「末(に)」【N2】
用法
≪接続≫
Vタ形/Nの+末(に)┃以下接続例
V:した+末(に)
A:なし
Na:なし
N:議論の+末(に)
≪意味・使い方≫
X末(に)Y。
- いろいろXしたあとで、Y <After X, Y>
- いろいろXしたあと、Yという結果になった、と言いたいときに使う
- Xには時間のかかる動詞、またはする動詞の名詞が来る。1回だけしたことは来ない
×結婚した末に、離婚した - 読み方は「すえ(に)」。「に」はあってもなくてもいい
よく一緒に使われる言葉・文型・表現
「いろいろ」「さんざん」「長い時間」
例:ウエディングドレスをどれにするかいろいろ迷った末、最初に着た一着に決めた。
例文
二年間勉強した末に大学に合格した。 (After two years of studying, I passed the university entrance exam.)
30年間の結婚生活の末に私たちは離婚した。 (After 30 years of marriage, we divorced.)
いろいろ考えた末に転職することにした。 (After much consideration, I decided to change jobs.)
3年間のいじめの末に彼は自殺した。 (After three years of bullying, he committed suicide.)
2年間も留学した末に出した決断は帰国だった。 (After studying abroad for two years, the decision I made was to return home.)
東大合格は努力した末の結果である。 (Achieving admission to the University of Tokyo is the result of hard work.)
社長は一晩考えた末、A社の傘下に入る事にした。 (After pondering overnight, the CEO decided to join company A.)
Aチームは苦戦の末Bチームに勝った。 (After a tough battle, Team A defeated Team B.)
思い違いの末に恋の縁が途切れた。 (Due to a misunderstanding, the thread of love was severed.)
長い道のりの末、山頂に到達した。 (After a long journey, we reached the summit.)
困難な状況を乗り越えた末、成功を収めた。 (After overcoming challenging circumstances, we succeeded.)
長時間働いた末に、体を壊して休職することになった。 (After working long hours, I ended up falling ill and had to take a leave of absence.)
多くの課題をこなした末、卒業できた。 (After completing many tasks, I was able to graduate.)
多くのトラブルの末、プロジェクトは成功した。 (After numerous troubles, the project was successful.)
挑戦的なアイデアを実現するために努力した末、成功を手にした。 (After striving to realize challenging ideas, I achieved success.)
類似文型とその違い
「XあげくY」も「XすえにY」もどちらも「Xの結果、Yになった」と言いたいときに使いますが、使える場面が違います。
「XすえにY」は、Yがプラスの場合でもマイナスの場合でも使えます。対して、「XあげくY」は、Yがマイナスの場合にしか使えません。
例:
さんざん議論した(〇すえに ×あげく)、ついに合意に至った。
さんざん議論した(〇すえに 〇あげく)、結局合意には至らなかった。
このように、「あげく」と「すえに」は、後に続く文がもたらすニュアンスが異なります。
「あげくに」と違いはないと書いてある参考書もありますが、そんなことはありません。
A 10以上もの病院を回ったあげく、ついに彼を治せると言う医者が現れた
B 10以上もの病院を回ったあげく、とうとう彼は息を引き取ってしまった
Aは落ち着きが悪いです。「あげくに」は悪い結果を導くものなので、Bの文が自然です。
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