用法
接続
名詞だけに接続┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:私の+にとって
意味・使い方
1.主に人物を表すNに繋がり、その人の立場で考えるとどうなのかという事を表す
2.後件には評価、判断を表す文がくる
3.「は」の付いたニトッテハは、ある事柄を主題にしたり(取り上げたり)、対比的な意味合いを持たせたりする話し手の判断が入る
・あなたにとっては簡単かもしれないが、私にとっては難しいのだ(対比のハ)
・これはただの100円のペンかもしれないが、私にとっては祖父からもらった大切なものなんです(対比のハ)
4.「N+にとっては/も/にとっての」の形も
例文
これは百均で買ったペンだが、私にとっては宝物だ。
千円は子どもにとって大金だ。
増税は日本人だけでなく、外国人にとっても重要な話だ。
小学生の問題なんて大人にとっては簡単なものばかりだ。
いじめ問題は子どもだけでなく、大人にとっても大きな問題だ。
あなたにとっては簡単だが、私にとっては難しい。
自然エネルギーは現代の私たちの生活にとって重要なものだ。
これは私にとって忘れられない思い出の品だ。
花粉症の人にとって最悪な時期がやって来た。
大人にとって、野球の話題は常に危険が伴うので避けた方がいい。
私にとって先生は漫画のお手本です。
誰にとってもまったく予想外の展開だった。
これは、人間にとって最初の死であるアベルの死を嘆いている絵です。
僕にとって当たり前のことが、君にとっては当たり前じゃない。
出席率は留学生にとって重要な事だ。
家の犬は私達家族にとってペットではなく家族なのだ。
学習者の誤用例
以下のような誤用が大変多く見られる。
✕中国人に対して漢字は簡単だ。
✕子どもに対して千円は大きい金だ。
〇中国人にとって漢字は簡単だ。
〇子どもにとって千円は大金だ。
「にとって」「に対して」という2つの言い方は中国語では同じらしく、そのせいで上記のように書いてしまう学生が多くなる。授業では質問がなくても、誤用がなくても、こちらからこのことについて触れた方がいい。
違い 「として N2」「にとって N3」
共通
共に立場、観点などを表す
違い
トシテはその立場、観点から、または資格として何をする/したかという行為を述べることが多い
ニトッテは「できる/できない」「難しい、深刻だ、大変だ、大切だ、ありがたい」などの評価を言う場合が多い
・川は昔の人×として 〇にとって必要不可欠なものだった
・これ捨ててもいい?
…ダメ。それは私×として 〇にとって大切な物なんだ
2つ共使えるが、違いがある文
・A人として/にとって大切な事は約束を守る事だ
・Bあの地震は日本人として/にとって忘れられない出来事だ
・C納税は国民として/にとっての義務だ
AとBのトシテは「人としてすべきだ」「忘れてはいけない」という意味が出る。ニトッテは単にそうである事を述べているだけ。Cも同様
注意
トシテとニトッテは助詞トと動詞スル、助詞ニと動詞トルが組み合わさってできたもの、複合格助詞(にかけて、について、にわたって、に関して、にもとづいて、にそって、によって)
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