「なんか」「なんて」【N3】「など」【N2】
用法①:提案
≪接続≫
N+なんか/なんて/など┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:本だ+なんか/なんて/など
≪意味・使い方≫
Xなんか/なんて/などY。
- XとかY <something like X>
- 例としてXを出して、「どうですか?」と聞くときに使う
- 「なんか」と「なんて」はほとんど同じだが、「なんて」の方が女性的
- 「など」は、レポートやスピーチ、お店の人などが使う
1.提案という言葉が難しいので、「~ませんか」「どう?」などを示し説明する
2.「なんて」は、後ろに助詞が来るときは使えない
例:これ(〇なんかは ×なんては)面白そうじゃん。
よく一緒に使われる言葉・文型・表現
「~なら、」「~んだったら、」など
Yに「どうですか」「いかがですか」など
例文
このラーメンなんかおいしそうでいいと思う。
スマートウォッチなんか、プレゼントにいいんじゃない。
A:何か新しい趣味を始めたいな。
B:あ、じゃあ、写真なんかどう?
A:新しい音楽を聞きたいんですが…。
B:それなら、ジャズなんかどうですか。
旅行するなら、ハワイなんてどう?
A:今日のランチ、何がいいかな。
B:ピザなんてどうかな?
結婚式に着ていくならこのワンピースなどいかがですか。
A:この近くでおしゃれなカフェに行きたいんですが。
B:あ、それでしたら、アンティークカフェなどいかがでしょう。
類似文型とその違い
「とか」
「でも」
「なんか/なんて」や「など」を含め、これらはあるものを例に出すときに使いますが、使い方が少し違います。
まず、2つ以上のものを並べて例を示すときには、「とか」しか使えません。例えば、「私は和食、例えば寿司とかすきやきとかが好きです」と言うことができますが、「寿司なんかすきやきなんか」や、「寿司など焼き肉など」と言うことはできません。
つぎに、「でも」は、相手と一緒に何かをするときにだけ使えます。例えば、「これからコーヒーでもどう?」という文は、「これから一緒にコーヒーを飲みませんか」という意味です。「×友達へのおみやげにコーヒーでもどう?」のように、相手と一緒にすることではない場合には使えません。
このように、「とか」「でも」「なんか/なんて」「など」は、例を出すときに使うことができますが、使い方が少し違うので、文に合ったものを選びましょう。
用法②:軽視
≪接続≫
N+なんか/なんて/など┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:本だ+なんか/なんて/など
≪意味・使い方≫
Xなんか/なんて/などY。
- Xはいやだ、大切ではない <X is awful, not important>
- Xのことを下に見る、大切に思わない言い方
- Xに自分を入れると、「自分はよくない」という気持ちを表すことができる
- 「など」は、スピーチなどのあらたまった場面で使う
1.「本物のダイヤなんて買えない」のように、とりあげたものごとが上のものすぎる、と言うときにも使い、少しの自嘲が含まれた言い方になる
例文
野菜ジュースなんか飲めない。
シーフードなんか食べられない。
コーヒーなんか飲めない。
オーガニックなんか気にしない。
ひらがななんか簡単だよ。
早起きなんてできない。
スパイスなんて好きじゃない。
ゴルフなんてやりたくない。
ダンスなんて踊れない。
私なんてテストで0点ばかりだ。
涙をさそう意図が見え見えのドキュメンタリーなど見たくない。
素人のクラシック演奏など聴いていられない。
英語であいさつをすることなど容易だ。
類似文型とその違い
「くらい」【N3】
「にすぎない」【N2】
「ごとき」【N1】
「なんか/なんて」「など」を含め、これらはすべて「Xなんか」「Xにすぎない」のように使い、Xを軽視しているという話者の感情を表します。軽視とは、軽く見る、重要だと思わない、大事にあつかわない、という意味です。
これらの文型は、使う場面や直前の品詞などが異なります。
まず、使う場面についてです。「なんか/なんて」「くらい」は、日常会話でよく使われます。「など」は、すこしかしこまった言い方で、あらたまった場面で使われます。「にすぎない」は、書き言葉で使われます。「ごとき」は少し古い表現で、マンガやドラマのセリフとして使われることが多いです。
つぎに、Xに使えることばの品詞についてです。「Xなんか/なんて」「Xなど」は、Xは名詞のみです。例えば、「ピアノの練習なんか/なんてもうやりたくない」「英語であいさつをすることなど容易だ」のように使います。
「Xくらい」は、Xは動詞、イ形容詞、ナ形容詞、名詞です。例えば、「ひらがなを書くくらいできる」「少し体調が悪いくらいでは休めない」「論文は、内容が正確なくらいでは足りず、深い考察が必要だ」「今どきスマホくらい誰でも持っている」のように使います。
「Xにすぎない」は、Xは動詞、ナ形容詞、名詞です。例えば、「日常会話ができるにすぎない」「彼は日本国内でのみ有名にすぎない」「彼はただの友達にすぎない」のように使います。
「Xごとき」は、Xは名詞(おもに人物)のみです。「ごとき」のあとには「が」または「に」が続きます。例えば、「彼ごときが私たちを止めることはできない」のように使います。
最後に、文末に使えるかどうかです。これらの中で、文末に使えるのは「にすぎない」のみです。
例:〇可能性にすぎない。
×可能性なんかだ/などだ。
×可能性くらいだ。
×可能性ごときだ。
このように、これらの文型は全てなにかを軽視しているという話者の感情を表しますが、使う場面や直前の品詞などが異なります。まとめると以下の通りです。
- 「Xなんか/なんてY」:会話で使う、X→名詞、文末×
- 「XなどY」:あらたまった場面で使う、X→名詞、文末×
- 「XくらいY」:会話で使う、X→動詞・イ形容詞・ナ形容詞・名詞、文末×
- 「Xにすぎない」:書き言葉で使う、X→動詞・ナ形容詞・名詞、文末〇
- 「Xごときが/にY」:マンガやドラマで使う、X→名詞、文末×
教え方・導入例
会話例を見せて、軽視のイメージを教授するとわかりやすいです。
例①「あなた!もっと子どもの心配もしてよ!」
「子どもなんかオマエ一人でいいだろ」
「(怒る)」
例②「お酒ばかり飲んでたら体に悪いよ」
「大丈夫大丈夫、お酒なんかで死なないよ」
参考文型

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