「ほど~ない」【N4】
用法
V普通形/N+ほど~ない┃以下接続例
V:思う+ほど~ない
A:なし
Na:なし
N:彼だ+ほど~ない
≪意味・使い方≫
XほどYない。
- Xとくらべて、Yじゃない <not as Y as X>
- Xとくらべて、大きくはちがわないけど、でもXよりはすくない、ひくい、よくない、などと言いたいときに使う
- ぜんぜんちがうものをくらべるときには使えない(例:×くまはうさぎほど小さくない。)
1.「ほど」は、「あと10分ほどで着く」のように「だいたい」の意味で使われることが多いが、この文型では比較の意味が入ってくる
2.前件と後件が同じ場合、「ほど」の後を省略し、「ではない」とすることができる。
例:今日は寒いが、昨日ほどではない。(=今日は昨日ほど寒くない)
例文
私は彼ほど英語が上手ではない。
私はチョウさんほど勉強が好きなわけではない。
あの人ほど日本語が上手でないと、この仕事はできない。
私の家は彼の家ほど広くない。
私は彼女ほど料理が上手くない。
あの人は彼ほど頭が良くない。
私のスキルは彼のスキルほど高くない。
このPCは彼のPCほど速くない。
今日は昨日ほど暑くない。
この映画は思っていたほどおもしろくなかった。
あの大学の試験は私たちが考えているほど簡単ではないのだろう。
「ほど」「ば/なら~ほど」【N3】
用法①:程度
≪接続≫
普通形+ほど┃以下接続例
V:する+ほど
A:おいしい+ほど
Na:にぎやかだな/である+ほど
N:本だ+ほど
≪意味・使い方≫
XほどY。
- Xと同じレベルでY <Y is almost at the same level as X>
- ある状態について、どのくらいかを強調したいときに使う
- Xは、話し手の意志がない動詞が多い
1.【前件の程度に達した】場合と、【前件の程度に達していない】場合がある点に注意する。
例:・死ぬほど疲れた。(実際には死んでいない)
・涙があふれるほど泣いた。(実際にあふれた)
よく一緒に使われる言葉・文型・表現
「~たい」
例:泣きたいほどうれしかった
例文
恋人の誕生日を忘れるほど忙しかった。
合格して、踊るほど嬉しかった。
その地震は冷蔵庫が動くほど大きかった。
富士山に登って、下りてきた時は、もう一歩も歩けないほど疲れていた。
あの双子は両親も間違えるほどよく似ている。
涙が出るほど笑った。
蚊ほどのとても小さい虫がいた。
前職は泣くほど忙しかったので、辞めた。
彼は授業中寝てしまうほど夜ゲームをしているそうだ。
帰れないほど雨が強い。
類似文型とその違い
「くらい」も「ほど」も同じように使うことができますが、「くらい」は程度が高いときにも低い時にも使うことができますが、「ほど」は程度が高い時にのみ使われることが多いです。
例えば、程度が高い場合は、「我慢できないくらいの痛さだ」、「我慢できないほどの痛さだ」のように、どちらも使うことができます。一方で、程度が低い場合は、「我慢できるくらいの痛さだ」とは言いますが、「我慢できるほどの痛さだ」とはあまり言いません。
このように、「くらい」も「ほど」も同じように使うことができますが、使われる場面によっては「ほど」がそぐわない場合があります。
用法②:相関関係
≪接続≫
条件形+ば/なら+普通形+ほど┃以下接続例
V:すれ+ば+する+ほど
A:むずかしけれ+ば+むずかしい+ほど
Na:にぎやかだ+なら+にぎやかだな+ほど/にぎやかだであれ+ば+にぎやかだである+ほど
N:なし
普通形+ほど┃以下接続例
V:する+ほど
A:むずかしい+ほど
Na:にぎやかだな/である+ほど
N:人+ほど
≪意味・使い方≫
(Xば/なら)XほどY。
- XをしたらもっとYになる <the more X, the more Y>
- たくさんXをしたら、そのぶんだけYになる、と言いたいときに使う
- 「Xば/なら」の部分は、あってもなくてもいい
例文
カレーは辛ければ辛いほどおいしい。
カレーは辛いほどおいしい。
日本語は勉強すればするほど難しくなる。
日本語は勉強するほど難しくなる。
雨が降れば降るほど傘が売れる。
雨が降るほど傘が売れる。
質問したが、説明を聞けば聞くほどわからなくなった。
質問したが、説明を聞くほどわからなくなった。
休みは多ければ多いほどいいものだ。
休みは多いほどいいものだ。
ビールは冷たければ冷たいほどおいしい。
ビールは冷たいほどおいしい。
勉強する部屋は静かなら静かなほどいい。
勉強する部屋は静かなほどいい。
子供は元気であれば元気であるほどいい。
子供は元気であるほどいい。
頭のいい人ほど他人の話をよく聞いている。
教え方がうまい先生ほど生徒から人気が出るというものだ。
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