用法① 禁止(看板)
接続:Vジ+べからず
1.禁止の用法。会話ではまず使われず、多く看板などで見る
2.単純に禁止を表すわけではなく(「映画館内で撮る~」という看板はまず見ない)、田舎の山や水辺などにある看板に書かれている事が多い。
例文
熊出没!入るべからず!
この川、流れが速いため、泳ぐべからず。
蜂の巣あり!近づくべからず!
深い!入るべからず。(川の看板)
山にゴミを捨てるべからず。
絶対に遅刻するべからず。
組織では誰かの機嫌を損ねるべからず。
人を傷つけることは許すべからず。
クレジットカードで借金するべからず。
他人のプライバシーを侵害するべからず。
ゴミを放置するべからず。
人種や性別で差別するべからず。
他人を嘲笑するべからず。
人を無視するべからず。
周りの人に迷惑をかけるべからず。
自分自身の健康や安全を軽視するべからず。
用法② 禁止
接続:Vジ+べからざる
1.禁止の用法。会話ではまず使われず、昔の小説などで見る程度
比較文型:「べからず N1」
「~べからざる」「~べからず」、どちらも禁止を表し、どちらも古い言い方で、口語で使われることはほとんどない。
例文
この行動は許すべからざる。
その言葉は公の場で使うべからざる。
この場所には立ち入るべからざる。
彼女はあの男性と付き合うべからざる。
この仕事は命にかかわる危険な仕事なので、一人でやるべからざる。
その人物は信用するべからざる。
この問題は放置するべからざる。
あの店の商品は買うべからざる。
その態度は許容するべからざる。
この国での差別は許さず、行うべからざる。
その音楽は聴くべからざる。
この医薬品は濫用するべからざる。
その政治家の発言は信じるべからざる。
このテストは答えを見てからやるべからざる。
あの場所は立ち入るべからざると警告されていた。
したがって「あり得《う》べからざる事」などという不思議な出来事ではないかも知れません
経綸と覇道とは往々にして離るるべからざる関係を有し、治世の途は、如何にこの国この民を統御制裁するかの手段を講ずるを要す 大隈重信
「おお光よ、御身を目にするのも、もはやこれまで―― 生まれべからざる人から生まれ、 交わるべからざる人と交わり、殺すべからざる人を殺したと知れた、 ひとりの男が! 」 (ソポクレス『オイディプス王』)
「そこに、小柳先生の見られた”哲学者”と、”哲学者”と称せられた兪曲園との間に、すでに越ゆべからざる溝が掘られていることを認めねばならない」『支那学概論』
「儒教にいう孝は、子に独立の存在を認めていない。…親と子の間は…権威と服従の支配する世界にほかならず、尊卑の別…は永久に存在し、越ゆべからざるその間の身分的秩序の厳守が絶対的な要請とされている。一言でつくせば、孝は親に対する子の隷従の道徳なのである。」 鰐梨
菅の堤の櫻を見たるついでに、必ず訪はざるべからざる處也。 作品名:菅の堤の桜 著者名:大町桂月
始めべからざる戦争を始め、継続すべからざる戦争を継続して、今日の悲惨を招くに至ったのは、歪んんだ日本の教育にその一因がある。日本の教育改革が絶対に必要であることは、天下の世論である 山中俊人
「とくにイギリスとアメリカでは、ホームズ物語の熱烈な愛読者たちがホームズやワトスンを実在の人物と見なし、ドイルの原作を神聖にしておかずべからざる聖典とあがめて、仲間同士で研究や交歓をおこなっており、そういう人びとをシャーロッキアンと呼んでいる」 葛城 湊
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