「かいがある」「がいがある」【N2】
用法①:おかげで
≪接続≫
Vタ形/Nの+かいがある┃以下接続例
V:した+かいがある
A:なし
Na:なし
N:努力の+かいがある
≪意味・使い方≫
Xかいがある。
Xかいがあって、Y。
- Xをしてよかった。XのおかげでYになった。 <worth doing>
- Yには、Xによってもたらされた良い結果が来る
- 否定形は「Xかいがない」「Xかいが(も)なくY」となる
例:あの会社はつぶれてしまって、投資したかいがなかった。
努力のかいもなく不合格になってしまった。
1.口語ではよく「かいあって」と「が」の脱落が起こる
2.漢字で書くと「甲斐がある」となる
例文
優勝できてよかったね。たくさん練習したかいがあったね。
小さい頃からサッカー教室に通ったかいがある。
3年間がんばったかいがある。
素晴らしい景色だ!2時間も並んだかいがあった!
昨日は暑さに耐えたかいがあった。
日本人の生活に触れることができたので、留学のかいがあった。
料理教室に通ったかいがあって、基本的なものは作れるようになった。
マンガを描き続けたかいがあって、マンガ家としてデビューできた。
努力のかいがあって、希望の大学に合格できた。
早起きのかいがあって、焼き立てのパンを買うことができた。
丁寧なお世話のかいがあってか、みんな大きく健康に育ってくれた。
精一杯の応援のかいがあって好きなチームが勝ってくれた。
よく一緒に使われる言葉・文型・表現
「努力(した)」「練習(した)」「勉強(した)」「~し続けた」「がんばった」
「たくさん」「一生懸命」「精一杯」
類似文型とその違い
「おかげで」も「かいがある」も、どちらもいい結果がもたらされたときに使われますが、だれがその結果をもたらしたかによって使い分けられます。
「おかげで」は、誰かの行為が自分に良い結果をもたらした際に使われます。例えば、「先生のおかげで合格できました」などです。このように、人に感謝する際に、またその感謝を伝える際によく使われます。
一方で、「かいがある」は、自分の行為がいい結果をもたらした際に使われます。例えば、「努力のおかげで合格できた」などです。
また、「おかげで」は「おかげで元気になりました」のように、文頭に持ってきて環境などへの感謝をあらわすことができますが、「かいがあって」を文頭に持ってくることはできません。
用法②:手ごたえ
≪接続≫
Vマス形+がいがある┃以下接続例
V:し+がいがある
A:なし
Na:なし
N:なし
≪意味・使い方≫
Xがいがある。
- Xに手ごたえを感じる、Xにメリットや楽しみ、面白さがある <worth doing>
- 否定形は「Xがいがない」
- うしろに名詞が続くときは、「Xがいのある」という言い方もできる
- 「Xがい」のみで名詞として使うこともできる
例:この仕事にやりがいを感じる
漢字で書くと「甲斐がある」となるが、この用法では漢字で書かれることはあまりない
例文
おいしそうに食べてくれるから料理しがいがある。
今年の部下は育てがいがあるよ。
ボーナス額に反映されるから、努力のしがいがある。
世間に認められると思えば、頑張りがいがある。
この汚い部屋は掃除のしがいがありそうだ。
この子は教えたことをすぐ身につけるので教えがいがある。
彼は頼りがいがある人だ。
やりがいのある仕事を見つけた。
類似文型とその違い
「ごたえがある」
「~がいがある」と「~ごたえがある」は、どちらも「そのことから得られるものがある」という点では共通していますが、微妙にニュアンスが違います。
例えば、「読みがいがある」と「読みごたえがある」は、読書に対する持っている意味や意味合いが異なります。
「読みがいがある」は、読書をすることによって得られるメリットや楽しみ、面白さなどがあることを表します。例えば、「この本は読みがいがある」という文は、この本を読んで楽しめるということを意味します。
一方、「読みごたえがある」は、読書をすることによって得られる学びや知識などがあることを表します。例えば、「この本は読みごたえがある」という文は、この本を読んで多くのことを学べるということを意味します。
また、「~ごたえがある」には、「簡単にはできない」というイメージもあります。「歯ごたえがある」「噛みごたえがある」「食べごたえがある」などは、いずれも「簡単には嚙み切れない、食べきれない」という意味になります。
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