助詞「は」「が」の用法 違いと使い分け

5つの用法

①名詞修飾
②対比
③最低限(予想以上のモ)
④目前・話題(取り立てのハ)用法
⑤強調

①~⑤の内、①~④は初級でも教えるが、残りは取り立てて説明する機会はない。「は」「が」の違いを説明する際は、上クラスならまとめて教えても構わないが、一日二つか三つを二日に分けて教えるのが望ましいだろう。

①名詞修飾

名詞を修飾する節内の主語に付くハ→ガ

会話例:
T:これは何ですか
S:時計です
T:これは時計です。私は東京で買いました。長いですね。

これは私は東京で買いました時計です。

T:私ハはダメです。ハをガにチェンジします。買いましたもふつう形にチェンジ。ふつう形は?
S:買った
T:これは私が買った時計です

板書:

例文

  • 私はよく聞きます + これは音楽です ➔これは私がよく聞く音楽です。
  • 私は昨日作りました + それは料理です ➔それは私が昨日作った料理です。
  • 毎日彼は読みます + あれは本です ➔あれは毎日彼が読む本です。

関連:22課 名詞修飾

②対比

XとYを比べる際のそれぞれに付く助詞→ハ

会話例:
T:S1さんはひらがなが書けますか
S1:はい、書けます
T:じゃ漢字は?
S1:書けません
T:ひらがなが書けますが、漢字が書けません。ガはハにチェンジします

→ひらがなは書けますが、漢字は書けません

例文

  • お酒は辞められますが、たばこは辞められません
  • 昨日は風邪でしたが、今日は元気です

関連:27課 対比の「は」

③最低限

最低限の事を指す場合→ハ
これは予想以上のモと比較して教授するとわかりやすい

会話例:
T:結婚式は何人ぐらい来ますか
S1:うーん、50人ぐらいです
S2:100人
S3:500人
T:私の結婚式は1000人ぐらい来ました
S:ええ!
T:これがその時の写真です。何人いますか
S:たくさんいます。わかりません
T:100人じゃないね。500もちょっと少ないね。うーん、1000人はいますね

例文

  • A:漢字は日本で生活する上で2千字は覚えてほしい B:2千字も!?
  • 彼の結婚式には1000人は来たそうだ

関連:42課 最低限『は』 予想以上『も』

④目前・話題(取り立てのハ)用法

目の前にあるものを指す→ガ 話の中のものを指す→ハ

これは二つの用法を一つのセットで教えた方が比較できて、わかりやすい

本来は「物があります」と習っているのでガのはずだが、この用法ではガがハになる。その例を示した画像が上のもの。

例文

  • そこにいすがある
  • 田中さんの部屋にいすはある?
  • A:彼はどこですか B:彼は教室にいます
  • A:雨は降ってる? B:ううん
    (↑「雨が~」だが、Aは外の様子が見えない場所にいて、誰かに降っているかを確認している)
  • A(手品師):ここに500円玉がありますね

関連:17課 取り立ての「は」

⑤強調

何かに焦点を当て、話題のものを強調する

例文

  • 彼がクラスで一番ハンサムだ
  • A:彼が来たら、行こう B:え、彼はもう行っちゃったよ
    (↑Aは後一人、彼さえ来れば行けると言っているのに対し、Bは強調する必要がない)

まとめ

他にも既知未知(おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ~)など、ハ・ガの違いはまだまだあるが、とりあえずこれだけを抑えておけば、日本語教師としては十分であり、学生の質問にもおおむね答えられる。

ちなみに、①には呼び方に違いがある。
国語文法(日本人が学ぶ日本語)→連体修飾
日本語文法(外国人が学ぶ日本語)→名詞修飾
体言という言葉は日本語教育の世界では使われない。

関連:

名詞修飾節内の主語に付く「の・が」の使い分け

日本語教師のN1et、管理人による日本語教師養成レッスン詳細はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA