英語圏とアジアの人達の違い┃教師のモチベーション

英語圏の人はよく報告してくれる、と今日また報告があって思いました。報告とは以下のようなもののことです。

T:教師 S:学習者

日本の会社で働くS1さん
S1:カキアゲさん、この間勉強したアレ、会議で使いましたよ。ありがとうございました
T:どういたしまして

初めてのレッスン、「はじめまして。私は〇〇です」という表現を教えたばかりのS2さん
S2:今日習った自己紹介を妻(日本人)にしたら喜ばれました。ありがとうございました
T:それが聞けて嬉しいです。これからもっと頑張ればもっと色々なことができるようになりますよ

日本で働くS3さん
T:今日はこれを勉強します
S3:これは今晩のパーティーで使えそうです。早く教えてください

確かに給与もモチベーションを上げる重要な要素の一つなんですが、報告もあればでいいのですが、嬉しいのでどんどんしてほしいものです。

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アジアの人達は

では、私が教えてきたアジアの人達はどうか。

ほとんどいませんでした。「今度こういう状況で使います。だからこれからこの文法を勉強できて嬉しい」「この間こういう時に使いました。とても役に立ちました」といった報告はあまり受けません。
しかし、「JLPTに合格できた/EJUで高得点を取れたのは先生のおかげです。ありがとうございました」というのはありました。
こういう風に書くと言わないことが悪いことのように聞こえますが、そうではありません。ただ、本当に頻繁に感謝される気がするのです。

アジアの人達は、先生を敬っていると強く感じます。中国や韓国に限らず、他の国の人達もそうです。感謝もしているのだろうと思うのですが、その感謝を口にするかしないかが異なるのでしょう。反対に、英語圏は敬うというよりも、感謝している感じがひしひしとします。

アジアの人は基本的にシャイで、意見や主張が少ないです。文作やスピーチ、ディスカッションなどを授業で実施したことがある先生ならご存知でしょう。
こちらが「意見はないの?」「全部賛成してるの?」「言いたいことは?」といくら言っても

S:別にない
S:なんでもいい
S:それでいいです
果ては「先生が決めてください」という者までいます。

そういう性質も手伝って、授業後やレッスン中に感謝を言うのが恥ずかしいと感じてしまう、ということなのではないでしょうか。

日本人は

日本人も比較的、上のアジアの人達と似ています。私の肌感覚に過ぎませんが、最近「ありがとう」を言う人がずいぶん増えてきました。昔はもっと少なかったように思います。
ただ、日本語には「すみません」という特殊な語があります。

この「すみません」を「ありがとう」の意味で使っていて、それを「ありがとう」の割合に含めるのなら、日本人はかなりの「ありがとう」好きということになります。「ありがとう」では直接的過ぎるので、日本人は「すみません」を好んで使います。

感謝を口にできる人

感謝されただけでこんな記事を書くなんて英語圏の人にとってはおかしなことかもしれません。それに日本語を教えるということは私にとって当然のことです。お金をもらっているのです、感謝されるようなことをしている意識はありません。しかし、「すみません」にしても、「ありがとう」にしても、言われないよりも言われる方がこちらもやる気が出ます。

いつも当たり前に周りにいる人に、当たり前のことをしてもらっても「ありがとう」が言える人になりたいものです。

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