学校では学生だけではなく、教師にも禁止事項があります。
背を向ける
WB(ホワイトボード)前の立ち方です。やりがちなのが、学生に背中を見せて板書すること。学生に背中を見せてはいけません。理由は色々ありますが、その一つに『教師と学生間の緊張が途切れる』というのがあります。教師が学生を見ていない時間が長ければ長いほど、クラスがだらけます。だらけるとどうなるか。寝る。食べる。話す。内職。等々、教師にスキができてしまうと学生は悪い事をし始めます。
少し姿勢は悪いですが、後ろを向けるぐらいなら、まだ下のような立ち姿の方がマシです。
板書はできるだけ短くしましょう。体は学生に向けながら板書しましょう。
黙る
板書中のことですが、できるだけ書きながら話すようにしましょう。黙ってしまうと、これも上同様、スキができてしまいます。これは板書の基本です。
しかし、反対に話しすぎるのはいけません。学習者主体で、教師の発話量は極力少なくしましょう。
板書
日本語教師は板書する際、ルビを振らなければなりません。つまり、書く時間が二倍と大変手間取ってしまうのです。
これを解決するために教師は様々な工夫をします。例えばルビを入れ込み済みのLC(文字カード)をあらかじめ作っておく、などです。
さらに日本語学習者相手の場合、流れるように書いてはいけません。変なトメ・ハネ、書き方は極力避けましょう。
①字形を気をつけながら
②WB中の文字や図の配置を考えながら
③学生と話しながら
④ルビを振りながら
⑤次の段取りを考えながら
書くといいでしょう。難しいようですが、慣れればその内意識しなくてもできるようになります。
しかし、この文字のトメ・ハネについては教師に限ったことで、学習者にはそれほど厳しくしないようにと国からお達しがあるので注意しましょう。
下を向かせる
学生に極力下を向かせてはいけません。授業は基本的に前を向いて勉強させます。下を向いてやるのは『勉強』とは呼びません。『作業』です。作業は家でできます。家で前を向いて勉強する人はいません。
学校では学校でしかできない勉強がたくさんあるので、学生には前を向かせ続ける事を常に念頭に入れて、授業を進行しなければなりません。
学者口調
多くのテレビの識者や学者、大学講師達の話し方を見てもわかる通り、大変つまらない、眠いものです。難しい言葉で抑揚なく、無表情のまま、間をおかない、加えて体も微動だにしないでボソボソと話し続けると、頭に何も入って来ないどころか、眠くなります。
最後に
テキストをなぞるだけ、だらだら話し続け、遥か昔に作った教材をそのまま使い続ける向上心0の教師が学生に「寝るな、ケータイ使うな、帰れ」と言って、学生は素直に従うでしょうか。
上に書かれている5つのこと、そして卓越した文法の知識や語彙力、教師としての威厳、圧倒的な運営能力・指導力、熟れた経験、理路整然と並べられた教材、全てが揃えば向かうところ敵なしですが、それらは一朝一夕で手に入るものではないので、まずは上の5つから練習してみてはいかがでしょうか。
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