留学生は日本の教育について何を思うのか

留学生を相手に授業をしていると、驚かれることに私は驚くのです。

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留年しない事に驚かれる

T:日本では12歳、中学校卒業まで留年しません
S:ええ!?
T:義務教育というものがあってだね…
S:じゃ勉強できない人はどうするんですか。自動的に次に行きますか
T:そう。だから、中学校時代に家にひきこもっても卒業はできるよ。今はどうなんだろう。私が子どもの時は3年間ほとんど来なかった人が一人いたけどやっぱり卒業したよ
S:ええ…

教科に驚かれる

まずは水泳です。例えばベトナムは水泳の授業がないところが多いようです。泳ぎ方は学校で習うものではなく、日常で先輩や友人が教え、覚えるものだそうです。なんだかいい話ですが、気になる私はこう質問しました。

T:怪我とか危なくない?
S:波のないプールで泳げるようになる方が危ないです
T:うむ…

ハッとしました。確かに、日本人は水泳の授業できれいなフォームを波のない場所で丁寧に教えてもらいながら訓練します。しかし、それが海難事故の際にどれだけ役に立つのか問われると、私にはわかりません。

次は中国です。中国は勉強勉強で家庭科や図工の授業風景を見せると感嘆の声が上がります。
T:中国も体育とかするでしょ?
S:しますけど、日本みたいに色々しません
と不満そうに言います。

給食や掃除に驚かれる

これは有名なのでご存知の方も多いかと思います。日本の給食、掃除を真似する国も増えているそうです。ほとんどの国の学生が「学校の掃除は、掃除をする人がいます」と言っています。

トイレ掃除の映像を見せると皆「うわ…こんなところまで?」と顔をゆがめます。

制服と青春に驚かれる

日本の制服は外国人にはとてもかわいく映っています。学校へ制服を着て来る中国人女子留学生は多いです。

そして、「私の国はありませんから、着たいです」と言います。男子の第二ボタンの話などをするとうっとりした顔で「いいなあ~」と恍惚の表情で日本の文化祭や運動会、修学旅行などの行事の話も聞き入ってしまいます。

S:先生は青春したことがありますか
T:ないよ
S:でもいいです。羨ましいです

この「青春したことがありますか」という質問は何度かありましたが、「ある」と言っても「ない」と言っても答えは同じ、「羨ましい」です。

留学生は日本の教育について何を思うのか

総評すると、外国人からの日本の教育は「いい」という評価のようです。しかし、ここからが大事なのですが、

T:じゃここまで話を聞いてきた皆に聞くよ。日本で子どもを育てたい?
S:うーん…

言語の問題や、祖国を離れての不安などから来る「うーん…」ではありません。日本の自殺率や、いじめ、ひきこもり、面倒な上下関係、外国人には理解しがたい過労死という日本独特の人災から来るものです(これについては留学生は日本の自殺率・過労死について何を思うのかで詳しく述べています)。

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