用法① ~という立場・状態・身分で
接続
N+として(+は/も/の)
V:なし
A:なし
Na:なし
N:私+として(+は/も/の)
意味・使い方
1.~という立場・状態・身分で
2.「として」の後に「は」「も」「の」、または何も付かない場合があるが、「として」の用法とそれぞれの助詞の用法を組み合わせて「としては としても としての」を適宜使い分ける。だから、単純に「としては」と「としても」が入れ替え可能というわけではない。
例文
彼は教師としては一流だが、一人の父親としては三流だ。
彼は生まれはアメリカだが、日本人として試合に出た。
私としても彼の態度には困っているのだ。
日本人としての誇りを持って留学に向かった。
手塚治虫は医者としてよりも漫画家として有名だ。
一度客としてこの店に来たことがあるが、働くことになるとは思わなかった。
読み物としても面白い。
彼は作詞家としてもたくさんのヒット曲があります。
やはり大阪学院高校を卒業した僕としてはその高校に勝って欲しい。
エリートから程遠い私としては、心情的に金足農業を応援したくなる。
社会人としては、休日よりも残業手当の方がありがたい。
用法② 前件だと思って/判断して後件をする
接続
N+として(+は/も)
V:なし
A:なし
Na:なし
N:私+として(+は/も)
意味・使い方
前件だと思って/判断して後件をする。
例文
彼女は拾ったその子どもを我が子として育てた。
彼女は男として育てられた。
論文のテーマとして日本語の助詞について書くことにした。
アメリカ人の両親は私をアメリカ人としては育ててくれなかった。
アメリカ人の父と日本人の母は私をアメリカ人としても日本人としても育ててくれた。
用法③ 前件に対しての判断を後件で述べる
接続
N+として(+は/も)
V:なし
A:なし
Na:なし
N:私+として(+は/も)
意味・使い方
前件に対しての判断を後件で述べる文型。
例文
その子は子どもとしては体が大きい。
去年のカレンダーはメモ帳として役に立っている。
約50分と映画としては少し短いけど、だからこそ気軽に観られるので勧めやすい。
用法④
接続
N+としても
V:なし
A:なし
Na:なし
N:私+としても
意味・使い方
1.~ても
2.実際は前件ではないが、もしそうなっても
3.くだけた話し言葉では「としたって」になる
4.他の用法の混同に注意
・新聞は読み物としてだけでなく、鍋敷きとしても使える
↑これは仮定の用法ではなく、状態の用法
比較文型:「としたら/すれば/すると N3」
対義関係にある文型
例文
(もし)明日雨だとしても、式は行われる
結果的に問題は起きないとしても、アプリケーションの設計としてどうなの?
間違えて解いていたとしても焦ってマークを消してはいけません。
地下水が環境基準を超えたとしても「飲むわけではなく人体に影響はない」って、基準値の意味を根本から否定
準備行為を構成要件に加えたとしても、共謀罪であることに変わりない
子供たちに震災の教訓を伝えようとしても、地元でももはや小学生は、地震や津波の体験・記憶が少ない年代になりつつある
気化したとしても地上では極めて低濃度で問題は無い
いつか他の誰かを好きになったとしても あなたはずっと忘れない
仮に会ってる時間が2時間だとしても与えられる人はいる
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