた上は、リスクを恐れず挑戦し続ける。
 
ボランティアに参加した上は、できる限り貢献したいと思う。
 
試合に出ると決めた上は、全力でプレーしてチームに貢献する。
 
資格を取ると決めた上は、勉強時間をしっかり確保する。
 
自分を変えようと決心した上は、小さなことから始めていく。
 

例文付き画像

チームのリーダーに選ばれた上は、皆を引っ張っていけるようになりたい。

類似文型とその違い

「からには」「以上は」「上は」は用法が似ています。いずれもある前提条件に基づいてその後の行動や結果を述べる表現ですが、ニュアンスや用法に違いがあります。

比較と違い

表現
ニュアンス
主観性/客観性
感情の強さ
使用場面
「~したのだから、やるしかない」強い義務感と覚悟
主観的
強い
決意表明、約束、意気込み
「~したのだから、こうなるのが当然」論理的帰結
客観的
弱い
事実ベース、公式な説明
「~したのだから、こうする」決意と責任の強調
主観的
中程度
決意表明、責任感の表明
使い分けのポイント
  1. 感情や覚悟を強調したいなら「からには」
    • 個人的な決意や意気込みを強く出したいとき。
  2. 論理的・客観的な帰結を示すなら「以上は」
    • 状況の必然性を冷静に述べたいとき。
  3. 決意と責任をバランスよく示すなら「上は」
    • 主観的な意志を込めつつ、状況に基づく行動を述べたいとき。

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